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没作品1  作者: 東乃神 西
ぼつ
3/4

アダルティな九尾と闇

昼にやってる映画が何気に好きな、西です。

今回はアダルティな九尾が出てきます。

前回の九尾は、ちゃんと伝わっていれば幼女版九尾ってことになっているはずなんですが、、、、(伝わっているか心配【焦】)

今回も誤字脱字間違いは許して&教えてください

明日も投稿するから見てね!!

良ければブクマ、評価をいただけたら幸いです。

『おい、起きるのじゃ』

何者かが恐らく寝ている僕の上に仁王立ちして、そう言う。

だが、口ぶりで今日の九尾だと察しがついた。

「、、、、、、、、、」

だが僕は、起きない。ピクリともしない。

ていうか、九尾のために起きたくない!

「起きるのじゃっ!!!」

今度は九尾が僕のことをガクガク揺する。

「ぅむぅぅぅぅぅ、、、」

僕は、揺さぶられ、クマの寝起きのような声を出してしまう。

僕は、眠たい目を無理やり開ける。


そこには『おっぱいお化け』がいた。


下半身は尻尾が九本ある九尾なのだが、昨日見たような幼女の、色気が押しても引いても全くない物ではなく、足だけで凄く艶めかしさが溢れ出すものになっていた。

さらに、その下半身の上にはデカい乳が二個、二次元でしか見たことないようなデカい乳が二個、生きているうちで絶対見られないようなデカい乳が二個が、乗っかっていた。

「、、、どちら様ですか?」

『おっぱいお化け』が、僕を覗き込むようにする。

おっぱいの向こう側には大人版九尾の顔があった。

『は?ワシじゃ。昨日来ただろ?』

昨日?

僕はスマホを手に取り電源をつけて時間を見る。


[壱時半]


日またいでるじゃん。

「真夜中じゃん、てかほんとに誰だよ!昨日会ったのはめんどくさい幼女です!」

『喧嘩を売っておるのかのぉ?だからっ!、、、あぁこの姿か』

僕の目の前にいる『おっぱいお化け』は特徴としては昨日、凹神社会った九尾ととても合致しているが、その姿は昨日の幼女版九尾とは違い、漫画とかイラストとかで見るような妖艶で奥深くて巨乳で巫女服からはち切れそうでエロいアダルティーなものだった。

『妖怪は夜になると、姿が変わるやつもいるんじゃよ』

へ~~、夜寝てるから気づかなかった。

てか、僕すぐ順応したな、、、

「へ~~、で?それを言いに来たのか?それだったら寝るぞ」

『そのためだけに来るわけないじゃろ。今から外に行くぞ』

なぜそんな無茶なことを堂々と言えるのか聞きたいな。

「いや待て、どうしてそうなった?」

『いいから来い』

九尾は威張って言う。

だからなんで威張ってるんだ!

でも、まぁ、夜の街も悪くないか。

「理由は後で聞くぞ」

そういった後、僕は家族に音を聞かれないようにこそこそと着替えを済ませ、ばれてはいけないので自分の部屋の窓からこれもまたこそこそと家を出ていく。こんな泥棒みたいなことはしたくないのだが、まぁ、娯楽にはリスクがかかるほどがちょうどいいよな。

外に出ると、大祓 巫がいて、僕にお辞儀をする。

「九尾様がまた失礼なことをしませんでしたか?」

「今更それを聞く?九尾は、歩けば失礼、喋っても失礼、黙ってても失礼な奴だろ?」

『そんなことないじゃろ!!』

「いや、まぁ、そうなんですけどね」

認めちゃったよ!!?


閑話休題


「失礼だったよ。十分な程に」

「今は急ぎの用なので後で叱っておきます」

大祓 巫が九尾をギロリと睨みつける。

『マ、、、マジか』

九尾は膝からガクンと落ちて四つん這いになり絶望する。

そんなに?大げさすぎない?

「んで?なんで俺呼んだんだ?見えるだけで漫画みたいに『破っっ!!』みたいなこと出来ないぞ?」

『破っっ!!』って言った声が町に響いた開放感から少し気持ちよかったが、すぐに恥ずかしさと昭和の禿おやじのような人が叫んでこないか、という怖さが一気に濁流のように僕を襲った。

「そんなことは出来なくていいです」

バッサリ言うなぁ。

『結界の点検にお主のその大量の妖力が必要なのじゃ。』

いつの間に立ち直った?てか、僕は大量の妖力を持っているのか!?というか妖力って何!?

