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食事を改善したい

今更だけど前世を思い出せばやってられねぇよ!!とか思う事が良くある。しいて言えば・・・


食事がクッソ不味い!!本気で不味い。

娯楽が少なすぎる!!って言うか無い!!

何で魔法とかファンタジー色強いんだからもっと色々良くすればいいじゃない!!

魔道具って言えば明かりとか攻撃武器みたいなのしか無いって・・・コンロとか電子レンジ・オーブン擬きとか作れないの?!


って言うやつです。


食事に関しては本当に不味いんだよ。しょっぱい本当にしょっぱい塩分過多で早死にしそうなほどしょっぱい。あとは辛いめっちゃ辛い香辛料入れすぎでしょ?ってくらい辛すぎるきっと身体に悪い。甘未と言えば砂糖の塊か天然の甘味果物だけっていう。全てにおいてほどほどの味付けっていうのが無いっていうね。そんな状態が続くっていうのは現代日本で生きていた私としては無理。無理無理無理無理本当に無理絶対に無理。


辛そうな部分をはぎ取ったり野菜でくるんでしょっぱさを何とかできないかと頑張って1年は我慢はしていたんだ。だって私はまだ幼いしきっと料理作るのはダメだと言われるだろうからと考えて我慢したんだ。そしてふと思いついたのは私が作るんじゃなくて私の指示のもと作ってもらえないだろうか?と言う事である。うーん、ダメかなでもダメもとで頼んでみようと父のいる書斎へ向かった。

書斎へ入ると私の顔を見てだらしなく顔を崩すお父様。イケメン台無しだ。お父様の顔の問題よりもお願いをして了承を貰わなければ私の胃と味覚が死んでしまう。よし頑張って篭絡して了承を貰うぞ私ガンバレ私と気合を入れる。


「とーさま。おのねおねがいがあるの?」

「ん?どうしたんだいリリア?お父様の出来る事なら何でもしてあげるよ?」


イヤなんでもはダメだろ?!色んな意味でダメだろ!!じゃなくて


「あのねリリア、ご飯作りたいのー」

「は?リリアは料理がしたいのかい?」

「そうなの。リリアご飯作りたいの」

「いや・・・それはダメだよ?包丁も火も危ないからね?リリアが怪我をしたらお父様死んじゃうよ!!」


いやそのくらいじゃ死なないだろ?どんだけメンタル弱いんだよ?!じゃなくて


「だめ?おとーさまに食べてもらいたいのー。リリアが作るのだめならリリアが教えるからその通り料理長さんに作ってもらうのーだめー?」


キャラじゃないがダメ押しに目をウルルさせればいいんじゃないか・・・やっちゃうよウルウルと。


「うぅむ・・・リリア泣かないでおくれ。お父様リリアに泣かれたら泣かした相手をどうにかしちゃう・・・私か私が悪いのか?!」

「おとーさまは悪くないのよ?我儘言ったリリアが悪い子なの」


しょんぼりしてチラリとお父様を見れば焦っている。ごめんよお父様私の我儘で困らせてるのは分かる分かるんだけども・・・食に関しては引けないの。これ以上不味いご飯は無理なんだよ!!


「リリアは良い子だよ私が心配なんだ。・・・本当にリリアが包丁を使ったり火を使ったりはしないのかい?」

「危ない事はしないのよー教えるだけなのー」

「うん・・・それなら私から料理長に言っておこう。料理人が居ても一人で厨房に入るのは危険だから駄目だ。ジルベルトに頼むから一緒に居なさい分かったね?」

「あい。分かったのよジルベルト兄さんと一緒に居るのよ。ご飯が出来たらおとーさまに持ってくるのよ」

「リリア・・・かーわーいーいー」

「あぎゅ・・・」


父よ成人男性の力で思い切り抱きつかんでください・・・魂が口から出ちゃダメなものが飛び出そうですよ死にそうです。

ホントマジで・・・はーなーしーてぇー

意識が飛びそうになったその時助けの神が現れた。そうジルベルト兄さんです。


「父上!!父上が力いっぱい抱きしめたらリリアが死んでしまいます」


べりっと音がするほどの勢いで私と父を引き離した。ジルベルト兄さん以外に力持ち?


