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リーマン投資  作者: 黒﨑 弘
本編

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第二章 株式投資を始めると決意 2

1月11日、追加編集しました。

 浩は、古本屋へ入る。


 店には店主がおり、今はちょうど他の客は居ない状態である。

店主は、お客さんが居なくて暇なのであろう。レジ横に座りパソコン画面を観ている。

 

「とりあえずあの本を探さないと」


 店内の本は探し易いようにジャンル別に仕分けされてある。

「あの本はジャンルでいうと何になるんだ。経済か?」

 浩は経済の棚を探すが、あの本はなさそうだ。

「ひょっとして、もう売れちゃったか?あ、歴史書のところにあるかも」

 浩は歴史書の棚を探すもあの本はなし。

「本当に売れちゃったのかもしれない」


 浩は店主のところへ行く。


「どうも、ご主人。こんばんは!」

「え~と、あー。このあいだ岡谷さんと来られた男性の方ですね」

「このあいだ確か、お客さんで竹田さんだっけ。アイドルの本いっぱい売りに来ていたけどよく来るの?」

「ええ。給料日前にお金に困ると売りに来てくれることが多いですね。お客さん、今日はアイドルの写真集買いに来たんですか?」

「いやいや。あのさぁ、あの時、確か竹田さん、なんかおもしろい本売りに来ていたよね」

「おもしろい本?」

「なんか相場がどうのこうの、この本があれば儲け放題だとか」

「あ~あ~、あの本ね」

「あの本、売れちゃった?」

「いや、まだ売れてないと思うけど」


 店主はパソコンで在庫確認をする。

「うん。売れていない。まだあるよ」

「どの棚にあるの?」

「オカルトコーナー」

 あの本はオカルトなのかよ!と思いながら浩はオカルトコーナーの棚に向かい、本を探す。


「どこだ、どこだ、・・・・あった!1,200円。なんだよ、あのおやじ、200円で仕入れたのを1,200円で販売かよ。ちゃっかりしてんな」


 浩はその投資の本を手に取り、手を後ろへ回す。本を背中に付ける感じで店主に本が見えないようにする。そして店主に近づく。


「ご主人、オカルトの棚にあるあの本、極み投資指南書だっけ?本当なのか嘘なのか分からないような事が書いてあるだろうし、あれ流石に1,200円で買う人いないでしょ。ずっと売れ残っちゃうと思うよ」

「う~ん、そうだねぇ。やっぱり買う人いないかね」

「まぁ、500円て、とこじゃないの」

「いや、500円はないな」


 店主は少し考えて。

「1,000円に値下げするか」


「200円しか負けねえのかよ」と浩は思った。

 そして浩は店主に向かって言う。

「税込1,000円でファイナルアンサー?」

「ああ、税込1,000円でファイナルアンサー」

 浩は背中に付けながら手に持っていた極み相場指南書を店主に見せ1,000円札を出す。

「買った!」


 浩は店を出て駅まで歩き、バスで自宅へ帰る。

 自宅へ帰ってきた浩は、家族で夕食を取り、そして入浴を済ませる。


 自分の部屋で買った極み相場指南書を見てみる。

冒頭は米・麦・豆などの値動きの歴史、豊作・凶作による影響など事細かく書かれてある。江戸時代、塩田伊之助による文書であろう。


 次にこの米・麦・豆の相場を株式に応用する指南が書かれてある。この部分は塩田伊之助による文書なのか、それとも塩田伊之助の子孫によって書かれた文書なのかよく分からない。

「う~ん、ぜんぜん分からない。俺みたいな投資の素人が見てすぐ分かるものではないな。困った、困った」


 本の後編、竹田の言う通り初心者用株式投資指南が書かれてある。

・初心者用株式投資指南


 塩田参法 その壱 跳毬

企業の業績悪化により株価が暴落。その場合、株価は常に下がり続けるわけではなく、ある程度下がったところで上昇を始める。

まるで毬が地に着いてから跳ね返るように。

上昇を始めた時が買い。上昇が終わり下がり始める直前で売りである。


 塩田参法 その弐 俗受刹那

企業の業績に関係なく企業の人気、経営者・役員・社員の人気などによって株価が上昇する場合がある。この場合、株価の好調は長続きせず早々に下降に転じる。上昇を始めたら即買い。そして下がり始めたら即売り。      

短期勝負なり。


塩田参法 その参 参天突破

株価が上昇して下がる。また上昇するが前回と同じところまで上がってから下がる。これを参回繰り返す。

この直後、この企業がこれから大きな利益が出るという情報が出た場合、株価は今まで上がった最高位を突破し驚くほどの上昇を果たすであろう。


「とりあえず壱からかな」

浩はそう思い就寝する。


 次の日。会社へ出勤。

今日は1カ月前に工作機械を搬入した会社へ機械の定期点検に行く。浩と研史は車に乗り相手先の会社へ向かう。

「なぁ研史、株ってどうやって買うんだ?」

「株ですか。株を買う場合はまず証券会社の口座を作らないといけないですね」

「ふ~ん」

「直接、証券会社へ行かなくてもネットで口座開設出来ますよって、金河さん、株始めるんですか?」

「いやいやいや、そんな大々的に始めようなんて思っていないよ。俺も研史とおんなじ。

 株主優待もらったり配当金もらったり。インドアアゲインだっけ?」

「再び家に籠るですか?インカムゲインですよ(笑)」

「証券会社もたくさんありますからね」

「そのへんは調べるの面倒だから研史と同じ証券会社がいいや」

「じゃあ、自分の証券会社のホームページ、スマホに送りますんで」

「よろしく」


その日の仕事を終えて、浩は自宅へ帰る。



また書いて来週アップします。よろしくお願いします。

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