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メデュルフ  作者: 七瀬幽那
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第二話(幻想:ファンタズム)

あれ?・・・確か、私と如月君は、テイレストジョルスへ向かっていたような・・・・?目が覚めると、どこか見慣れないベッドに私は横たわっていた。

「お、目が覚めたかい?アリス」

扉が開きそこには如月君がいた、だけどなんだかいつもの彼とは違う・・・なんだろうこのわからない感覚

「如月君?ここは?」

「おいおい、どうしたんだよ、そんな懐かしい呼び方するなんてお前らしくないじゃないか」

何を言ってるかちょっとわからない、まるで私と、如月君が何か特別な関係になっているようじゃないか・・それはないはずなんだけど

「ま、いいや、いい加減起きろよ。アリス、今日は色々家具を買いに行かないとな」

「あの。さっきから何を言っているの?あたし達は、ここにずっと、いるわけじゃ人だよ」

「?結婚したじゃないか・・・・。」

その瞬間、本当に私の脳は停止した。は?マジで何言ってるの!?結婚!?は!?は!?待って!私が!?

「ちょっと!待って!何のことなのよおぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

と、その瞬間、私は、揺れる馬車の中で起きた。

「ふぇっ!・ここは・・馬車の中?」

「やっと起きた、もう少しでつくよ。でもかなり寝てたな・・・あと、太モモが痺れているからどいてくれ」

私は、飛び跳ねるように起きた。といううか、私は、いつの間にか眠っていたのか、というか彼の膝枕で寝ていたとか・・ていううか痺れるくらいなら起こしたらいいじゃん・・・・私が一人で、ぶつくさ言っていると、機械と科学の都”テイレストジョルス”が見えてきた。捕まる心配もないくらいの、大きな町だ。近づいてくる、機械仕掛けの大きな扉がまたその発展さを見せつける・・・

「ひゃー、すごいわねこんな進歩していたとは・・」

街の、馬車停留所につくと、お金を払い街へ、前のように何か問題が起きてないといいけど、そんなフラグともいえる心配をしながら、私と如月君は宿を見つけるため、何件も回ることに、どこも満室なんてあるだろうか・・いや、労働者の町なら当たり前か・・・・だがそんな街で、私と如月君にやれる仕事なんてあるだろうか、如月君はできそうにしても私は?機会もコンピュータも化学もからっきしな私は!?など、考えていると

「大丈夫俺に任せてくれよ」

そんな私に気が付いたのか、そんな言葉をかけてくれたのだ。今朝の夢の余韻もあり、一気に顔が火照るのが分かる。静まれー沈まれ私の心!相手は如月君なんだぞ!なんだか彼に少し失礼な気もしたが・・・今は仕方ない。

「アリス?どうしたの?」

如月君は、うつむいた私を心配してくれたのか、顔を覗き込んできた。

「うわっ!覗くなこの!変態!」

とっさの照れ隠しで、私は如月君を思いっきり突き飛ばしてしまった。もう思いっきり、力いっぱいにどついてしまった。

「そんな力よくどつくこともないだろ?いてて」

彼は尻もちをついてしまった。思わずとはいえ申し訳ないと思い、私は彼に手を差し伸べることにした。

「大丈夫。?ごめんなさい、ついとはいえ痛くなかった?」

彼は、大丈夫と笑いながら私の今回のことについて怒っていなかった。それから、また私たちは街の中で宿探しを行う。それの繰り返し、でも何だか今はそんなことしていてもなんだか悪い気なしなかった。段々とまさか私は彼に心開いているのだろうか・・・・いやありえない、そんなことはないと思う・・・なんでだろう、この町に来てから彼のことが・・・如月君が頼もしく思えてしまう。何件も回った末、とうとう一軒の宿を見つけることに成功した。そこは、前と同じような一人部屋。こんな場合だから仕方ない、それに如月君なら何にもしてこないだろう。

