誰かの実体験
頭が熱を帯びてうまく働かない。
透明な膜を通して見るように世界に現実味がない。
自分が自分で無いようで、他人の人生を傍観しているような気分になる。
言葉の意味も理解できない。
なぜ生きているのかも理解できない。
自分がしたい事も、すべき事も分からない。
今まで簡単に、それこそ無意識にできていたことが酷く難しく思える。
僕は何も考えられなくなって、世界は意味のない背景になった。
意識は綿のように軽く、対して気分は鉛のように重かった。
僕の風船のような行動は、他人の目には奇異に映る。
だけれど僕にはどうすることもできない。
僕の風船のような頭では、風に流されることしかかなわない。
めまぐるしい世界に置いていかれた、そんな木々が羨ましい。
僕も植物に生まれたかった。
そうすれば僕のこの脳も、少しは役に立ったろう。
重い。重い。頭が重い。
明日になったら、どうか見える世界が変わっています様に。
辛かった。