ありがとう。
今回が初の、異世界転生ものです。いつも途中までですみませんしかし今回は完結までしたいと思っています。
私は、嫌われる。人間じゃないから。
私は、非難される。メデューサだから。
私は、売り飛ばされる。エルフだから。
私は、不幸になる。幸せなんてないから。
私にかかわる、優しい人たちは嫌がらせを受ける・・・私にかかわってくれたから・・・・。
私の・・・生まれた意味って何だろう、生きてるだけでこんなに迷惑かけるくらいなら・・・・私なんて消えちゃえばいいのに。
「私には、きっと訪れない。人並みの幸せ。だって、私はメデューサでありエルフの”メデュルフ”だから。」
嫌な夢を見た・・・森が焼け・・父は殺され、母は生け捕りにされ小さな私は、ベッドに下で家が燃えず見つからないことを祈ることしかできなかった。私は、最後、憲兵に見つかり引きずり出された。
「さて、上玉だ。可愛がってくれる奴に高く売ってやんよ!ヒャハハハ!」
小さな私は、怖くて身動き一つできなかった。このまま捕まり奴隷になるんだ・・そう思うと怖くて声も出なくなった。そして、小さいながらに私は、”死”を覚悟した。その時
「オラぁ!小さい女の子を泣かせるな変態!」
「グアァァ!」
いきなり見知らぬ種族の男性が、憲兵に飛び蹴りを入れて、私を助けてくれた。
「お嬢ちゃん逃げるぞ!乗って!」
私は、無我夢中だった。お兄さんの背中に私は捕まりお兄さんは、信じられない速さで駆け抜けていく・・・
そうして、私は、森野離れで降ろされ。
「強く生きるんだぞ。」
そう言ってお兄さんは去っていった。
冷たい雪。その感覚だけ覚えている・・・・・
「はっ!・・・・あ・・・」
私は、起きると泣いていた・・・・またあの夢を見たんだ。私は、あの時助けられそれから一人で森の中で生きている。あの時もし助けられていなかったら、今頃私はどうなっていたのだろうか・・・・ベッドから抜け、私は家裏の滝つぼで顔を洗う。冷たい水が眠気を取ってくれる。いつも私の生活は、ここから始まる、朝食を作りそれを食べる。そうして家から出て森の中で食糧や、人間との取引に使う万能薬”女神の雫”を探す。なんだかんだで、特定の人間とは会っている・・・といううか人間のほうから、やってきてくれる。その人たちは害がないことは保証済みだ、しかし、私とあっていることがばれると迫害されかねない・・・私がどうかなるのは構わないが、私にやさしくしてくれる親切な人たちがどうかされるのは耐えられないのだ・・・・
森の中を探索していると、あるものを見つけた、それは
「これは・・・もしかして・・足跡だわ・・・ガルムベア?」
ガルムベア・・・森にすむ魔獣の一種で、強力な爪でひっかかれたら一たまりもない、遭遇する前に退散しないと・・・足跡は、まだ新しい今の状況で遭遇したら勝ち目なんかない・・・いや・・・ないわけではないが、使いたくないのだ・・・禁じられた目。赤い瞳のオッドアイ、反対の目は金色のエルフ特有の色・・しかし、赤の瞳はいつも眼帯で隠している。人を固まらせてしまう魔眼だから。周囲を警戒しながら、私はその場を離れた。何とか合わなくて済んだようだ・・・こんなとこであったら一たまりもない、まだ私は死ぬわけにはいかない、あの人に会うまでは・・・・・・あ・・・・・これって、私フラグってやつ立てた?その時だ
バキバキバキ!と、木々がものすごい音を立てつつ折れてゆく・・・・まさか・・・・
「グルルアァァアァ!」
ガルムベア・・・目測でも体調は優に3、いや・・・4メータはある・・・こんなの勝てない、魔眼を使うか、でも森の子達にそんなひどいことはできない!どうしたら・・・・考えていると、ガルムベアが攻撃してきた。魔法障壁で何とか防いだが、守るばかりでは消耗戦で負けてしまう、何とか逃げる方法を考えなくては・・・そうこう考えていると2発目が真横からきた、守るのが精いっぱいで私は、気にたたきつけられ、動けない・・・・このまま死んじゃうの?そんなの嫌だ・・よ・・・・遠くで人の声がした。私は、きっと捕まるんだろう、自分の死を覚悟しその瞳を閉じた。
「はっ!・・・ここは・・・・」
「屋敷でございます。お客様。」
驚きそのほうを見ると、そこにいたのは使用人服を身にまとった、人間の少女だった。人間・・・それだけで警戒してしまう・・・だが、よくよく見ると私は、縛られるどこか構想すらされていない・・・どういううことだ・・・・
コンコン
扉がノックされ、一人の男性が現れた。見た感じまだ若いような・・・・
「当主の”ヴァツラッテ・エルナ・フィルス”様です。」
反応的に身構えてしまった。
「そんなに、怖がらないで結構ですよ。お嬢さん」
「あの、助けていただいたのは、お礼を言います。私が何者か知っているんですか・・・・?」
