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プロローグ
ドラムのドンドンとリズムを刻む音。
それに呼応するファンの歓声。
期待が最高潮に達した時、私達はステージへ...!
スポットライトをまだ浴びない私達。
ただ人影がそこに4つあるだけの状態。
それなのに、ファンの歓声がまた大きくあがる。
佳奈の元気で溢れる歌声から始まり、続いて奏の優しく落ち着く歌声が響く。
そして、凛とした一輪の薔薇のような伊織の歌声。
少しの沈黙と同時に曲調が一気に動き出す。
それと同時に
「みんなー!今日はありがとうー!精一杯今日という日を楽しんでいってね!!それじゃあ、1曲目いっくよー!」
この後本当は歌い出すはずだった。
なのに、なのに...。
「え...?」
ゆっくりスローモーションかのように落ちてくる照明。
後ろの3人が私の名前を呼ぶ声が遠くからする。
スタッフと観客は青ざめ、次の瞬間。
悲鳴が聞こえた────