男同士のお漫才

作者：庵目　姫史

　二人　「はいこんにちわー」

　ボケ　「ボケ担当ですー」

　ツッコミ　「ちょっと待て」

　ボケ　「どうした？」

　ツッコミ　「オマエをボケだと認めた覚えはない」

　ボケ　「なんでよ？」

　ツッコミ　「面白い事を言う方がボケを担当するのが普通だろ？」

　ボケ　「まぁ、そう、かな？」

　ツッコミ　「俺のほうが面白いだろぉが！」

　ボケ　「どうしたのよ急に」

　ツッコミ　「俺の方がお前みたいなモンより面白いって証明する」

　ボケ　「どうやって？」

　ツッコミ　「今からより面白い事言った方が今後ボケを担当することにしよう」

　ボケ　「スゴイ振りするね」

　ツッコミ　「いいな！！」

　ボケ　「大きい声出すなよもう」

　ツッコミ　「まずはお前から」

　ボケ　「そうだね……、この間知り合いと商店街に買い物に行ったんだけど」

　ツッコミ　「……それから？」

　ボケ　「後ろ髪の長い小学生が二人と、そのお父さんぽいムキムキの人が歩いてたんだよ」

　ツッコミ　「それから？」

　ボケ　「お父さんのＴシャツの裏に【親父！】って文字が書かれてたんだ」

　ツッコミ　「ほう」

　ボケ　「背の高いコのＴシャツの裏には【兄貴！】って書かれてんの」

　ツッコミ　「ほうほう」

　ボケ　「背の低いコには【弟！】って書かれてると思うじゃん？」

　ツッコミ　「まぁな」

　ボケ　「そのコがこっちに背中向けたらさ、【長渕！】って書かれてた」

　ツッコミ　「ふぅん……なるほどね」

　ボケ　「次はそっちね」

　ツッコミ　「ウンコ！　ウンコ！　ウンコが！　ブリブリー！！」

　ボケ　「まじかこいつ」

　ツッコミ　「ウンコブリブリー！！」

　ボケ　「もう一枚羽織ってくればよかった」

　ツッコミ　「どうだ？」

　ボケ　「よく聞けるね」

　ツッコミ　「おもしろかったか？」

　ボケ　「おそろしかったわ」

　ツッコミ　「なんだよもう！」

　ボケ　「もういい？」

　ツッコミ　「もういいよ！！」

　ボケ　「何を怒ってんのよ？　朝は機嫌よかったじゃん」

　ツッコミ　「オマエが受付の女と喋って笑ってたからだろうが！」

　ボケ　「なんで？　別にいいじゃん」

　ツッコミ　「俺の気持ち考えろよ！」

　ボケ　「帰りにアイス買ってやるから機嫌直せよ」

　ツッコミ　「……（ぷいと顔を背ける）」

　ボケ　「家に着いたらカレー作ってやるから。甘口で」

　ツッコミ　「シーチキンは？」

　ボケ　「入れるから」

　ツッコミ　「……でもダメだね」

　ボケ　「なんでよ？」

　ツッコミ　「さっき一緒に買い物行った話した時【知り合い】って言ったろ」

　ボケ　「細かい事言うなよ」

　ツッコミ　「言い直せ」

　ボケ　「人の目があるだろ？」

　ツッコミ　「言い直せよ！」

　ボケ　「もう、しょうがないな。この間親友と商店街に買い物に行ったんだけど」

　ツッコミ　「（ガバッとボケを抱きしめる）」

　ボケ　「……まだ怒ってる？」

　ツッコミ　「もういいよ」

　二人　「ありがとうございましたー」

お粗末さまです。