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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ある日の出来事。

作者: 実月 鏡弥

中学の時のクラスメイトが実際にしてきたんです。

「尚輝おはよー」


背後からのその声に石橋尚輝は通学中の足を止めた。声の主は角田輝。尚輝のクラスメイトで、かつ、片想いをしている相手だった。

馬鹿でお調子者で煩くて。そんな輝は真面目(だと思っている)な自分とは正反対だ。何故好きになったのかと時々考える程である。考えて、そしていつも同じ答えに辿り着く。


『優しいから』


輝は優しい。どのくらいかと言うと、部活が同じという以外に接点のないクラスのモブの自分に話し掛けてくれるくらい優しい。これを誰に対してでもやるのだから、本当に凄いと思う。でもお人好しともまた違っていて、だからこそ誰からも好かれるのだろう。

普段その優しさは彼のおちゃらけた部分に隠されていて、時々顔を覗かせる。それに気付いた時、尚輝は輝に惹かれていた。


振り返り、「おはよう」と返そうとして、尚輝は言葉が止まった。視界に映る、いつもとは違う光景に息を呑む。何故か直視してはいけない気がして、視線を少しだけずらした。

振り返った先にいたのは、黒いセルフレームの眼鏡を掛けた輝だった。視力は良かったはずなのできっと伊達なのだろう。


「何、それ……」


「ああ、コレ? 姉ちゃんがくれたんだよねー」


そう言いながらフレームの鼻の辺りを右手の中指でくいっと持ち上げる輝。余りにも自然なその動作に、彼が元から眼鏡を掛けていたかのように錯覚した。

大きめの二重の周りを黒が囲う。それが輝の整った顔立ちを一層際立たせている。美形は何でもアリだと聞くが、ここまでだとは思っていなかった。


「ああ、そう……」


尚輝も視力が悪く黒の細身の眼鏡をしている。が、元々目が細いためそこまで強調されることはない。

そらした視線をそっと戻す。一瞬目が合うと、輝は不思議そうな表情を浮かべた。

ーーーーやっぱり、似合っている。


「ちょ、お前反応薄くね!?」


「……そうか?」


知的に見える今の外見と相反した言動とで作り出されるギャップ。そのギャップが尚輝の心をときめかす。くらりとした感覚が身体を襲い、体温が徐々に上がっていくのがわかる。


「……なおき? どーした?」


「っ!?」


火照った頬を隠そうと俯いていると、不意に顔を覗き込まれた。視界に輝だけが映る。

さっきよりずっと近くなった互いの距離は、少し動けばキス出来そうなほど。

頭にガツンと熱が伝わって、尚輝は慌てて顔を上げた。


「あれ? お前顔赤くねえ?」


「……っあ、赤くねえよ!」


「ふーん?」


輝はにやりと笑ってこちらを見た。今度は羞恥心で顔が熱くなりそうだ。


「それで……オレの眼鏡、似合ってる?」


仕切り直しとでも言うようにもう一度聞いてくる輝。じっとこちらを見つめる彼の瞳に、尚輝はとうとう降参した。


「…………よ」


「え、何て?」


小さな声でボソボソと呟く。輝が「もっかい言って!」と頼んでくるが、さすがにそれは恥ずかしすぎる。


「もう言わねえよばかっ! 先行くからな!!」


そう言って尚輝は走り出した。後ろで何か言っている声が聞こえないほどの全力で。

ドキドキと速くなった鼓動の言い訳は、これで十分だろうか?

お久しぶりです。

初めて創作BL書きました。

この話には実はモデルがいて、それが前書きの人なんですけども。

その人と主人公くんがそういう風(BL)に見えるねって友達と話してたのを思い出して書いたのがこの作品。でも全部捏造。だって中学生は自転車登校だしね!

そのうち彼らのキャラを使って学パロBL書こうかなんて目論んでたり(笑)


それではこの辺で。ありがとうございました。

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