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傷だらけのGOD 極神島の秘密 怒りのサバイバル!  作者: 吉田真一
第20章 報復
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第2話 突撃

前ページ(第1話ペンギン)コピペする際、途中1ページが抜けてしまっておりました。修正済みです。申し訳ございません。あらためて前ページをお読み頂けたなら、幸いです。

「恐らく他の二人は探偵事務所の人間だろう。かまわん、バーテンも含めて皆殺にしてしまえ!」


リーダー格の男が銃を担ぎながら、気色ばんで指示を下した。


「了解!」


「了解!」


「了解!」 


「......」



「おい沙世、聞いてるのか?」


「......」沙世は無言。


しかし目は爛々と輝いていた。


「よし。いくぞ!」


四人は皆銃を抱え、薄暗い路地を駆け出し始めた。路地の出口で先頭を走った男が立ち止まる。そして往来の様子を伺う。


「人通りはありません。OKです」


「よし。行くぞ」


四人は縦一列になり、一気に走り進んでいく。


そして止まることなくBAR SHARKに通じる階段を駆け下り、扉の前で止まった。


「俺が扉を開けたら、一斉にぶっ放せ。動くもの全てを撃ち尽くせ。いいな!」


皆、目で合図を送る。


「よし。開けるぞ!」


リーダー格の男は扉のドアノブを静かに握った。四人に緊張が走る。心臓の鼓動の音だけがバクバクと響く。


やがて男は一旦息を大きく吸い込んだ後、力任せに扉を開けた。それを合図に四人は銃を構えたまま、店内になだれ込んでいく! すると......


「うっ!」


一人の男が思わずうめき声を上げてしまう。店内になだれ込んだはいいが、明らかに聞いていた状況と違っていた。電気は消され、真っ暗闇。唯一の光は今開けた扉から差し込む僅かな光だけ。


そして、バタンッ!


突如背後の扉が乱暴に閉まった。唯一の光源だった外からの光が絶たれた店内は、正に暗黒の世界。この中に入り込んだ四人が盲目の士となった瞬間だ。何も見えない......


「罠か!」


突如一人が無造作に銃を撃ち放った。

バンッ!


狭い店内で発生する銃声は、鼓膜を破り掛けない程の大爆音だった。


「バカ! 無暗に撃つな! 相打ちになるだろ。とにかく落ち着け」


リーダー格の男は、手探りで扉のドアノブを弄ってみた。しかし開かない。外側から鍵が閉められている。


閉じ込められた!


シーン......水を打ったような静けさだ。視界ゼロの世界というものは、こんなにも恐怖心を煽るものなのか。


ドクンドクン......心臓が高鳴る。


ゴソゴソ、ゴソゴソ......


「何か聞こえるぞ!」


ゴソゴソ、ゴソゴソ......


何かが近寄ってくる。


何なんだ!


ガシャン!


突如端の方から、ガラスの砕けたような音が鳴り響いた。グラスが落ちて割れた音だ。


四人は反射的に、その方角に振り返る。そして思わず一人が再び銃を撃ち放つ。


ドンッ!


相変わらず物凄い音だ。


「だから撃つなって言ってるだろ!」 


リーダー格の男は、肘で撃った男の背中をどついた。


バタン!


続いてまた逆の方角から新たな音。


「うわっ!」


一人が驚きのあまり飛び上がってしまう。


そしてまた違う方角から、ジャー......


今度は水の流れる音。誰かが蛇口をひねったに違いない。


「うわッ......何なんだ!」 


彼らの恐怖心はピークに達していた。四人は皆背中を向き合わせた状態で、店内の中心に固まっている。


すると再び、バンッ!


再び銃声が!


弾はリーダー格の男の顔をかすめていった。銃弾の風圧が顔の皮膚を刺激する。


「だっ、だから無暗に撃つなと言ってるだろ!」


何度も同じ事を言わせるな! と言わんばかりの口調だ。語気が荒い。


「自分は撃っていません」 


「自分も」


「私も」


誰も撃っていない?......では誰が?


目に見えぬ敵も銃を持っているのか?


そして近くとも遠くとも知れぬ距離から、男の声が響き渡ってくる。


「お前達には我々が見えない。しかし我々にはお前達が見えている。そして我々の銃口は今お前達の頭に照準を合わせている。どういう状況か分かるな」


決して大声で言っている訳では無かった。しかし水を打ったような静けさに加え、視界ゼロの世界。そこに見えぬ恐怖が加わると、鬼の怒号にも匹敵する。


囲まれた四人は目を細めて四方を見渡す。しかし光の全く無い世界で物体を確認出来る程、人間の目は精巧に出来ていない。


「四人共銃を捨てろ!」


先程よりは遥かに強い語調。カウンター付近から聞こえた気がする。


どうする? 答えは出ない。


ドンッ!


再び銃声。それの音と共に瓶が四人の顔付近で飛び散った。破片が頭に降りかかる。


ヒイッ! 四人は擦れるような声で悲鳴を上げた。


挿絵(By みてみん)

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