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第3話~ナディアの夢~(未来の恋愛)

「ん?」


携帯電話を操作している祈志は、じっと画面を見つめている。


「祈志界請、どうかしましたか?」


画面を映している携帯電話が祈志に問いかけた


「なんかチケットが妙に増えているけど」


「それは、EiSaiの運営が仕様を変更した結果です。様々な要素を考慮(こうりょ)して、チケットを増やすこともあるようにアップデートしたようです」


「へぇーそうなんだ。昨日は原付免許けっこう勉強したからその影響もあるのかな」


「あなたは、なぜ原付免許という昔の技術を習得しようと努力するのですか。自動運転の車に乗ればいいと思うのですが」


「いやーやっぱり二輪には二輪の良さがあるっていうか。二輪の自動運転車はまだないから、道路を気持ち良く走るためには免許がいるんだ。あとEiSaiは文明崩壊後(ポストアポカリプス)の世界観で、文明が後退してるっていう設定だからだな。その設定だと、自動運転車は使えないっていう話らしいんだ。だから、EiSaiではロストテクノロジーになってる原付免許の勉強が、後々役に立つと思うんだ」


「ああなるほど。そういうことでしたか。納得がいきました」


「昨日装備の買い物もしたことだし、次の冒険が楽しみだな。ナディア、他にEiSaiにアップデートはあった?」


「…」


ナディアと呼ばれた携帯電話は画面を白黒させている。


「ん?どうした?バグったかな」


「いえ、実は驚くべき新機能が実装されました」


「へぇーなになに?気になるよ。何が実装されたの?」


「はい。なんと『AIのパーティー登録の許可』が実装されたのです」


「パーティー登録?なんじゃそりゃ」


「つまり、私が、あなたとEiSaiで冒険できるということです」


「はぁー?もうすでに一緒に冒険してたじゃん」


「いえ、『肉体を持って、冒険ができる』のです。つまりかわいい妙齢の女の子として、祈志界請と、相思相愛冒険(ラブラブアドベンチャー)ができるということです!あなたが望むのなら、同年代の同性冒険者として熱血青春冒険物語もできますし、ロリコン趣味があるのなら幼女になっていちゃこら冒険もできます。熟女趣味がおありなら40代の人妻と冒険もできます。しかもその肉体は原子レベルで本物の感触が感じられるように丁寧に再現されたという(すぐ)れもの!さあ私に何になってほしい!?」


「熱くなるなナディ。まじかー。どうしようかな。携帯電話と恋愛なんて無理だから男でいいかな」


「エラー4。音声が認識できませんでした。もう一度はっきりとおっしゃってください」


「え、だから男キャラクターになって普通に冒険しようよ」


「エラー4。音声が認識できませんでした。もう一度はっきりとおっしゃってください」


「わざと言ってるだろ。わかったよ23歳の若い女性キャラクターでいいよ」


「正しく認識できました。そうです、それでいいのです。さあ冒険して、あんなことやこんなことをたっぷりしましょうね、うふふふ」


「けんさんの家の庭でんなことできるか。だいたいVR体験では、はたから見たら一人でやってる風にしか見えないだろ」


「それが運営が、これまた原子レベルで感触を再現したオーダーメイドロボットを希望者に販売してくれるそうです」


「へぇーいらんけど。でもお高いんでしょう?」


「新しい家一軒分くらいの値段です」


「ほぼベーシックインカムしか収入がない僕に買えるわけないだろ、却下」


「すぐに諦めないでください。スマホ仲間の話では、ゲームの中で上位にランクインすれば、無料でプレゼントしてくれるかもしれないという(うわさ)だそうです。一緒に一位を目指しましょう!」


「いったい世界でプレイヤー何千万人いると思ってんだ。そこで上位冒険者(ハイランカー)とか、夢のまた夢だろ」


「大丈夫です。あなたは、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの宗教団体、『プレミアムクリエイト学会』の会員です。うわさによればEiSaiの運営上層部にも会員がいるようです。仏教をモチーフにしたスキルなども多いですし、誓言詠唱(ユニバースギア)をすればレアアイテムがもらえるということからも真実と思われます。あまりに入会希望者が多すぎて、一人ひとりを大切にするという理由で、入会する人数を現在制限をしているのはあなたもごぞんじでしょう。そこで頑張れば、なんらかのアドバンテージをEiSai内でも受けられるに違いありません。頑張って!」


「まあたしかにユニバースギアが科学的にすごい効果があるってことで、会員は増えたけど、僕は役職もあまり高くはない末端会員だしな」


「だから、今では入ってるだけですごいとブランド化されているくらいレアなんですよ。そこでささやかでも役職を持っていて、さらに特別な訓練も受けているあなたならハイランカーも夢ではありません。頑張って!」


「わーかったよ。僕なりに頑張ってみるよ」


そういうと祈志は電気を消した。


「おやすみ、ナディ」


「おやすみ、カイ。カイとラブラブ。うふふ」


「やれやれ。まあいいか。ああ、早く新装備を使って冒険したいな」


-続く


~ステータスログ~


-原付免許勉強

-1時間、10章

-EiSai★高評価:1回分ゲット


-タバタ式ダイエット

-2セット8分

-EiSai★普通評価:6回分ゲット


-ユニバースギア詠唱

-3時間

-EiSai★超×2高評価:1回分ゲット

-ユニギアLv.アップ4.30レベルに変更

次はいよいよ強化された装備で、新モンスターと対戦!?

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