「もちろんさ、だが君に何かしようなんて思わないさ」
そんなことを言われて、”はい、そうですか”なんて言う頭ハッピーはお人よしはいない。私の周りは敵しかいない、あの人を除いては・・・・
「信用されてないのは悲しいね・・・メル・・・・」
「はい、ご主人様」
そう言うと、おもむろに髪に手を伸ばした。そして・・・・・
「・・・・その、髪」
「わたくしも、お客様と同等。人外でございます」
私は驚きを隠せなかった。大体のエルフや、メデューサ、希少な人種は檻に捕まるか、解体されその肉をむさぼられるか、ホルマリンで漬けられ、金持ちの置物になるかだ・・・なのに彼女は生きている・・・
「そうして、そう思われたかと思います。ご主人様は、人間から私たちのような存在を守っってくれているのです。」
そんな人間がいるだなんて信用ができない・・・・しかし、現に今このような形で存在している・・・
「そうか!あなた強要されているのね!ここで働くか売られるかって!」
「そのようなことはありません、私は好んでここにいるだけです」
すると、壁にもたれかかっていた当主は
「けがが治れば自分の森に帰ってもいいよ、僕は強制も何もしない。」
そう言い残し、出て行ってしまった。
「お客様のおっしゃる気持ちはわからなくもありません。しかし、ご主人様は、そんな穢れた考えとは無縁な方です。どうか、偏見されないでください。」
使用人も一礼し去っていった、私は、体がまだうずき起き上がることがやっとだ・・・失礼なことしちゃった・・・・トラウマが原因でどうしても人間を信用することができない、私は、その後日に日に体調は回復していき、それに伴いここの主を、危害を加えないそう信じていった。そして、時は経ち2か月が過ぎようとしていたある日のこと、私は、歩けるまでに回復し少し屋上で綺麗な景色を見つつ悩んでいた・・・人間にもいい人はいる。あの人のように、私にできることはないだろうか、ここまでしてもらい、ハイさよならな何だかあとが悪い。そこで
「ヴァツラッテさん・・・・・私をここで働かせてもらえませんか?」
唐突の申し出に、ヴァツラッテさんは驚いていた。
「どうして、そんなことを?気にしなくていいんだよ?」
「私がそうしたいからです、それに、メルだけしかほかにいないみたいなので、私でよければ、働かせてもらえませんか?」
そういうと、ヴァツラッテさんは、喜んで承諾してくれた。それから私は、ここで働くことに、先輩のメルに色々教えてもらいつつハウスキープを覚えていく、助けてもらってここで働かせてもらって、まだこの世界は、壊れてない。私はそんな風に感じた。そんなある日、近隣の村へ食材を買いに行っていた時のことだ、いつものように人種に対して抵抗のない村人と話していると、血相抱えた一人の男性が、走ってきた。
「大変だ!森にホーンブルが出やがった!」
ホーンブル、一本の大きな角を持つ肉食の牛だ・・・・でも、離れの草原にしかいないはずのホーンブルがどうして・・・・しかしこのままでは、村に被害が出てしまう。それは回避しなければならない。
「メル!退治しに行きましょう!」
メルは、ふっ、と、やれやれと言わんばかりに顔を横に振り
「どうせ行くなと言ってもやめないんでしょ、このお人よし!」
「もちろん!」
私とメルは森のほうへ走る、すると私の感覚が何か魔獣以外を感知した。しかしそれが何かわからない・・・・でも、明らかに近かった。ホーンブルであろう、鳴き声のほうへ行くと
「クッソ!なんだよこの化け物は!」
人間だ・・・しかも、嗅いだことない香りがする・・・・その奥からは特大でかい・・・7mはあるホーンブルが来た。
「ササっと退治するわよ!アリス!」
私は、名前がなく、屋敷で付けてもらった”アリス・レイナール”というう名で、呼ばれていた。
「OK!メル!ごめんね!ブルちゃん!感電鎮魂歌!」
強烈な電気で、感電ししびれて麻痺をしているとこへ先輩の得意とする魔法が炸裂した。
「行くわよ!空間の聖霊よ!この者を、森深くへ転移されよ!限界突破転送!」
空間が激しく振動し、ホーンブルは消えてしまった。
「大丈夫ですか?」
腰を抜かした、男性に私は手を伸ばす。男性は立ち上がり軽く自身のお尻の土埃はたくと
「助かったよ、ありがとう、なんかお礼をさせてくれ!命救ってもらったんだ!なんかしないと気が済まない」
ちらっと、メルのほうを見るが、目でいいんじゃない?と合図をしてきた、事実荷物が多くどうするか迷っていたとこだ・・・しかし・・・・この男性の服見たことないけど・・・どこの服かな・・・その服は、青い布の服・・・見たことない・・・・
「では、荷物運ぶのを手伝っていただいていいですか?でも大丈夫ですか?怪我なんかされていないですか?」