一日目は、宿探しで終わってしまった。

「ふー、何とか見つかってよかったね!如月君」

「ああ、そうだね、俺もよかったよ、このまま見つからなかったら大変だったよ。」

部屋で軽くくつろぎ、私たちはご飯を食べ、就寝。しかしここで問題が、この部屋には一個しかベッドはない、その上今回のは小さいのだ・・・・前回がまずかったのに今回は私持つのかな!?すると、如月君が何の躊躇なく、ベッドにもぐりこんだしかも

「何してんの?早く来いよ」

「はぁ!?な、なに言ってるの!?」

いつもなら絶対に言わないはずなのに、どうして今日に限ってこんなに積極的なのよ!しかも私も私だ、何の躊躇もなく潜り込んだのだった。心臓がバクバク言っているのが分かる・・・如月君に聞かれていたら、恥ずかしい・・・その時・・隣で何だかガサゴソしている・・・・何しているんだろう・・・すると突然。

「あのさ」

こっちに向いたみたいで、耳元で小声で話してくる。それが今の私には、ある意味殺人級の攻撃だ・・・しかも突然なので。

「ひゃうっ!?」

妙な、声を上げてしまったのだ・・・・恥ずかしい。

「ごめん、驚かせるつもりはないんだ」

そういいながらも、どんどん彼の腕は、私の横腹を通り、私の前に・・・ドキドキしてる自分がいる・・・彼のことが好きかもまだわからないのに、でも、彼なら・・・・その手は、どんどん上に上に上がり、ボタンを一つ一つ外していく・・・うそ・・うそ・・こんな事・・・・こんなに積極的にしてこない・・・

「・・・・如月君・・・」

「ごめん、嫌だよね・・・」

「そうじゃないの、私ね如月君にならされてもいいの。でもね、あなたにはしてあげられない。」

「どうして?僕は!」

「そう、あなたは如月君じゃないから」

その途端、彼の手は止まった。ぴたりと止まり、私の周りの世界は砂が吹き飛ばされるように、サァァっと、消えていく。そう私が見ていたのは、幻だったのだ、本当は今の私が見ている世界。それは朽ち果てた木や、崩壊しかけの建物などそんな世界。私は幻覚を見せられていたのだ。といううことは如月君が危な・・・・・さっきのことを思い出すと恥ずかしい・・それが本人じゃないとしても・・・意識してしまう・・・でも、仮に如月君の同じなら助けてあげないと・・・・薄暗い街の中、私は歩き続けた・・・どこにいるかわからず、途方もなく歩く。ひたすらにひたすらに・・・・・

「どこにいるのよ・・あいつ」

歩けど歩けど、見つからない・・・と、そんな時!

「グルゥゥゥアアアアア!」

声の方、上を見上げるとそこにいたのは、見たことないサイズの”ファルカオスベギルドゴーレム”

「なんで!あれは東の森にしかいない危険指定モンスター!」

高い場所から飛び降り、確実に私をターゲットとしている。一人であんなのに勝てる気はしない・・・どうしたら・・・こんな時にあいつは何してんのよ

咆哮を放ちこちらに走ってくるが恐怖で私の足は動かなくなっていた。うごけうごけ!そう思うが、足は動いてくれない。怖い怖い怖い!一歩一歩近寄ってくる。足が震える・・・助けて・・・助けてよ・・・思い浮かぶのは・・・・