「あ、ありがとジルにーさま」

「リリア大丈夫?痛いところはない?」


素敵なご尊顔で心配そうに顔をのぞき込まれる。後光が見えるよ。


「だいじょうぶなの」

「本当に?痛かったり気分が悪くなったらちゃんと言うんだよ?」

「あい」


元気よく返事をしてジル兄様に抱き着けば軽く抱きしめられた。私を抱きしめつつお父様に説教をするジル兄様マジ保護者枠ですね。ふぅ~ジル兄様いい匂い。

それからジル兄様に事の説明をして一緒に調理場へと向かった。


そこは戦場でした?

アッチもこっちも忙しそうに動き回る料理たち。夕飯にはまだ時間があるし何でこんなに忙しそうなのかしら?


「ジルにーさまみんないそがしそうね?」

「そうだね。この時間なら暇だと思うんだけど何かあったのかな?」


そう言って近くに居た料理人の一人に声をかける。


「ジ、ジルベルト様、これは旦那様からリリアお嬢様がいらっしゃるから危ないモノを片付けていたのです。それとリリアお嬢様の為の踏み台を用意自ておりました」

「そう。それでもう準備は出来たのかな?」

「はい。いつでも始められますが・・・何をお創りするのです?」


料理長が恐る恐ると言う感じで私を見てくる。うん、分かるよ。私が怪我でもしたらお父様が料理人の首でも飛ばしそうだもんね・・・物理で。

怖いなお父様・・・怪我だけはしないように気を付けよう。もししちゃったら死ぬ気でお父様を止めようと心に誓った。


何があるのかと食糧庫に案内してもらう。そこには前世でお馴染みの食材もたっぷりと有った。

調味料は諦めた。流石に醤油とか味噌とかは無かった。

今できるものをと食材を選んでいく。

玉葱、マッシュルーム、鶏肉とブロッコリーにバターと小麦粉と牛乳とチーズ、そうグラタンだ。

マカロニが無いから粉から作る事に、前世で兄と作ったのを思い出すな・・・お兄ちゃんは無事だったかな?考えても仕方ないから作る方に集中しよう。

アレコレと料理人に説明していく、ホワイトソースにコクが欲しいがこの世界には無いんだよコンソメがなので代用として野菜とベーコンを煮込んで作ったスープを少し足して味を見た・・・うん、いい感じじゃないかな?そっとジル兄様に差し出して味見をしてもらったら目を見開いてる。やったね!


「これ美味しいよリリア。どこでこんなの覚えたの?」

「あのねー魔女のスープの絵本を読んで寝た時に夢で見たのよ」

「絵本を読んで?何だかすごいね」

「えへへ」


言えないよ前世の記憶なんて言えないならありそうな話をでっちあげる。

魔女のスープと言う絵本は魔女が作る不思議なスープの話だ。とてもおいしくて皆を元気にする不思議なスープの話。これを読んだ私の感想は、そんな話を作るなら料理を研究してくおくれよ!!だったのを記しておく。

ホワイトソースに具材を混ぜて耐熱素材の器に盛ってチーズをかけて窯に入れる。

オーブン擬きが無いから窯焼きになるが何とかなるだろう。

チーズにこんがりと焼き色が付いたら出来上がり。


「ジルにーさま、熱いから気を付けてなの」


味見にスプーンですくって口元に持っていく、所謂あーんというやつだ。ジル兄様はちょっと目を見開いてからふわっと笑って口に入れてた後とても驚いた顔をして私を抱きしめてきた。お父様と違って絶妙な力加減だ。


「リリアすっごく美味しいよ。こんな料理を思いつくなんてリリアは凄いよ」

「えへへ良かったのよ。それじゃあおとーさまとおかーさまにも持っていくの。こっちは私とアルの分なの。ジルにーさまも一緒に食べようね?」


こてんと首を傾げて言っちゃうのは我ながらあざといと思うわ。


「ふふ、そうだね。それじゃ運んでもらおうね。リリアは僕とアルフォートを呼びに行こうか。父上と母上はメイドたちに任せよう?リリアが行ったらまた力いっぱい抱きしめられてしまうだろうからね」

「うん。そうする。いこうジルにーさま」


手を繋いでアルフォートを呼びに行った後、グラタンを食べて興奮した両親に力いっぱい抱きしめられて気絶しそうになったところでジル兄様に助けられたのはお約束だったことを追記して置く。


その後調理場に足を踏み入れては新たな料理と言う名の前世のレシピから料理を作っては興奮した両親に抱きしめられ、料理人たちにはなぜか崇められるようになった・・・解せぬ。



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