「全然、平気ですよ!むしろ、助けていただいて、何にもしないなんて俺にはできない!」
こうして、助けた男性は、私たちとともに屋敷まで荷物を持ってきたまではよかったのだが・・・・・
「すみません・・・最終的にご迷惑おかけしてしまい・・・・」
屋敷について、荷物を玄関に置いてもらおうと、上っていたとこ、階段を一段踏み外し助けた彼は、こけてしまい足を骨折してしまったのだ。
「申し訳ない・・・」
「気にしないでください」
私は、治癒魔法で治すが、骨といううものは厄介で、接着まではできるが完全回復までとは言えない・・・といううわけで、彼は客室で寝ることになり、そのことをヴァツラッテ様に報告すると笑いながら
「なんだか、君が怪我をしていた時みたいだ」
と、おっしゃっていた。そういわれるとそんな気はする。戸を叩き、お客様の部屋に夕食ができたのでお連れするために部屋に行くと、お客様は座って外を眺めていた。
「お客様、夕食でございます。」
「この”世界”は、綺麗だな。高いビルはないうるさい車はない、いい世界だよ。」
唐突にこの人は何を言い出したんだろう、そう思いながら私は適当に、返答した。
「作用でございますか・・・ここは特に夜がきれいでございます。完治されましたら、屋上に行かれるといいですよ」
私は、そういううと、お客様を部屋から連れ出し、食堂へ
食堂で、食事をするお客様と話す、ヴァツラッテ様はすごく目を輝かせ見知らぬ地の話を聞いていた。それから、お客様も足が治り、ある日のこと
朝私が飽きると、キッチンへ行くと、そこには燕尾服をきたお客様がいた。
「ど、どうして?!」
「おっ!おはよう!えっと、アリス・・・さん?」
「あ、おはようございます。」
「ここで、働かせてもらえることになった”如月 拓哉”です!」
じゃなくて、反射的に返事してしまったが、どうしてここにいるのかお客様に聞くとどうやら、昨日浴室で、ヴァツラッテ様と被っってしまい、そこでお礼に、ここで働かせてくれと、頼み込んだらしい・・・・そこまでするかって・・・私も人のこと言えないけど・・・しかし、彼の仕事は壊滅的だった。包丁を使えば、指を切る。洗濯をすれば、服を破る。買い物すれば間違える。しかし、彼は同じ間違いだけはしなかった。それになぜか彼は文字が読めなかった。最初は、冗談かなにかと思ったが、本当に読めないようで、私はそんな彼に付き合い勉強を教えることにした。
「ありがとうな、アリス先輩、文字教えてくれて」
「別に、そうしたら、メルも私も助かるからよ。でも文字が読めないなんてあなた致命的ね」
「まー、訳ありでさ、とりあえずありがとうな」
彼は、それからみるみる、成長していき、文字も覚えた。そんな私もみんなも、楽しい生活がずっと続くはずもなかった・・・・それは・・・・・・・ある日の朝のことだった。
ダンダン!
宮殿の戸が乱暴に叩かれた。私は、何事かと玄関へ向かい、会話窓を開けると
「こちらは、憲兵団!ここに、エルフなど人外を匿っているとの一報が入った!監査する!開けろ!」
ドンドン!と、今にも壊さないくらいの勢いで、とを壊そうとしていた。すると、如月君が私の肩を掴み、ひそひそ声で
「メルと一緒に隠れてろ。」
ヴァツラッテ様もやってきた。
「うちの使用人に手出しはさせない、地下にメルと一緒に行き、戸のノブを左に回しなさい。隠し空間に行けるから、私が迎えに行くまで隠れているんだよ」
そういわれ、私とメルは言われた場所に行き、その身を隠した。どのくらい時間がたっただろう・・・ガチャっと、戸が開きそこには疲れた顔の、如月君とヴァツラッテ様がいた。
「何とかごまかせたよ、しかし、村の人がこれは告げ口誰かしたね・・・メルは何とかなるが・・・・どうしてなんだ・・・」
私はその夜、置手紙をして屋敷を後にした。月夜の明かりの元、私は行く当てもなく歩いていた・・・・すると
「・・・スー!アリスーーー!」
後ろから私を呼ぶ、聞き覚えある声、その姿は乱れ燕尾服が走ったためか、型崩れしている。
「どうして!どうして!いきなり出て行ったんだよ!」
私は、その重い口を開いた、自分が何者で自分がいたらどうなるか、以前いた自分たちの故郷がどうなったか・・・すべて話した。すると
「なるほど・・・・・だからか、いろいろ先輩が心配してたのは、あと、綺麗な理由が分かったw エルフにメデューサなら、当たり前だな!」
「いや、だから、私は害になるから・・・」
「そっか・・・なら、俺も付いていくよ。もうあそこにいられないなら、俺が付いていく。」
「いや、私といたら、何されるかわかんないんだよ!?」
「だから、それなら一人より二人がいいだろ!危ないなら、尚更だ!勝手についていくからな」
この日から、私と如月の安地を探す旅が始まった・・・・・・・ごめんなさい、ヴァツラッテ様・・メル・・・。