第5話 点と点
あの医師が社団法人秋葉会の経営者なのであれば、セントジェーン病院も当然秋葉会の病院という事になる。
本土で複数病院を持つ秋葉会がなぜこのような南の孤島に病院を建てる必要があったのか?
そして秋葉会の経営者である秋葉大地がなぜセントジェーン病院にいるのか?
ただの物好きなのか? そんな事は無かろう......秋葉会にとってこの極神島が、何らかの理由で重要な拠点となっているに違いない。
その理由は何なのか?......
「ちなみに玲奈ちゃん。あなたも直前に病院行ってたなんて事ある?」
エマは恐る恐る横目で玲奈の顔を見た。
すると玲奈は、コクリと頷く。
「行ったよ。お母さんと一緒に。熱が下がらなかったんだ」
「それってどこの病院? まさか......」
「解んない。家の近くの大きな病院だよ。診察券に桜の木のマークが入ってた」
「桜の木は秋葉会のシンボルマークだ」
「!!!」
果たしてこれが偶然と言えるのか?......少なくとも今ここに居る三人は、誘拐される直前に、秋葉会の経営する病院に通院していた。それ以前にここに連れて来られた人達も、皆そうなのではないか......
エマの頭の中で、それまでバラバラになっていた点と点が集まりつつあった。やがてそれが一本の線になっていく。
「そうか、そうなのか......そういう事だったのか!」
エマの目は大きく見開かれていた。
「そういう事か! ってそれどういう事なんだよ? ちゃんと説明してくれ!」
「勿体ぶらないで早く話してよ!」
「お姉ちゃん、玲奈にも教えて」
「そんなに聞きたいのならお話しします。その代わり驚かないで下さい。皆さんいいですか?」
「おう!」
「話して!」
「お姉ちゃん教えて!」
「解りました。では話しましょう......私達は必ず殺されます!」
「......」
「......」
「......」
あまりに解り切ったエマのその発言。あまりに単純過ぎて、逆にそれが三人にとっては、核爆弾並の威力だった。
「な、何なんだよそれ! そんな事、力を込めて言う事か?」
涙混じりの声でそう訴えた山本は、再びガックリと肩を落とした。期待して損した......そんな気持ちの現れなのだろう。
「まだ話は終わっていません」
「まだ何かあるのかよ」
「あります。ここからが大事なんです。繰り返しますが、私達は必ず殺されます。しかし殺される時が来るまでは、絶対に殺されないんです」
エマは更に語調を強めて言った。
「ちょっと......意味が解らない。殺されるけど殺されないってどういうことなの? ちゃんと解る様に説明してよ」
春子は血圧が上がっているのか? 息がいつの間に荒くなっている。




