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第1話~EiSaiのサイコロを振って~(仕事)

【原付免許勉強48問解答確認】

【46問正解】

【EiSai(高評価):3回分ゲットします】


……


【モンスターがあらわれた!】


脳裏に文字が浮かび上がる


【にゃお太が一体あらわれた!】


「これがにゃお太か!ジャイアントキリング使いの僕にとって敵じゃないな」


高貴な戦士のような風貌をした彼は、ジャイアントキリングといわれる、幅広の片刃(かたば)の剣を構えた。見渡す限りの草原で、猫の顔型のスライム、にゃお太が、ぽよんぽよんと地面でとびはねている。体は30cmくらいありそうだ。


祈志界請(きしかいせい)のターン!】


「いくぞ無辺行!」


【祈志界請は菩薩(ぼさつ)の名を詠唱する】


【黒い烈風が巻き起こる】


【祈志界請の攻撃!暴風の刃が敵を切り裂く】


【にゃお太に19のダメージ】

【★クリティカル★】

【さらににゃお太に19のダメージ】

【にゃお太を倒した!!】


「こいつHP15なのに、オーバーキルだったかな」


突如その場に宝箱があらわれた。木で出来たその箱には星のマークが二つ書いてあった。祈志は、ジャイアントキリングをさやにおさめると、宝箱に手をかざした。


【レアリティ:コモン】

【猫のまたたびを手にいれた!】

【100ゴールド手にいれた!】

【経験値を100ポイント手にいれた!】


「まだチケットが二回分たまってるから、あと二戦くらいできるな。にゃお太はもう倒したから、オート戦闘で解決しよう」


【オート戦闘了解】

【二回分の戦闘を実行します】

【にゃお太を二体倒した!】

【オート戦闘終了】


【レアリティ:コモン】

【猫のまたたびを二個手にいれた!】

【200ゴールド手にいれた!】

【経験値を200ポイント手にいれた!】


「これで今日の分の成果は終わりかー。20分の勉強量なら、こんなもんかな」


祈志はそう言うと、メニューを呼び出し「戦闘終了」の命令を実行するのだった。


【BAR Sequence(シーケンス)


祈志が扉を開けると、酒のにおいがただよってくる。カウンターの奥には体格のいい店員がビールをついでいる。


「ケンさん!いま戻ったよ!エイストップにデータ送っとくね」


「おう祈志君!おーかえりー!はじめての冒険はどうだった!」


「やっぱりこの新型VRは最高だね!すごくリアルに体験できたよ」


「うちの庭で冒険したとは思えないできだったろ?」


「うん。あばれるから広いスペースが必要だったけど、気持ちよかったなあ」


「そりゃあ良かった!じゃあ今日はなんにする?」


「もちろんジャイアントキリングをください!」


祈志がそういうと、ケンさんと呼ばれた男は、「カンパリ」と書かれたリキュールと色々まぜてお酒を作った。


「はい、どうぞー!燃える血の色のカクテル、バナナ味のジャイアントキリングだよ」


「これだよこれ。巨大な怪獣ゴリラを倒すことをイメージしたお酒、ジャイアントキリング!バナナ味でうまいんだよな」


祈志はゴクゴクと水を飲むように、一気に飲みほす。


その後、ひとしきりお酒を飲むのを楽しんだ後、祈志は家に帰っていった。


【家】


「ナディア、今日の総括(そうかつ)をよろしく」


「はい、祈志界請。わかりました」


ナディアと呼ばれた黒い携帯電話は文字を画面に出した。


レアリティコモン 猫のまたたび×3

デジタルマネー 300ゴールド

経験値 300ポイント


「頭の中に直接出すのもいいけど、こうやって実際の目で確認する方が安定するんだよね。なんでだろ」


「はい。祈志界請は言語優位者・言語抽象タイプですが、特化型と言えるほど得意ではないので、画面にして実際に見た方が鮮やかに見えるのだと思います」


「なるほどね。ナディアにサポートしてもらってもそんなにはっきりは出ないからな。なんとなくって感じで。まあ本当は僕が得意なのは三次元映像タイプだけど」


「はい。祈志界請は剣道をやっていたので-」


「わかったわかった。もう眠いから寝るね。おやすみナディ」


「おやすみ、カイ。って、今日は子作りしないの?」


「だからその変な言い方やめろって言ったろ?未完成のAIに学習させることのどこが子作りなんだよ」


「人間と機械が共同で新たな生命を創り出す。これが子作りでなくてなんなのっていう」


「ほんと疲れてるんだけどな」


「この作業もチケットを増やすことになるから、頑張って!」 


「じゃあ少しだけやるか。今日は何をやればいいんだ」


「今日は仕事に関する質問をしようかな。カイが仕事をする上で大切に思ってることを話して」


「昔の話になるけどいい?」


「いつでもいいよ」


「ジュエリー加工職人兼デザイナーをやってた時に大事にしていたのは、『お客の想像を上回る仕事をする』ってことだな」


「ふんふん。それってどういうこと?」


「相手の想像通りの仕事をするのは当たり前だ。でも、ジュエリーを創る上で、計画にはなかった細かい選択を迫られる時がある。例えばプラチナを磨く時に、適当に時間をかけずに磨くのか、ルーペで10倍に拡大しても磨き後が見えないくらいピカピカに磨くのかという選択だ。そういう時に手を抜こうとか、この程度でいいだろうという気持ちで取り組めば感動は生まれない」


「そういう時に手を抜かないで、最高を目指すのが大事なのね」


「そう。僕はお客に、途中経過の報告をしていた時に『祈志さんは見る度に想像を超えてきますね。素晴らしいです』と言ってもらったことがある。お客の想像を上回る仕事をすると、自分もお客も毎日がキラキラと楽しくなるんだ。そしてそれを見る他の人たちにも商品の素晴らしさが伝わっていく。三方よしという言葉があるが、それは自分自身への挑戦の中で生まれるんじゃないかと思うんだ。ことわざにも『獅子(ライオン)は小さなうさぎをとる時にも手を抜かない』というような言葉がある。適度に手を抜くことが大事な局面もあるが、感動と品質と楽しさのために、全力を出すくせをつけることもいいもんだよ。と、以上だ」


「わお。疲れているわりにがっつり、してくれたね。嬉しい」


「どっと疲れたよ」


「すごく良かったよ。これで私たちの子供も、誰にも負けないくらい高性能なAIになれると思うわ」


「そりゃ良かった。それでチケットはどうなる?」


「ちょっと待ってて」


頭の中に文字が浮かび上がる


【未完成新型AIの学習確認】

【オリジナル長文入力】

【EiSai(高評価):5回分ゲットします】

【EiSai(超高評価):1回分ゲットします】


「こりゃあすごいな。こんだけたまれば、レアモンスターをアンロックできるんじゃない?倒せばすごいレアアイテムをゲットできそうだ!」


「夜中に興奮しないの。そろそろ寝たら?」


「はいはい。じゃあ、おやすみーナディ」


「おやすみ、カイ」


ふとんの中で祈志は小声でつぶやいた。


「明日はどんなレアアイテムと出会えるかな」


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