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1話 夜のバイト〜強襲編 

あっやばい 寝過ごした 今日はバイトはいってたのに

体にかかったブランケットを剥がして跳ね起きた。


ブランケットなんてかけて寝てたっけ?

まあ慢性的に寝惚けている私がそんな細かいこと覚えているわけないけどね。


昼は学生 夜はバイトの私は基本的に暇というものがない。

それは生物として面白いことだと思う。

犬は生涯の3分の2は寝てるというし、人間だって3分の1は寝ているし漠然と生きている人もおおい

忙しいことは幸せだと思う。

「バルト!!」

彼の準備は出来ていた。

これから私は命を懸けたバイトにいこうと思う。

壁にかけたジャケットを羽織る。

じゃらりじゃらりと防弾用に取り付けた金属プレートが不協和音を奏でた。

そうやって私は夜のバイトに繰り出すのだった。



私たちはいま廃ビルの屋上にいる。

そこに望遠鏡と筒を置いた。

筒はもちろん狙撃ライフルである。

膨大な大きさを誇る狙撃ライフルだがこれは小型のものになる。

アサルトライフルより少しでかいというところだろうか

狙うは400メートル先のビル

私たちの仕事はここで行われる取引の物を横取りすることだった。


約30分後に取引は始まる。

狙撃はさまざまな要因が必要となる。

たとえば風、相手の状態と味方の状態 どちらも万全を期さなくてはいけない

そこでスポッター(観測者)と呼ばれる2組になる

観測者のいない狙撃は失敗と思ったほうがよい

それくらい重要な役割の役割なのだ。

小型のパソコンを起動する。スコープと繋ぎアンテナを立てた。

これで準備は万端だ。

あとはどのようにまつだけだ

「風が東南に流れてる」ちょっとした風でも弾道は曲がってしまう。

その誤差を機械とマニュアルで調整する

取引の10分前になった。

ドアが開き細身の男と太った男が入ってくる。

でっぷりとした様子は醜悪でこっけいですらある。

予定は早まったようだ。

バルトが指で合図を送る。

パスン 間抜けた音とマズルフラッシュが連続

一拍おいてガラス割れた音と薬きょうの落ちた音が鈴のように 芸術的に鳴り響いた。

パソコンに写った画像では細身の男が胸を抑えうずくまっていた。


続いてバルトが立ち上がる。

そして不自然にまで膨らんだ足でビルの屋根を跳び始めた。

驚異的な速度で加速 その動きはとても人間のそれではない。

がしゃりがしゃりと機械音がする。

私はライフルをバルトの変わりに片付ける。

弾丸のないライフルはただの重石に過ぎない。



バルトはビルのガラスを突き破った。

その黒いコートを纏い、動く姿はまるで悪魔のよう。


ライフルを撃ってから32秒で200メートルと6階の距離を走破する。

足についた鉤爪はコンクリートをやすやすと抉り、登り階段というものの存在意義を無くす。

太った男は部屋から逃げ出そうとしていたが、ドアはすでに私のコンピューターによってロックされている。

ふふんこれぐらい、ちょろいもんよ。


ついにバルトは標的の部屋に到着。

体の節々からでる蒸気がより非現実性をましす。

「いぃいくらだ。いくら欲しい。」

「自分の命の値段を聞くとはいい度胸だな?わかってんだろ?あれを渡せ」


「それだけはお許しを あれを奪われたら私は殺されてしまいます。」

頭を下げる男 その男の頭を 無慈悲にもバルトは 粉砕した。


何度見てもなれる光景ではない

自分の性で殺人が起こるというのは。

やってしまったことは戻らない。

故に後悔はしない。してはいけない。


男のムネポケットを弄るバルト。

その顔からは明らかに嫌そうな表情がうかがえる。

黒い小さな箱を見つけ出す。

おそらくがそれがターゲットだろう。


ドアが破られた。黒服を着た大男たちが銃を構える。

「動くな」

「馬鹿だな。こういうときにはためらわず撃たなきゃだめなんだぜ?」

指をちっちっと振りながら答えたバルト

「かまわん射殺しろ!!」

五丁にわたる拳銃が一斉に火を噴く

それを迎え撃ったのは 回し蹴り 金属音と共に弾は弾かれる。

「じゃあな!!」

バルトは自らが入ってきたビルの窓から飛び降りる

階は14階

常識的に考えて助かる階ではない。

しかしバルトは足をビルの壁に接着、駆け抜けるように逃げる。

ビルの壁には長い日本のラインが引かれてゆく。

そして隣のビルに飛び移り闇に消えていった。

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