「助けてよ!如月!」

「やっと呼んだな」

その途端、私の目の前に如月君が現れたのだ。どうして・・・・

「脱出条件が、信用ある人に呼んでもらうが条件だったみたいでな、ありがと!」

どうして、いつも、あんたはそんな・・・・・

「それに!」

「ファウル リ リレース!探しましたよ。アリス」

そこにいたのは、メルだった・・・どうして・・・メルの放った魔法は、 ファルカオスベギルドゴーレムを一撃で消し飛ばした。しかし何だか違和感がぬぐえない。

「どうして、メルがこんなとこに!」

「理由は後だ!アリス!」

霧が、晴れたその前には、一人の魔導士が立っていた。

「どうして、わかった!我が幻想が何で敗れたのだ!」

私たちは、こいつの幻術にかかっていたらしい。それの原因の薬交じりの霧をメルが吹き飛ばしてくれたため、私たちのの幻術は一気に溶けたってわけだ

「くそぉぉ!貴様ら!ここで全員捕まえてやる!」

「まだよ!私は、助けるためにここに来たの!」

「俺もまだ、感謝しきれてねえんだ!」

「二人とも・・・・私も!」

絶望的状況とまではいわないが、メルがいる、如月君がいる。それだけで私は力がみなぎってくるようだった。敵も三対一というう状況、できれだ穏便に済ませ、解決としたいとこなのだが、そうもいかないのが現実なので・・・すると、敵は腰から何か瓶を取り出した・・・・いったい何を

「まさか、あれってよくあるお約束的展開のものなんじゃ!?」

如月君がまた変なことを言い出したが、気にはしない、いつものことだし、しかし敵はそれを飲んだ途端、全身が膨れ上がり始め原形をとどめないような異形の怪物になったのだ、魔法の容量オーバーにて起きる現象。マジックバースト・・・初めて見た・・だけど、といううことは

「貴様らに、こんな最終手段を使うことになるとはな!」

攻撃がさっきの比ではなくなっていた、威力もスピードも桁違いではないか・・・こんなのよけることで精いっぱいだ・・・メルや如月君も攻撃を加えるが、攻撃のこの字も与えられていない、こんなの勝ち目あるのだろうか・・・と、逃げ回っていたその時だ。メルが私に叫んだ。

「アリス!危ない!」

正面にいるが、さっきの敵が移動途中に感知式魔術爆雷を地面に仕掛けていたのだ、もうどうしようもできない、この規模だ・・・少なくとも私は死ぬだろう・・こんなことなら、みんなに”ありがとう”伝えたかったな・・・・

「まだだ!あきらめるなんてらしくねえ!」

私は、間一髪のとこで如月君に押し飛ばされた、しかし、すさまじい爆風が私を襲う・・・爆雷が起爆したのだ・・煙が視界を遮る、周りではメルが敵と交戦中、私を助けてくれた、如月君が見えない・・どこ!どこなの!私は必死にあたりを見回した、すると、横たわる如月君が底にいた。私はあわてて、彼に近いるが、彼の下には生ぬるい赤い液体が底を覆っていた・・・・・

「うそ・・如月君死んでないよね!如月君!」

泣いている、私の横をメルが飛んでいく、敵に吹き飛ばされたのだ・・・戦闘不能で気絶したメル、ほとんど何もできない私、死んでいる如月君・・・そうかこれは私が悪いんだ、たくさんの人に迷惑かけた報いだ・・ここで私は殺されるでも、せめて二人には、生きてほし・・・

「勝手に殺すな・・そして、化け者野郎、アリスを泣かせたこと公開させてやる!」

吹き飛んだ腕からは、血がしたたり落ちる・・・私のせいで・・・

「俺は、ここで死んだりしない!彼女を守るそう決めたんだ・・・・」

「ならやってみろ、腕のないその体でな!」

見ておくことしかできなかった、彼は、早くさらに早く、敵のスピードを少しづつ超えていく、着実に着実に・・・敵の攻撃を受け流していた彼も、次第によけ始めた、そのスピードは肉眼で確認できないほどに・・・そして

「お前たちにない事!それは!仲間を信じる心だ!」

強烈な一撃のパンチが入るしかし、それでは、敵は倒れなった・・・

「そんな、ちんけな攻撃では、俺は死な」

「メル!今だ!」

強烈は砲撃魔法が、如月君をかすりながら、敵も魔導士に直撃し、跡形もなく系飛んでしまった。如月君は最初からこれを狙っていたのだ。しかし、彼のダメージは思うよりひどかった、戦闘後、彼は気絶してしまい、駆け寄るメルに私はお願いする、しかし、私とメルの治癒魔法では、彼の失血は直せない、メルは、彼を担ぎ移動魔法で、宮廷に戻っていく。私もそれを追うように、宮廷に戻っていく・・・・だけど、私が戻ったらみんなに迷惑がかかる・・・いや、本当は違う、戻りたくないわけじゃない、私は怖いのだ、あそこに戻って敵に襲われるのが・・・でも、如月君は身を挺して私を守っていくれた、そんな彼を私は見捨てることはできない、移動魔法で移動すること、数回、宮廷に戻った、すぐにメルは救護魔法班とともに、奥の部屋に消えていった・・・