「妖力って何?」

素朴な疑問だった。

「妖力というのは、人間皆等しく持っている物で、大体の人は年を取るのにつれてそれは薄まっていくものです」

『ププププププ』

九尾はこらえられなくてつい口から洩れてしまうように笑う。

「なんだよ」

『つまり、お主は子供のまんまじゃ!ww』

九尾はケタケタと夜のさびしい街で笑う。その笑い声は寂しい街に吸い込まれていった。

九尾はバカにしてるのかもしれないが、何故か全く悔しくない。

悔しくなさ過ぎてぶん殴りたくなってくるな!この女狐は!

「まあ、九尾様は置いといて、とにかく、あなたの妖力が必要なので来てください」

一応、神様なんじゃないの?

一応だけど。

そう言われた後、僕たちは真夜中の街を歩き始める。

結界に着くその間、暇で微妙な空気が流れ始めそうだったので僕は九尾に話しかける。

「お前どうして半神になったの?」

『んあ!?、、、元凹神社の神が適当な奴でな。神社に住み着いてたワシを神にしおったのじゃ。まぁ、おかげで飯が食えるようになったからよかったんじゃけど、その後が大変じゃった。その元神がガバガバなことしかやっておらんくて、それで結界じゃとかいろいろ作んなくちゃいけなくなったのじゃ』

それを一気に言い終えた九尾は「はぁ、、」と疲れたようにため息をつく。

そのため息には相当な苦労が乗っかっていた。

「お前って意外にまじめだな」

『意外とは余計じゃ。見たまんまじゃろうが』

当たり前かのように言うから何かイラっとするわ~

「やっぱり見間違いだったかな~」

『ムキーーッ!!』

九尾が僕に向かって飛びついて襲い掛かってくる。

「九尾様余計な体力を使わないでください」

大祓 巫は薄ら笑って九尾を注意する。僕も怒られているみたいだ。

「おぉ、そうじゃったな」

九尾っていうこと聞くこともあるんだな。

その後は九尾も大祓 巫(元から静かだが)も一切喋らず、ただ黙々と歩き続ける。

仕方ないので僕は二人の後に付いていきながら、そうそう見られない、いや、見たことない夜の街を眺めることにした。

ーーーーーー一時間後ーーーーーー

僕たちは()()森の中を歩いていた。

何者かの視線が、多分、森の妖怪だとは思うのだがチクチクと僕の体を刺激する。

「おい、どこまで行くんだよ。あと、さっきから視線を感じるんだけどなに?妖怪?仲間だったらやめさせてくんない?」

一時間ぶりに喋った言葉だった。一時間ぶりだったので、喉が渇いて喋ると少しばかり痛かった。

この時、僕は深夜テンションに突入しており今までにないハイテンションで、ある程度の疲れはスルー出来ていたのだが、流石に歩きすぎて息切れもするし足の裏が少し痛い。もしかしたら慣れない山道のせいで足の皮がむけているのかもしれない。

想像したら、脳がムズムズした。

『すぐ着く!もう少し我慢せんか!』

九尾に一括されるとは、、、

 その後も、十五分ほど歩き、前を歩く二人が突然、草やツタでぐしゃぐしゃに絡まれた崖の前で立ち止まった。

『ほら、すぐ着いたじゃろ?』

どこがすぐ!?

「ここが結界?」

僕が想像していた『杭』や『札』など全くなく、崖を除けば辺りは少しだけ開けた()()の森の中だ。

「では、やりましょう」

大祓 巫は九尾に目配せをする。

そして、九尾はエホンッ、と咳払いをしてスウッと息を吸う。

『《我が扉よ開き給へ》』

そういうと、崖に襖が現れた。

町を囲む山の上の崖の一部が襖に変わった?もう慣れた。

もう多分何が起きても驚かないな。てか、それって呪文なの?

