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時間が少し取れたので前回の続きを。
まだまだ忙しさは続くので更新はまったりです
「わかりました。では、次は魔法に関しての説明ですね。」
そう言って、チアルは魔法についての説明を始めた。
魔法ね。確かに俺自身は使えないが馴染みがないかと言われれば否と答えるよな。ゲームやらラノベやらの漫画・アニメやらの感覚でいいのかはチアルの説明を聞いてから判断することにしよう。…そういえば昔恋愛ゲームでやった主人公が魔法で和菓子出すとかあったな。あれ、俺もできるんだろうか。気になったし試してみるか。
左拳を握って、そこに和菓子…饅頭でいいか。イメージして、手を開く。…うまく饅頭ができたみたいだ。適当な皿も<アイテム作成>で作って、饅頭をいくつか乗せる。魔法って言うよりは<アイテム作成>の恩恵だろうとは思うが、気にしたら負けだ。
【<賢者の石>のレベルが上がりました!】
【レベルが上がりました!】
…気にしたら負けだ。俺は気にしないように努めて、目の前の饅頭を見る。
「チアルも、適当に食べていいぞ。」
「カズマさん、これは?」
皿に積まれた饅頭を興味深そうに眺めるチアル。あぁ、見たことも食べたこともないか。
「コレは饅頭って言う俺の国の食べ物だ。」
そう言って、手本になるように皿から饅頭を1つ取り口に運ぶ。おもったより美味いな。お茶が欲しくなるが贅沢は言うまい。
「えっと、本当にいいんですか…?」
「俺がいいって言ってるんだからいいんだ。」
「では、失礼します。」
後で聞いたところによると、奴隷は本来は主人と同じものを口にすることはありえないとのことだ。ここまで数日かけてきてるんだ。今更すぎるな。
さて、饅頭はチアルの口にあうのだろうか。様子を伺いつつ俺も手を進める。
「お、おいしいです!優しい味なのに甘くて…!これ、本当に私が食べていいんですか!?甘いお菓子なんて、相当の高級品じゃないんですか!?」
どうやらお気に召したようだ。それにしても甘いお菓子が高級品ねぇ…。
「いや、目の前で俺が出すの見てたろ?俺の世界では極一般的なものだしな。」
「こんなにおいしいお菓子が一般的なんですか!?」
「あぁ。これ以外にもまだあるしな。…それにしても、この世界でも砂糖、と言うよりは甘味は高級品なのか?」
「はい。砂糖が大陸全体でも生産できる場所が限られている上に、独占的に価格操作を行っているので…。」
「なるほどな。よくあることと言えばよくあることだな。」
価値があるものは高値がつく。独占しているのなら更に儲けようと価格操作をする。よくあることだ。この世界では独占禁止法とかそんなものは存在しないだろうし、仕方ないな。
「で、肝心の魔法についてだけど…」
「あ、すいませんでした。では、簡単に説明していきますね。」
「別に、逃げたりするものじゃないから、ゆっくり食べてもいいからな。」
「あぅ…。」
あれ、チアルが顔を赤くしてモジモジしてるけどそんなに恥ずかしいことか?とりあえず、今日のメインである魔法について話を聞く。
「す、すいません。えーっと…魔法のレベルについては先ほど説明した通りになるので割愛しますね。そしたら…次は分類と属性について説明します。」
そう言ってチアルは分類と属性について説明し始める。
長いので要点だけまとめると、魔法の分類としては【属性魔法】【特殊魔法】【生活魔法】の3つに分けれるそうだ。
【生活魔法】は名前の通り、生活に関する魔法がここに分類されるとのこと。よく異世界転生物で見る清掃や乾燥魔などがここに分類されるようだ。要するに<魔法の力を使うが周囲への影響が低い魔法>って言うことらしい。【生活魔法】は大概家族内で語り継がれるし、他の家の【生活魔法】を教わったりすることもあるらしい。割合オープンな魔法とのこと。
で、続いて【属性魔法】。基本的にこの世界は地、水、火、風、光、闇の6属性の魔法がここに分類されるらしい。氷に関しては水属性の延長、雷に関しては特殊魔法の分類なんだとか。余談だが、この属性に無属性を加えた7つの曜日で1周間は構成されているとのこと。話を戻すと、ほぼMMORPGなんかでイメージされる属性のまんまだな、というのが正直な感想。ただ、どの属性でも◯◯ができない、ということはなさそうだ。もちろん効果時間とか効果の強さに差はあって、属性ごとに得意不得意はあるみたいだけど。ざっとまとめると
