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傷だらけのGOD 極神島の秘密 怒りのサバイバル!  作者: 吉田真一
第23章 きつね狩り
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第7話 親鳥

「おやっ? 窓が開いている......」


閉じられた裏口の扉のすぐ右脇。そこには腰高程度の高さに小窓があり、十センチ程度開いたその隙間からは、内部の様子が容易にうかがえた。ここは建物の裏側なのであろう。エマは窓の隙間から静かに中の様子を伺った。


二メートル程度の折り畳み式横長テーブルが二個並べて置かれており、その下にはいくつかの段ボール箱が無造作に投げ置かれていた。


広さは十二畳程度。控室か休憩室なのか?


そのたぐいの用途として使用されている事は間違いなさそうだ。静かに扉を押してみると、意外にも施錠はされておらず、エマは難なくその部屋内へと足を踏み入れる事が出来た。


施錠されていない......即ちそれはこの建物の関係者にとって、他の誰かが侵入しても支障は無い。そう考えるのが自然であろう。


段ボールの中には、水、スナック菓子などが満タンに詰め込まれていた。この状況は実に不可思議に思える。


何? この段ボール内の水と食料は?


追われ人への救いの手なのか? まさかそんな事は無かろう......


エマはミネラルウォーターのキャップを外し、一口だけ口に含んだ。無味無臭だ。結果論になるが、毒入りで無くて良かったと言えよう。


まずはこの水を三人に!


エマは巣で親鳥の帰りを待つ小鳥のような三人に、水を与えるべく、急ピッチで走り戻った。


まさか襲われたりしてないだろうな? 三本のペットボトルを抱えながら走るエマは、正に親鳥そのものだった。


「エマさんが帰ってきたわよ!」


エマの帰還に最初に気付いたのは春子だった。


「おお、何か持ってるぞ!」


山本は思わず身を乗り出した。


「お姉ちゃんだ! やっぱ戻って来たじゃん」


玲奈は得意満面。玲奈のその発言の裏にはエマの留守中に「どうせ戻って来ないよ」的な会話が行われていた事を意味していた。


同じ境遇だからとは言え、ちょっと前に会ったばかりの関係。三人を置き去りにして、一人逃げたとしてもおかしくはない。しかしエマはそんな事に気を留める様子は無かった。

 

「はいっ、水」


皆にペットボトルを渡した。


「おおっ、水だ!」


山本は我先にエマから水を奪い取ると、その水を一気に飲み干した。


「ああ......生き返る」


春子も水の恩恵に感謝。


「お姉ちゃん有り難う」


玲奈も春子に同じ。


相変わらず、周囲に人の気配は無い。風が草木を揺らす音のみの世界......その中で四人は束の間の休息を楽しんだ。


「この先に無人の建物があります。この水はそこで誂えたものです。水以外に食料もありました。この島を脱出する手段が眠っているかも知れません。一旦その建物に移動します。追手が来る前に出発しましょう」


「食べ物もあるのか! 天はまだ俺達を見離していなかったな。さあ行こう!」 


「私達すごく運がいいわね。行きましょう!」


「玲奈今度はお腹すいた。早く食べに行こう!」


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