ススススッ

大祓 巫はその崖の異様な丸い襖を開け、先を九尾に譲る。譲られた九尾はスッと中に入っていく。次に大祓 巫は僕にも譲るそぶりを見せる。襖の奥から煌々と漏れ出す光がまぶしすぎて、森の闇が怖かったが逆に危険な風に感じる。

「危ないか?」

気休めかもしれないが、聞いてみた。

「まぁ、客観的に見れば危険かもしれません」

僕はゴクリと唾をのむ。

ポンッ

大祓 巫は()()()()僕の背中を押してくれた。

「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」

ドッサァァァァッッ

「痛っ、、、」

目を開けると辺りは真っっっ白な世界が広がっていた。起き上がって無事を確認した僕はもう一度辺りを見渡すがやはり一面真っっっ白な世界が広がっている。しかも、ありえないほど奥行きがある。絶対こんなスペースないのにも関わらずに。

まるで夢、、、、、

「そうかこれは夢なのか!」

『違うわ』

振り向くと九尾が腕を大きく振り上げていた。

バチンッ!

『ほら、夢じゃないじゃろ?』

ジンジン頬が痛む。

マヂでなんなのこいつ?(# ゜Д゜)

「いやお前、人間に害及ぼしているぞ!お前の方が怪異だろ!!」

『ワシは神じゃぞ?罰を下すのはワシじゃ』

こいつ、、、っ!

そう九尾が言った後、大祓 巫が中に入ってきた。

『《我が扉よ閉まり給へ》』

そう九尾が唱えると扉がひとりでに閉まり外からの闇は完全に遮断された。

そして、九尾は正座をして、スウッと息を吸う。

『《出でよ埜よ》』

ズズズゥゥゥ

真っっっ白い地面からどす黒くこの世の夜をかき集めて作り出したみたいな一本の棒が現れる。

『神酒を持って来るのじゃ』

正座をした大祓 巫は九尾の後方から迂回し横からお辞儀をしてどこから出したのかわからない人の顔ぐらいの大きさのとっくりを九尾に渡し、また元居た九尾の後方に戻る。僕も雰囲気にのまれ九尾の後方に正座してしまう。そして、それを九尾が飲みだす。

んぐっ、、んぐっ、、んぐっ、、

ブハッ、、、、ハァ、、

『やはり今年は少しばかり少ないな』

「申し訳ございません」

大祓 巫は深々と九尾にお辞儀をする。

僕はなんのこっちゃ分からなくて黙ってることしかできない。

『おいお主こっちに来い』

僕は正座をしている九尾の方に歩いていく。


スパッ


ん?スパッ?

首にピリッと痛みが走ったので触ると、ぬるっとした。

ペンキ?

見ると、手には大量のしかも、ペンキかと思うほどの真っ赤な血でおおわれていた。無理やり眼球を首元に向けると僕の首からプシャーーーと鮮やかな綺麗な血が噴水のように噴き出していた。

九尾を見るとギラリと鈍く月のように光る()()()を持っていた。


うわああああぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああっっっっ!!???!!!!???!!!??!??!??!!!????!?!!!!!!???!


はぁ、、、っ、、!はぁ、、、っ、、!はぁ、、、っ、、!はぁ、、、っ、、!

息がくるしい!何故?切られた!血!痛い!刀!?血が!?止まらない!はぁ!?訳が分からない!何のために?ふざけやがって!クソッ!なんでこんなことになった!!


死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない


膝から崩れ落ち這いつくばり僕は真っ白な部屋に真っ赤な血をまき散らしながら力を全て振り絞り九尾から逃げようとする。

『おい!』

刀を持った九尾がズンズンと僕に近づく。

「ヒイィィィイッッ!!!!近づくなぁぁ!!」

ヌルンッ

自分の血で足を滑らせてしまい僕は九尾に捕まってしまった。

九尾がガッと僕の胸ぐらをつかむ。

『治ることを!血が止まることを考えるのじゃ!』


何を言ってるんだ?、、、、ぼやけてる?、、、動きすぎたか、、、、あぁ、、、、意識が遠のいていく、、、、あれ?おじいちゃんが見えるんだけど?ん?バッテン印?


『おい!起きるのじゃ!』

九尾は僕のことを抱え、ガクガクと揺さぶる。

「あぁ、、」

もう眼は光すら見えない。声も血のせいでかすれて出ない。体もいつもより冷たくなって動かない。しかし、耳だけは微かに聞こえる。

そういえば何かの本で死んでも数分間は耳が聞こえるって言ってたな、あれってホントだったんだ。

『創造しろ!治癒する創造だっ!』

創造?治癒?血が止まる。切っといて何言ってんだ。あぁ、、、でも、血が止まったらいいな。

『良し、止まった』

その九尾の言葉を最後に僕の意識はブラウン管テレビのようにブツンッと消えた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あ゛ぁぁあ゛ぁぁ~~~~」

唸りながら目を開けると大祓 巫の顔があった。

!!!??!?!!?!?

