自由って、ナシッ!
「な・・・んで・・・だよっ?!」
本当にそれしか言えなかった。他に変わって出てくる言葉なんて、無い。
いきなり、「ごめん」の一言で、懐かしの祠に逆戻りかよ?理由説明一切ナシでぇ?・・・分けわかんな過ぎにも、程がある。
そういえば、今年のサナエは様子がおかしかった。
今年は、サナエが15という年数を生きてきて初めての夏。
サナエは、新高校一年生になって。だから、周囲からの自分への見られ方も相当気にするようになっていた。
いつも、あいつは自分のオヤジの墓の前で、文句ばっか言ってた。
「ねぇ、父さん。やっぱり、シャラにお守りばっかさせるの悪いってば」
「どうして、シャラを私のお守りにつけたの?・・・私だって父さんみたく、お払いだってなんだって出来る。一人でも、大丈夫なのにさ?」
それを、俺はいつもサナエの背中を見ながら、聞いていた。
だから、いつも応えてた。あいつの父親の代わりに。
俺はサナエとずっと一緒にいた。
サナエのオヤジが死んでからも、ずっとずっと。
オヤジより・・・修一より、サナエに関しては俺の方だよーっぽど詳しい。
正直、お守りなんて思ってなかった。
サナエといることが、当たり前で当然なんだって思っていた。
守護霊だから、とか。そんなの念頭の片隅にも無かったし、思いたくも無かった。
俺は、あの日。サナエと契約を結んだあの日。
表立っては、修一からの願いってなっていたらしいけど、実際は俺から申し込んだ話。
毎年毎年、俺の所に来て、まだ咲かない蕾を見ながら泣いてたサナエ。
一番最初は、修一に怒られたって、泣きついてきて。
それから、友達が気持ち悪がるー、とか。友達なんていらないんだー、とか。
初めて、賞状を取ったときなんて自慢げに俺に見せてきたりした。
時には、「父さんの馬鹿ーッ」とか泣きながら修一に対する不満を俺にぶつけてきたりもしたっけ?
それでも、やめようとしなかったのは、水遣り。
泣きながらも、自慢げに胸を張りながらも、怒りながらも。
必ず俺に水をかけてくれた。
そんなあいつを、俺はただただ見ているのは嫌だった。
木のままだと喋ることもできないから、褒めたり慰めたりもできなかった。
実態が木だから、ただただ風に葉を靡かせて、花弁を大きく開くことしかできなかった。
だから、修一に頼んでカタチを造ってもらって、サナエの守護霊になったんだ。
お守りだなんて、思ってない。
ソレが当たり前なんだって信じていたかったんだ。
サナエが、一人で生きていくなんて絶対に無理だってことも、俺はよく知っている。
絶対に他人には涙を見せたくないって心で決めていることも、知っている。
だから、祠の中でも、カタチを失った自由なんて絶対にナシッ!
どーせ、またさ。泣きながら不満ばっかぶつけて来るんだろうケド?
それでも、サナエに何も言ってやれないことが、一番縛られていて自由じゃないってことなんだよ。
そんなの、自由じゃないって。
だから、そんな自由ってナシッ!
はぁっ、はぁっ(息が荒いです)
やっと、第3話っ?!うわぁっ、どうしよう。もぅ冬じゃんっ!ってか、短編なのじ時間かかりすぎなのでは?!(汗)
さてさて、今回はシャラが主人公じみたことになっていますねーwwおい、こら。何勝手に一話分まるまる使って独白しちゃってるのよ、あなたっ!って怒って上げたい気分です。・・・いや、書いたの私なんですけど(トホホ)
ではでは!最後まで読んでくれた人に感謝感謝ですwwこれからも頑張りますので、叱咤激励、ご感想、誤字脱字等の指摘やご評価がございましたら、どんどん言ってやってください。
どうぞ、これからも宜しくお願いしますっ!!