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傷だらけのGOD 極神島の秘密 怒りのサバイバル!  作者: 吉田真一
第22章 苦肉の策
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第2話 3人

「まあそう言いなさんなでぶっちょ君。実際脱獄なんかされたら、うちらの首が飛んじまうぞ」 


そう語ったもう一人の看守の右手には、ウィスキーのボトルが握られていた。この男のあだ名は『のんべえ』......正にその名の通りだ。机の上に両の足を投げ出し、踵にぶつかって倒れたペン立てを起こす様子も無い。


照度を落した室内において、モニターの明かりは少し目障りにも思えた。長時間見ていると目が悪くなりそうだ。


「さっきまで真ん中に集まって何悪巧みしてんのかって思えば、もう四人揃って寝ちまってる。面白く無い連中だ」


牢獄の中は牢獄だけに、プライバシーのかけらも無い。カメラに死角は無く、全てが丸見えだ。


「まあどう足掻いたって、あいつらの運命は決まっちまってるからな。ちょっと可哀そうな気もすっけど...... まあ仕方が無い。あとちょっとの人生、うまいもんでも食って精々余韻に浸ってくれや。ハッハッハッ」 


コツ、コツ、コツ......


足音が近づいて来る。看守のご帰還か。


「おう、マッチ棒が戻って来たぞ」


でぶっちょは椅子の上でスキーのゲレンデ程度に横たわった体を無理やり起こす。首の余った肉がウェーブを巻き起こした。


バタンッ...... 


やがて扉が乱暴に開くと、背高のっぽの男が現われた。『マッチ棒』実に的を得たあだ名だ。


入って来るや否や、掛けていたライフルが肩からずり落ち床に転がった。ライフルを拾う様子もなく、マッチ棒は手前の机の上に座る。猫背の姿勢のまま足をぶらつかせている姿は実にだらし無い。


「いやあ、あの姉ちゃんやっと起きたと思ったらまたすぐに寝ちまった。一体何時間寝れば気が済むんだ?」


「残念そうだな。お前あのお姉ちゃんにホの字だもんな」 


「ハッ、ハッ、ハッ、珍しくいい女だからな。顔見てられんのもあと一週間ちょっとか。少しがっかりだな」


下心見え見えのにやけた笑い。見ていて気持ちのいいものではない。


「お前さぁ、変な気起こすなよ。逃げられでもしたら俺達全員神の僕行きだからな」 


でぶっちょは珍しく真剣な顔つきだ。眉にシワを寄せ睨みを利かせているものの、威圧感は全く無い。


「へいへい解ってますって。まあ神の僕とは良く言ったもんだ。人間死んだらそれで終わり。THE ENDだ。極神教の連中は、本気で死後神に仕えるとか何とか思ってんのかぁ?」


マッチ棒はオオカミの遠吠えのような大あくびをしながら答えた。前歯が一本無い。実に間の抜けたあくびだ。


「何だか本気でそう思ってるらしいぞ。全くお目出たい連中だ。金で雇われてるだけの俺らにゃ到底理解出来ん話しだがな。ウェッ」 


のんべえの顔は真っ赤だ。呂律が怪しい。 コップが置かれていない所を見ると、ラッパ飲みしているのだろう。


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