「お帰り、アリス。」

横を見ると、そこにはヴァツラッテ様がおられた、怒ってもなく、やさしく迎えてくれたのだ、こんな私を・・・どれくらい泣いただろう・・そのうち私は、泣き疲れ私は眠ってしまった。それから、どのくらいが立っただろうか・・・・目が覚めると夜になっていた・・・冷たい廊下の椅子の上で私は寝ていたので、かなり冷えた・・・でもこれは、何か違う冷たさ・・・頭の身に感じる冷たさ・・・すると

「起きたのかい、アリス」

その声は如月君で、私を膝枕して寝かせてくれていたのだ、しかし撫でているほうの手はなかったはず・・・見るとそこには、金属でで駅盾があった、冷たいけど温かい手・・・私は、起きてその手を両手で握り額に当てた。気づくと涙がまた止まらない・・・・申し訳ない気持ちでいっぱいになっていく・・・そんな私を、如月君は逆の手で私の涙をぬぐいながら

「気にしないでくれ、俺は生きてて腕もこうしてある、アリスが無事で俺はよかったよ。」

いつもそうだ、彼は死ぬかもしれない状態でも私を守ってくれている、今回だってそのせいで、腕をうしなって、金属製の義手になったのだ・・・・そこまでして・・・自分を犠牲にして・・そんな彼に私は何を返せただろうか・・・いや返せていない・・・そんな気持ちから、どんどん涙が止まらない・・・

「ごめんね・・・如月君」

そうすると、今度は何も言わずに私を抱きしめてくれた。でも、この感じ以前どこかで・・・私は、次第に泣き止み、今までの感謝を話し、その日は、自身の部屋に戻った・・・この部屋に来るのもどのくらいたつか、わからない・・・。明日きちんと謝ろう・・・


翌日、私は少し早めに起きて、朝食の支度を行っているとメルがやってきた。

「おはよう、アリス。今までのことは気にしないで?私は帰ってきてくれてうれしいのだから」

彼女の優しい言葉でまた泣きそうになる・・・その後、朝食を済ませ、家事を済ませ私は、如月君と買い物に行くことに、街の様子は、あまり変わっていなかった、いつものようにかかわってくれる、商店街の人たち、私と如月君は、買い物を済ませ帰宅。夕食の支度へ、昔を思い出しなんだかうれしい、こうやって私は生活していたと思うとなんだか、幸せなのだ、しかし

「アリス!」

カァァン!

金属音が私の後ろでなり、後ろを振り返るとそこには、ナイフを片手に私に誘うとしたであろう、殺意を私に向けていた。一体どういうことなのだ、こんなことをする人じゃないはずだ

「メル!こんな悪ふざけはやめるんだ!」

「どいてください。」

様子がなんだかおかしい、まるでこれは

「君たちが悪い、出て行ったからね。」

今度は後ろから、聞こえてくる、ヴァツラッテ様の声、挟まれた・・・でもなんで・・・まさか!

「聖なる力よ!この物を見透かせ!聖なる光の審判セイグリッド・ジャッジメント

その途端、二人は苦しみ始めそうして、干からびてしまったつまり・・・二人は殺されており、何者かに操られる魔法をかけられていたのだ・・・・あの日以降に殺した誰かの手によって・・・・・

「そんな、二人とも・・・」

私はその場に泣き崩れるしかなった。親愛なる家族のような二人、そんな二人が私のせいで・・・許さない何があっても許さない・・・・・

「アリス・・・」


その日私は決意した。私の大切な関係をこれ以上壊させないと・・・。そうして、私は、二人の亡骸を庭に埋め、雨が降り出した、寒空の下、如月君とともに、根源である魔王討伐のための旅を始めるのであった。





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