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特別な君へ。  作者: しゃーな、青空晴夏、米洗ミノル
2/3

夜空を詰め込んで。≪女子力≫

続いて、女子力が高い女の子のお話です。


それでは、どうぞ↓

あぁ、今年もこの季節が来た。

そう、バレンタインだ。


2月12日の放課後。

「哲也(てつや)君、これ、受け取って!」

「哲也君、私もがんばったから!」

「哲也君、カップケーキ好きだって言ってたよね!?」

そう言って、僕の周りにたわむれる女子たち。

今年はバレンタインデーが休日だから、今日がピークになるのは確実だった。

「あ、ありがとう…」

僕はそう言って、(一応)微笑む。

「キャ――♡♡」

僕が何か言うたびに、女子たちは大声で叫ぶ。

いったい何がしたいのだろうか…?

僕には全く理解できなかった。


「はぁ…やっと帰れる。」

全員から甘いお菓子をもらうと、それをかかえてまっすぐ家に向かった。

こんなに甘いものばかり食べていると、虫歯になりそうだ。


((今年はもらえなかったな…))

僕は隣の家の莉絵(りえ)が好きだ。

本人に言ったことなんてないが。

去年まではもらえていたのだが、もう中学生だし、ダメだろうと思った。

家までの道のりがとても長く感じた。


~*~*~*~*~*~*~*~


夕飯を食べ終え、自分の部屋へ戻ろうとした時だ。

「哲也ー。莉絵ちゃんがきたわよー。」

母が僕を呼んだ。

((まさか…!?))

期待を胸に、僕はどたばたと玄関へ向かった。

僕を呼んだ母の顔はとてつもなくにやけていた。


「てっちゃん!!」

莉絵はぱぁっと笑顔になった。

「おう。…どうした?こんな時間に。」

「実は…はい!」

「これ…」

莉絵は小さな紙袋をわたしてきた。

「ありがとう。」

そう言って、僕は紙袋を受け取った。

「…これ、あけてもいいの?」

「もちろん!」

「なんだろ…?」

ぼくはドキドキしながら袋を開けた。

((どんなお菓子が…))

中に入っていたのは、意外なものだった。

イニシャルのTが入った、夜空のような模様のストラップだった。

「…これは…?」

「UVレジンっていうやつで作ったストラップだよ!」

「これ作ったの!?」

「うん!てっちゃん、星が好きでしょ?」

「うん。」

「だから、作ってみたの!」

「すごいな…」

「でしょー?しかもね、ほら!」

莉絵はそう言うと、僕に携帯についているストラップを見せてきた。

それは、僕がもらったストラップとおそろいだった。

莉絵のストラップにも、イニシャルのRが入っていた。

「すごいね…ほんとに。」

「てっちゃんモテモテだから、私もお菓子だと甘ったるくて気持ち悪いかなって思って。…いやだった?」

「ううん!ほんとにすごいよ!」

「…ありがとっ!」

莉絵はかわいらしい笑顔を見せた。

((こんな時間がいつまでも続けばいいな。))

「ありがとう。」

僕もそう言って微笑んだ。

「夜空を詰め込んで。」の著者は…私、しゃーなでした!


最後までありがとうございました。

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