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学校

外で降る大雨の音を掻き消す位、教室の中はうるさい。悠は昼食であるパンを食べながら思った。

雨が降っており、外で遊べない。だからみんなは教室で雑談をしている。悠は皆が話している事を盗み聞きしていた。特にやる事がないからだ。

別に悠が孤独君ぼっちというわけではない。悠にも友達はいる。有名な本は読むし、流行りの漫画やゲームは持っている。話題なテレビ番組だって見ている。しかし悠は一人が好きであった。だから悠は人に自分から関わろうとしないのであった。

そこらで皆が話している事はお化けの話や、恋人の話、昨日のテレビの話など、様々であった。しかしどれも悠はつまらないと思った。悠は水滴がたくさん付いている窓を見る。そして初夏であるのに、雨で蝉の音が聞けないのは少し残念に思いつつも嬉しく思った。



雲峰くものみ中学校。全校生徒は約500人の大規模な学校だ。

松本マツモト ユウは2年1組の生徒で、学業は優秀とは言えない。運動能力も…しかしなにかと勝負強い所がある。だから信頼は一応はされていた。


「おぅい、悠。」

悠が窓を見ながら盗み聞きをしていると、後ろから声が聞こえた。この声は白樺シラカバ 淳太ジュンタだ。淳太は悠にとって一番の親友と言って間違いないだろう。勉強ができ、運動もできるので、皆からの信頼はとても厚い物であった。

そんな淳太がニコニコしながら悠に近づく。

「借りてた本を返すよ」

淳太は本を机の上に置いた。アガサクリスティの『そして誰もいなくなった』や『ABC殺人事件』。江戸川乱歩の『怪人20面相』。他にもライトノベルなどを貸していた。

「サンキュー」

「お礼を言いたいのは僕なんだけどね」

淳太は苦笑いを浮かべながら言った。悠はそれを見てクスリと笑った。淳太もそれにつられて、笑ってしまう。

「まあ、ありがとう。『そして誰もいなくなった』が個人的には好きだね。また他の推理小説の名作とかを貸してよ」

「ああ。ホラー小説やライトノベルも貸すよ」

「本当?ありがとう。」

淳太はニッコリと笑った。淳太の顔はとても嬉しそうであった。


ホームルームも終わり皆は部活に行ったりとする。しかし悠はどの部活にも所属していないため、家に帰る事になる。悠は家に帰ってやる事はまず、ゲームや本を読んだりする事で、人の家に遊びに行ったりしない。悠はやはり一人が好きであるからだ。

悠は1ヶ月ほど前に発売されたオンラインゲームを起動させる。悠はただ夢中に操作した。ゲームの内容は、銃で敵プレイヤーを撃つオーソドックスなFPSゲームだ。悠はこれに恐ろしいほどハマり、下手したら1日中やっていた。その分だけあって悠の操作は見事なものであった。

気づいたらもう暗くなっていた。いつも通り母が作り置きしてくれている晩御飯を食べる。そしてまたゲームをする。12時を過ぎたので悠は寝る事にした。


何も変わらないいつも通りの普通な日常が続いていた。



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