辺境視点
明けましておめでとうございます(*≧∇≦)ノ
数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございますo(*⌒―⌒*)o
年末年始に合わせて、ここ辺境でも祝いの祭りが行われる。
祭りの中心は神殿で、神事だ。晦日夕から元旦にまたがりそれはそれは厳か且つ粛々と神々への奉納際が祀られる。辺境を預かる領主家の主だった顔ぶれや役人、誰より辺境を預かる神官一同が文字通り一堂に会し長々と執り行われる。
だがそれは一部のお偉方の話であって、その他は楽しくお詣りだ。神殿詣でをしながら出店を楽しむ日。家族でのんびり羽を伸ばす、それが許される日だ。
だからだろう。隙を衝かれた。
誰にか?
この辺境伯家の御令嬢にだ。
御令嬢が何をしたか?
脱走だ。
御令嬢はギリギリ成人前である為に奉納際への参加は免除されていた。いつもの年であれば侍女と護衛を伴い市井の民にまぎれて祭を楽しんでいたのだ。それが、約束の時間になっても自室から出て来ず確かめに行ったらもう裳抜けの空であったという。
何を考えているんだ、あのお嬢さんは!
この晦日から元旦にかけては神々も我ら人間に感知できる程大きく動きのある危うい日なんだぞ!
でもってどうして捜索隊を隠密のまま率いる役割が私なんだ!? 私は元々余所者だぞ! 解せぬ! 心の底から分からん!
「フィルス様。例の女が北門をくぐっていたのが分かりました」
「外に出たのか?」
「いえ、まだ街に居る筈です」
「捜索対象とする。四班はそっちに回るよう通達せよ」
年初からいきなり別人視点でお送りしましたm(_ _)m