気付いたら転生?
目が覚めたら頭が痛い・・・めっちゃ痛いんだけど?!
頭痛いって転げまわて現実逃避しても仕方ないと思うんだけど・・・仕方ないよね?!後頭部強打した瞬間前世のアレコレ思い出したんだから。頭打った衝撃と前世を思い出した衝撃で脳へのダメージが凄いことになったらしい薄れゆく意識の中で
・・・あ、私転生したんだ?って思った瞬間意識落ちたんだもの。
まぁとりあえず・・・状況を整理しておこう。
現在の私、リリア=フォン=スティンガー、公爵令嬢に生まれ変わりました。
現在1歳10ヶ月のぴちぴちの幼児・・・幼児っていうより乳幼児?です。
調子ぶっこいて両手を上げてよたよた歩いていた所・・・双子の片割れ、あ、私今世双子なんですよ~まぁそれは置いておいて・・・双子の片割れ兄なんだけどね・・・が何かをぶん投げたんですよ。降ってきたそれを思い切り踏んで滑って後頭部強打したんです。頭を打った衝撃でその瞬間前世の記憶が一気に流れてきたんですが思い出した衝撃と後頭部の痛みでギャン泣き、つられて兄もギャン泣き兄よ何で君まで泣くのだねと兄に視線を移したら私が踏んずけた物が降ってきた物を見た。
あ、バナナの皮か~
バナナの皮で転ぶなんて何てコント!!何て暢気に思った瞬間意識がブラックアウトしました。
で、目が覚めたらめっちゃ頭痛いってね・・・。あれだけ強打すれば当たり前だがよく考えたら今世の私石頭じゃない?床はピカピカに磨かれた大理石よ?普通たんこぶだけじゃすまないと思うんだけど・・・その辺どうなんだろう?
それはともかく・・・思い出したことを整理しておこうかな状況整理は大事だしね。
前世の私は女子高生になったばかりのゴールデンウイーク目前で死んでるんだよね。
家の近所でどうやらストーカーに刺されたらしい・・・鋭い痛みで叫んだら家から出てきた兄さんが蒼白な顔で近寄ってきてなんか意味不明なことを叫んだストーカーが兄さんを刺したけど兄さん殴りつけてた(ちなみに兄さんは超が付くほどのシスコンだった)・・・うん余裕そうだね~なんて暢気に考えてたんだけど、私を抱きかかえて何か言ってる兄さんに私の事はいいから自分の体を心配しなよ・・・そんなこと思いながらも段々寒くなってきていた私を兄さんが必死な顔で抱きしめて更に何か言ってるけど何を言ってるか分からなくて段々視界が狭くなってきていてあ、たぶん私死んだなって思ったら意識がブラックアウトしていて・・・頭打って記憶戻って。あ、自分転生したんだって思った。←今ここ
で、だ、状況整理して自分の名前と兄の名前顔のつくりとか髪の毛の色瞳の色・・・など諸々の事を精査した結果。
死ぬ前に幼馴染の親友に押し付けられた乙女ゲーム?の世界じゃないかと思うわけです。
前世を思い出した私は寝ている間に色んなことを思い出し今世の短い人生の中での家の中でのメイドさん達の会話で私の双子の片割れアルフォード=フォン=スティンガーと私の2つ上の兄ジルベルト=フォン=スティンガーですがその乙女ゲームの攻略対象だったはずと思い出したんだよね私の記憶に間違いなければだけれども、だってプレイ前に死んでるからね私。
前日に取説を熟読して物語のあらすじと主な登場人物は把握してる。私取説を熟読してから始める派なんだよね~。帰ってから連休中にプレイしようと思ってたんだけどその前に私の人生終了しちゃったんだよ。
それでもって私リリア=フォン=スティンガーはその乙女ゲームの中では悪役令嬢らしいんだけど・・・押し付けてきた幼馴染の親友曰くリリア=フォン=スティンガーは悪役じゃなくてとても可愛そうな役柄だそうだ・・・。(公式では悪役令嬢と明記されてたけれどね)
しかもリリアは、最後に何もしてないのに断罪されるのだそうだ。親友曰くその辺納得いかないユーザーがネットで溢れかえっていた・・・らしい。親友の言い分が気になって取説熟読してから何の気なしにネットでどゆ事?と情報を集めると出てくる出てくる。
ただ主人公(庶民だった)の行動に対して貴族に対してそれはダメな事だと諭し、茶会の礼儀や立ち振る舞いを丁寧に教えたりしているだけなのに虐めたってドユコト?と思った。
その情報は親友も言っていたんだけど・・・マジか?と思った。
しかも死に方も酷かった。
斬首に火あぶり、絞首刑、張り付け、一番ましなのって幽閉?でも最終的に忘れられて餓死だったような。国外追放もあったようだけど国を出る前に魔物に襲われて亡くなるとか書いてあった・・・えぇ~コレってもうどうしようもなく詰んでね?と思うんだけど?どうなの?
だがしかしまだ諦めるのは早いよね?だってまだまだ物語が始まるまでは間があるし何よりこれは現実だと思うし?物語通りに進むとは限らない。
まぁ私の知識って取説とネタバレ、親友の話とネットの知識しかないけど無いよりマシだよね、と思うようにしよう。
今世の私の目標は長生き、できれば老衰がいいなぁ・・・と考えていたらドアを開けて誰か入ってきた。
あ、私付きの乳母けん侍女だった。
「リリアお嬢様?!気付いたんですね。良かった・・・あ、旦那様と奥様にお知らせしてきます」
とは言ってすぐに出て行ってしまった。
暫くすると複数の足音が・・・
「「リリア!!大丈夫?!」」
お父様とお母さま、そして兄ジルベルトそして侍女に抱えられたアルフォードだった。