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傷だらけのGOD 極神島の秘密 怒りのサバイバル!  作者: 吉田真一
第15章 襲撃
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第3話 着信

挿絵(By みてみん)



「あっ、あったあった!」

 

やっとの事で二人は酒類のコーナーに辿り着いた。酒の入った段ボールが頭の上まで積み上げられている。


今地震が来たら、間違い無く段ボールの下敷きになるであろう。


ギュルルルル......


「えっ、何の音?」


美緒は顔を傾げ、辺りを見渡した。


「......」圭一は無言。


ギュルルルル...... 

 

あれ? まただ。


「圭一さん何か聞こえない?」

 

「いや......どうも朝からお腹の具合が悪くて。ちょっとトイレ行って来ていいか?」 


「なんだ圭一さんのお腹の音だったのね。やだ早く行ってらっしゃい。私はここでお酒選んでますから」

 

「いやあ。面目無い。ちょっと行って来る。すぐに戻るからここの酒類コーナーにいてくれな」


「だから早く行って来たら? 私はここにいますから」


「すまん。すぐに戻る」


「別に急がなくていいわよ。ゆっくりしてきて」

 

「へい。じゃあ行って来やす」 



トイレ、トイレと......どこだ?


圭一は辺りをキョロキョロ見渡した。見れば遥か彼方の遠くの方にトイレマークの看板が。  

 

「おう、あったあった」


圭一は無意識の内に小走りになっていた。

そしてやっとの思いで到着。


これだけの人が訪れているにも関わらず、幸いにもトイレは空いていた。

 

時刻は午後四時。腰高窓から差し込む西日が眩しい。


「よっこらしょっと」


圭一は腰掛けた。


このショッピングセンターに来てからというもの、ずっと人混みの中で揉まれ続け、感情の起伏の激しい美緒とのコミュニケーションにも少々疲れを感じていた。久々に一人になれた気がする。


もし美緒がEMA探偵事務所への依頼者では無く、ましてや刺客に狙われているような状況で無ければ長閑な休日であったに違いない。


平和な世界だ......


刺客と思われる連中が東京に到着してから、間もなく五日間が過ぎようとしていた。


圭一はポールと連絡を密にし、常に警戒の手は緩めていないが、これまでは何の動きも無く、また動いてくる気配すら無い。


本当に刺客は来るのか?


決して油断している訳ではないが、多少の平和ボケになっていた感は否めない。

 

極神島からやってきた刺客が、竹芝桟橋から父島に戻ったという情報はまだ入っていない。


それはまだ本土に刺客が残っている事を意味する。絶対に油断してはいけない。油断は命取りになる。

   

圭一は心が緩みかけた自分に大きく反省した。今こうして美緒と離れている事自体が危険なのだ。


うかうかしていられない。早く戻らねば......


圭一が美緒の元に戻ろうとしたそ

の時だった。


ブルルルルー、ブルルルルー


突如携帯電話が振動を始めた。メールの着信を知らせるバイブだ。液晶にはポールの文字が浮かび上がっている。

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