ゆめにっき~旅館~
私は家族と旅館に来ていた。父と母はカウンターから受け取ったばかりの鍵を私たちに差し出し、少し用があるから先に部屋に一定でと言う。私と妹は走って部屋へ向かった。
「この部屋じゃないかなあ」
鍵についてる番号と同じ番号の部屋を見つけ、鍵を開けた。中に入ると昼間なのに真っ黒なカーテンがしめられ、部屋の中は暗かった。中に入った私たちは荒れ果てている部屋を見渡してただただ驚いていた。
「ピピピピピピピピピ・・・」
どこからか携帯電話の着信音が鳴り響いた。あたりを見渡すと、近くに充電器に繋げられた携帯電話を見つけた。私は恐る恐る開くと「レイコ」と着信があった。
「ウフフフ・・・」
部屋の奥から女性の笑い声が聞こえた。
「人のものを勝手に見ちゃダメよねえ」
女の声が響いた。私は背筋がゾッとした。いそいで近くにあったバスルームに妹を連れて逃げ込んだ。ドアを閉め鍵をかる。鍵をしめたときに気づいた。ここにいてはどっちみち危険だということに。だが部屋にはあの女がいるはずだ。どうする・・・。
「どこにいるのーっ?」
廊下から母の声がした。私たちの名前を呼び、探してるようだった。私たちは思い切ってバスルームを飛び出すと部屋のドアに向かった。だがドアが開かない。
「母さんっ!母さんっ!」
ドアを叩き私たちは叫んだ。その声が聞こえたのか、母は外側からドアを開け、私たちは外に出られた。
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場面は変わる。
旅行からの帰宅。
私たちは家の前に車をとめた。外に出ると家の前にやけに着込んだ少年が立っていることに気づいた。
「ねえ、あの子何してるのかな?」
「え、どこどこ?」
どうやらあの少年は私にしか見えていないようだ。
少年は足音も立てずこちらに近づいてきた。