その状況を理解するのにはそう時間はかからなかったが、理解した後僕は幸福感と恐怖感が襲てって来た。

どうやら僕は大祓 巫に膝枕をされているようだ。

ファンクラブに殺される!!

いや、もう死んだから大丈夫か。ていうか、天国って良いサービスしてるな。今まで出会った中で一番可愛い人が案内してくれるみたいなオプションなのかな?

「起きましたか」

「うん、まぁ、でも何でこんな状ky、、、」

バッ

「うわぁぁっっむがががが」

大祓 巫は僕の口を手で覆う。

「お静かに」

そうヒソヒソ言った大祓巫が指をさした先には九尾がいた。その九尾はこちらに背を向けて何かを唱えていた。

ちらっと見えた九尾の顔には()()がついていた。

その仮面は顔の上半分を覆っており、色は白で所々に細い赤色の線がヒュイッヒュイッと入っている。

元の九尾の目があった場所はキュッと睨みつけているようで黒く塗りつぶされた模様がついていた。

あれ?どこかで見た気が、、、、、。

「何やっているんだアイツ」

九尾はこちらに向かってくる様子はなかったので、僕もヒソヒソと喋る。

「結界の再形成です」

そんなことしたら隙突かれて、入られるんじゃ、、、

バッ

ハッと気づいて首に手を当てるが血は出ていなかったし、しかも、傷も傷跡も無かった。

「大丈夫ですよ。ここは虚の間ですから」

まぁた知らない単語言ってくる~~。

「虚の間って?」

「虚の間とは、全結界に存在し、創造で形成されている空間のことです。だから、切られた傷も治っているでしょう?それは、あなたが傷が治ることを望み、それを創造したからなのです」

へーなるほど、、、ってなるかぁっ!と昔の僕なら言ってましたぁ今の僕は昨日と今日で今までのすべて否定されてしまったので何も驚かないですよ。

「じゃあ、創造したの何でも出てくるの?」

「基本そうですが、できるだけやめてください」

マジか!アイアンマンもできるのか?じゃあ、アイアンマンになりたいわ~~

「ん?何も変わんなくない?」

ウィーーーン

「なんですかそれは」

「え?何が?」

僕は自分の体を見てみると映画で見た憧れのアイアンマンになっていた。

「マジか!!」

つい、声を出して驚いてしまった。

「うっ」

視界がくらんだ後、僕は足は正座のまま上半身だけ後ろに倒れる。

こんな芸術作品なかったっけ?

ゴガン

鈍い音が虚の間に響いた。

「早くそれ解いたほうがいいですよ」

大祓 巫は九尾の方を見たまま淡々と僕に言う。

「頭がくらくらするのだが?」

大祓 巫を見上げながら僕は問う。

「あなたの妖力は今ほぼゼロです」

アイアンマンはもういいや。

スウウゥ

アイアンマンが消えていった。

「はぁ、気持ち悪っ」

僕は沖縄修学旅行で乗った船での船酔いを思い出した。

「妖力は気力と同義ですので、使い過ぎには気を付けてください」

そういうのは早く言って欲しかった。

「後、アプリの召喚も三分の一ほど持っていかれるのでこちらも気を付けてください」

それは昨日に言って欲しかったなぁっ!!

『巫!!すぐに出るから結界を張るのじゃ!』

「もう張ってあります」

大祓 巫はそういった後、僕に、こっちです、と自分の後ろに案内した。

僕はまたなんのこっちゃ分からずに言われた通りに大祓 巫の後ろで待機する。

『来るぞ!』

九尾がそう言った瞬間、どす黒い棒から『闇』が飛び出してきてまき散った。その『闇』は棒よりさらにどす黒く、いるだけで他の空間まで染め上げてしまうような黒だ。その『闇』は段々と収束して人のような形に形成されていった。

いかにもという感じだった。

僕の全身が『闇』のことを警戒しろと告げていた。

全身の毛が逆立ち、汗が流れ、手も震え、息も詰まる。

すると『闇』がしゃがれた声でしゃべり始める。


『チョベリバ』


ガックゥゥッ!!

え?

