第一章 投資との出会い 1
ここは東京都北区赤羽、赤羽駅から歩いて5分くらいのところに、とある会社がある。
浩の勤務するその会社は、マルコー赤羽営業所。仕事は、外回りを行っている。工作機械の搬入・修理・定期点検が主な仕事である。
関東地域に全部で3つの営業所があり規模的には中小企業である。
今日は工作機械の修理依頼で板橋区の三誠工業へ行く予定である。
時間は午前8時、天気は快晴だ。
浩は部下の岡谷研史と2人で軽の商用車に乗り三誠工業へ向かう途中である。
研史はなんだかウキウキ気分の表情。
「おい、なんか嬉しそうな表情だな、何かあったのか?」
「いやぁ、実は昨日、AKBN5のライブだったんですよ。良かったなぁ」
「AKBNってなんだ?」
「全国区のアイドルじゃないんだけど地元のご当地アイドルなんです」
「AKBNって、なんか秋葉原の某有名アイドルグループの名前、パクッてないか?」
「赤羽から生まれた5人のアイドルユニット、赤羽ファイブ、英数字読みでAKBN5。ぜんぜんパクッてないですよ」
「昼間っから酒飲んだくれる街からアイドルが誕生するなんてびっくりだな。じゃあよぉ、秋葉原にAKB劇場があるように、赤羽にもAKBN劇場ちゅうもんがあるのかよ?」
「AKBN劇場はないけど、彼女たちのライブは赤羽の居酒屋でやるんですよ。お店のテーブル席を一部どかして、ステージを作ります。
これがまた、いいんだよな。同じ空間で一体感があって。会いに行けるアイドルじゃなくて、飲みに行けば会えるアイドルです」
「飲みに行けば会えるアイドル?なんじゃそりゃ。そんなのに夢中になるんだったら彼女つくって一緒にデートしたり、そういうほうがいいんじゃねーの?」
「俺だって彼女がいたらアイドルよりも彼女がいいですよ。でもいませんから」
「でも飲み屋のライブってけっこう大変なんですよね。酔っているから、彼女たちを見て興奮した客がステージに上がってくる事がたまにあるんですよ。だから俺たちがステージのすぐ下にいて監視するわけです。1回ステージに上がろうとしたらイエローカード。2回目でレッドカード、退場です。もちろんボランティアですよ。俺は彼女たちに感謝されているだけで幸せです」
「ふ~ん」浩は思わず笑ってしまった。
金河 浩は44歳。4人家族。奥さんは1歳年下。2人の姉妹のお父さんである。真面目一筋。今までギャンブルなどはやった事がなくパチンコすらやった事がない。
岡谷研史は28歳。独身アパート1人暮らし。アイドルが好きでアイドルのイベントではボランティアをやっている。
仕事は大抵外回り、2人コンビで行動している。
車は三誠工業へ到着。
正面玄関から三誠工業工場長、大原が出てくる。
「どうもご苦労様です。機械からオイルが漏れだして」
「わかりました。早速見てみます」
中に入ると従業員は20人くらい。古い工作機械がたくさんある昭和の時代からの会社である。
浩と研史は、機械の修理に取り掛かる。どうやらパッキンの劣化がオイル漏れの原因であった。
パッキンの交換をして工作機械の修理は無事終了。事務所へ向かう。
「機械の修理、終了しました」
「ご苦労様でした。それじゃぁ、会議室へどうぞ」
すると女性事務員が近くまで来る。
「すいません。来客者がおりまして今、会議室は使用中です」
「そう。すいません。今、会議室は使用中なので恐れ入りますが、食堂のほうでお話しよろしいですか?」
「はい、全然かまいませんよ」
浩と研史は食堂へと案内される。
食堂にはテレビがありワイドショーがやっている。食堂のおばさんがいてテレビを観ながら昼食づくりの作業をしている。
工場長、大原は食堂のおばさんに2人にお茶をお願いしますと言い、すぐに戻りますのでと、いったん事務所へ戻る。
食堂のおばさんから2人にお茶が出される。
工場長、大原が来るまで浩と研史は、テレビを観ながらお茶を飲む。
テレビのワイドショーは、Jリーガーとアイドル・ドライブデートと題してスクープを放送していた。
「あの人気Jリーガーと某ご当地アイドルが神奈川県の三浦半島、城ヶ島へドライブデートをしていたと、週刊未来が報じました。人気Jリーガーということで、お相手が気になるところなんですが、赤羽でアイドル活動をしているⅯさん19歳」
研史は、テレビに映ったデート最中のアイドル19歳を観て湯呑みを倒す。お茶が、こぼれる。そして浩の手に熱いお茶がかかる。
「熱!」
「え~~‼」研史は大きな声を上げた。
そのアイドルとは、AKBN5のマユちゃんであった。
「おい、なにやっているんだ!」
「マユちゃんがJリーガーとデート?」
浩は食堂のおばさんにタオルを借りテーブルを拭く。
工場長、大原が食堂へ来る。
「どうもすいません。お待たせしました。それでは見積書をお見せください」
「こちらになります」浩は見積書を見せる。
見積書を見て
「はい。わかりました。それでは1週間以内にお振込みいたします」
「今後ともよろしくお願いします」
研史は泣きながら。
「よろしくお願いします」
工場長、大原は泣いている研史を見てびっくりした表情をしているので浩は説明する。
「いやぁ今、テレビで感動する話をしていたもので。こいつは涙もろいんですよ」
「あ~、そーなんですか」
工場長、大原は、とりあえず納得したみたいだ。
浩と研史三誠工業を出て会社へ戻る。
続きも頑張って書いて来週アップします。よろしかったらブックマークよろしくお願いします。