地属性:物理的な防御強化の補助が得意で攻撃魔法も物理が多い。反面、魔法的な防御強化魔法や回復魔法は苦手。
水属性:魔法的な防御強化魔法と回復魔法が得意。反面、攻撃魔法の威力は低めで使用者の負担もそれなりに大きい。
火属性:直接的な攻撃が大得意。攻撃面に関しては他属性の追随を許さないが、その他は全般的に効果が薄い。
風属性:よく言えばオールマイティー、悪く言えば器用貧乏。なんでも平均的にこなせるが故に、使い手が場面に応じて魔法をしっかり選ばないと実力を発揮できない。
光魔法:水属性魔法よりも回復・防御に特化した属性。それに比するかのように攻撃魔法の威力は落ちている。ただし、アンデッドに対する攻撃性能は高い。
闇魔法:主に精神攻撃を得意とする魔法。使い手が少ないがゆえに研究が進んでいない。召喚魔法なんかもここに含まれるとのこと。
こんな感じで。さっきも言ったけど、どの属性でも「回復ができない」「補助ができない」「攻撃ができない」ということは基本的にない。【属性魔法】は魔術師に師事して教わったり、簡単なものなら冒険者や旅人が立ち寄った先々で教えることもあるんだとか。
で最後に【特殊魔法】。こいつは基本的に【生活魔法】にも【属性魔法】にも含まれないものが該当する。ドラゴンのブレス攻撃なんかもここに含まれるんだとか。てかドラゴン、やっぱりいるのかこの世界。【特殊魔法】で有名なのは何と言っても【雷魔法】と【時空魔法】だそうだ。この2つは習得条件が謎な上に使い手もかなり少ない魔法で、特に【時空魔法】に至っては使える人間がいるのか怪しまれるレベルだそうだ。【雷魔法】の最大の特徴は発動までの速さと射速の速さで、威力もそれなりにあるらしい。【時空魔法】は対象の時間の流れを操ったり、空間を広げたり小さくしたりすることができるってことだが…コレってゲームとかラノベでおなじみのアイテムボックスの元じゃないか?
「とりあえず魔法の分類とかはざっと理解したけど、やっぱりレベルアップで新しい魔法を覚えたりするのか?」
「そういうこともありますが、一番多いのはやっぱりランクアップのときですね。」
「魔法のランクアップも、槍術とか剣術と同じなんだっけ?」
「はい。今の自分のランクが10レベルになったら、師事している人からのテストを受けて、合格すれば師匠の書いた魔法書を読むことができます。それでランクアップと同時に新しい魔法を覚えることが多いですね。」
「…待て。別にテストを受けずとも魔法書を読めばランクアップするんじゃないのか、それ?」
「試した人がいないのでなんとも…。それに、結局のところレベル計算がどうなるかわからないですよ?」
「レベル計算なぁ…。簡単にレベルがあがるアイテムがあれ…ば…」
使うだけで簡単にレベルが上がるアイテム?俺は今まで自分がプレイしてきたゲームを思い浮かべる。…あるじゃないか。
「カズマさん?」
チアルが心配そうに俺を見上げている。あぁ、自分でも気づかないうちに立ち上がっていたのか。
「あぁ、悪い。…少し、実験したいことが浮かんだからな。」
「実験、ですか?」
「あぁ、うまく行けば革命的なことが起きるかもしれない。」
「そ、それは大きく出ましたね…。でも、私に協力できることならなんでも手伝わせてください!」
「そうだな…そのうち、手伝ってもらうことにするよ。」
いくらんんでも人体実験に近いものにチアルを巻き込むのは気が引ける。まずは自分自身で試して、不具合がなければチアルにも、という感じだろう。
まだ見てないけど、主人公のLvアップは反映済です。次回は自分への人体実験と称したチートのはじまり予定
名前:ナガエ カズマ
称号:
ランク:G
状態:【臣下:チアル・ベルス カッパーウルフ クックー】
Lv:5
HP:23/23
MP:15/15
AGI:D-
DEX:D-
VIT:E
INT:F+++
MAG:F++
LUC:G++
スキル:アイテム作成
鑑定眼:Lv2
賢者の石:Lv3
発現待ちスキル:??? ??? ??? ??? ???
名前:チアル・ベルス
称号:<ナガエ カズマ>の奴隷
ランク:
状態:【隷属:ナガエ カズマ】
Lv:13
AGI:F
DEX:D-
VIT:E-
INT:C+
MAG:D++
LUC:E-
スキル:<火魔法適正:F:Lv2><水魔法適正:G:Lv1>