一気に全身の力が抜け、ガクッと車に轢かれたカエルみたいに後ろにべしゃッと倒れる。

『久しぶりに出て、第一声がそれって、ユニークなヤツじゃのぅ』

『闇』の顔の部分に三日月のような満面の笑みが浮かぶ。

そして、『闇』がこちらを指さし九尾に問う。

『フッ、久しぶりだな九尾よ。それであいつがそれか?』

『そうじゃ』

九尾がそう言い頷く。

『闇』がこちらに歩みを進める。

バチィッ!!

大祓 巫が張った結界に『闇』がぶつかる。その『闇』の身体と思われる部分から灰色の煙が立ち上がる。ジジジジジィィィッッ

今度は指だけを結界にぶつけ、また三日月のような満面の笑みを浮かべる。

『腕が上がったね。お嬢ちゃん。』

「それはどうも」

大祓 巫はギロリと敵意むき出しの鋭い目で『闇』を睨みつける。

『少年よ』

、、、、え?僕!?

『闇』は僕を指名しているようだ。

『今じゃこんな姿で礼もできないが、我が主を頼むぞ』

『闇』がこちらをジィ~~っと見てくる。

「我が主って、、、」

『おい!もう終わらせるぞ』

おい!聞きたいことがあったのだが!?

『じゃあ、いつものをくれ』

『闇』がそう言うと、仮面をした九尾が僕を切る前に大祓 巫から受け取ったとっくりをドンと『闇』の前に置く。それを『闇』が包む。

『ううぅぅうぅぅぅ!!』

『闇』を取り巻く黒い煙が増幅し、『闇』の姿はさらに人型に近づき、禍々しさが一層色濃く増す。

『おい、九尾。いつものと違うな、何を入れた』

『アイツの血じゃ』

『、、、、ふむ』

『闇』が天を仰ぎ、こちらをちらりと見て納得したそぶりを見せる。

『ほら、もういいじゃろ!』

『そうだな』

そう言った『闇』は棒の前に座った。

その後、九尾は何やら唱え始める。二、三分かかった後、煙が棒に吸い込まれ、『闇』も薄くなった時、『闇』は僕をまっすぐ見て、深くお辞儀をした後、棒にシュッと吸い込まれ、消えていった。

少しの戸惑いと寂しさが僕の心の奥に残った。

『フッ、、、、、、、ハァァァァ』

汗だくの九尾はドッと真っ白い地面に座り込み、顔についてた仮面がスゥッと光のほわほわした物に昇華して消えていった。

「お疲れ様です、九尾様」

大祓 巫はそう言い、九尾にタオルを渡す。

それを受け取った九尾は、「ふぅ、怖かった」と、ため息に乗せて吐き出すように力なく言う。

僕は切られたことを思い出し、少し後ずさる。

『どうしたのじゃ?』

九尾はキョトンとした顔をする。

そのキョトン顔が、僕にはわざとらしく思えてしまい、脳裏にあの時の映像と感覚がよみがえってきて、脳の奥がえぐられるような感覚に襲われた。

「お前、俺のこと切ったろ、、、切ったろうがぁ!」

つい声を荒らげてしまった。いや、これは仕方がない。

『いや、お前この部屋のこと知っておるじゃろ?』

何を言っているんだ、こいつは。

「知らん!こんなところに来た覚えはない。そもそもどうやって入るんだよ!こんなとこ!」

九尾は考え込むように目をつむり、目をゆっくりと開くと『チッ』と舌打ちをした。

『あいつらか、、、』

九尾がそう、ぼそりとつぶやいた。

九尾はかしこまって、土下座の一歩手前の形になる。

『申し訳ない。お主の記憶は人間側のワシらのことをよく思わない奴らによって消されておるのじゃ。そのことを全く考慮してなかった。申し訳ない』

九尾が深々と土下座をした。

「人間側?なんだそれ。そんなことありえないし、信じられないし、もしそうなら、何故そんなことする必要がある?全然わからない」

、、、、、、、、いや、、、信じられない?ありえない?それを断言して、概念を固めてしまっていいのか?昨日、概念なんて壊されてきたじゃないか。もし、それが存在しうるのだったら、、、、

「すまない、決めつけは良くなかった。記憶を改ざんしたのは、人間側っていうのは、どんな奴らなんだ?」

僕からそう言われた九尾はさらにまじめな顔になり喋り始める。

『仏道の奴らじゃ。奴らは基本的には融和的な奴らなのじゃが、お決まりの感じで、中にはワシらの事を嫌っている奴らがいるのじゃ。多分そ奴らのせいじゃな』

「多分?」

他にもいるのかよ。

『他に考えられるのは怪異もしくは第三勢力じゃ』

第三勢力って何?って聞きたい気持ちはあるけど話が深くなりすぎちゃう気がするから今日早めておこうかな。

「話の腰を折って申し訳ありませんが、今日のところはここまでにして、お開きということにしませんか?」

さすが完璧美少女!気持でも見透かせれるのか?

九尾はいまだに顔を上げていなかった。

「九尾様、お顔を、、」

大祓 巫は九尾に寄り添って、体を起こすように支えるが

『いや上げられん』

九尾は大祓 巫を振りほどく。

振りほどかれた大祓 巫は僕の元にやってきて小さな声で話し始める。

「九尾様は仁義に厚い方なので、あなた様から許しの言葉を言っていただけませんか?」

「まぁ、それぐらいなら」

まあ、今生きてるし、まじめに謝られたからなんかこっちが申し訳なくなってしまうな。

「九尾もう怒ってないし許したからもう顔上げろ」

『ほんとか?』

九尾は上目遣いで僕を見てくる。

うん、エロいな。

「ああ、ホントだ」

『よしっ!』

ん?

『はぁ、めんどくさかった』

ぷはっと今にもちぎれてしまいそうな餅のように張りつめた空気を一掃するように九尾は溜息を吐く。

「いや、お前反省しろよ!」

九尾は眉を八の字にして非っ常にめんどくさそうな顔で僕にがん飛ばしてくる。

『謝ったじゃろ?』

「いやっ!でもな、、、っ!」

『お主もう怒ってないんじゃろ?しかも、許すともいったぞ』

「ぐっ、、、」

言い返せない、、、、しかし、それにしても礼儀がなってないんじゃないですかね!?

僕と九尾が言い争いを始めるかのように思えたが、

「まぁ、とにかく!早く帰りましょう」

と、大祓 巫は僕と九尾の丁度真ん中にドンッと立ちふさがり、僕たちは吹き飛ばされた。

はい?

一話の吹き飛ばされるシーン

「ぐえっ!」

ってデジャブ!?いやそれよりも!こんな力、憑りつかれた時しか出せないんじゃ?いや、、、、元の力?

「申し訳ございません。お二人の仲の雲行きが怪しかったもので」

『うぬぅぅぅぅ』

唸りながら起きた九尾の巫女服ははだけ崩れていた。

白い球のようなまるで真珠のようなスベスベしてそうで理想の形の胸だなあれを触れるのだったら一生童貞のままでもいいかもしれない。この球体は界の本物ではないでしょうか!?様!?その横にあらせられるのはアニメ等の二次元でしか見れないという伝説の『横乳』!!!そのはるか下の太も(略)

『何見とるのじゃ』

ハッと我に返った僕はつい本音が漏れてしまう。

「初めて見るから見とれていた」

それを言った時、大祓 巫がどんな顔をしていたかなんて僕は知らない。知る由もないし、知りたくもない!!

『お主、やばい奴じゃな』

お前に言われたかねーよ!と言いたかったが当然のごとく今の僕には言えなかった。

その後、無理無理な言い訳でどうにかこうにかその場を収めた。因みに大祓 巫の表情は聞くな?ただでさえ弱っている僕に追い打ちをかけないでほしい。

さらにその後九尾は来た時のように座わって何かを唱え始めるかと思ったら、普通に手でガンッと押し戻し、地面にのめりこませた。

「え!、、、、九尾さん、、、呪文とか唱えないの?」

『んなもん必要ないわ』

「いやあれ結界なんだろ?もっと大切に扱わなきゃダメだろ」

『あ?形がどうであれ使えればいいのじゃ』

雑だな。

『ほら出るぞ』

「そうですね、できるだけ早くお願いします」

九尾が入ってくるとき使用したであろう壁のところまで行き、《我が扉よ開き給へ》と唱えるとまた異様な丸い襖が現れた。

襖の奥には来る時見た森の開けた場所が見えた。九尾がまず最初に出て大祓 巫が二番手に最後に僕が出た。

外の空気を吸えた時はやっと生きた心地がした。

『ふいぃ~~~!!』

九尾はそう唸りながら新体操でよくする伸びをする。

『はぁ~~疲れたっ!お主明日には大量のスイーツを用意するのじゃ!』

さっき切った人に言うセリフではなかった。

「まぁ、しかたないな。明日は無理かもしれないけど明後日とかだったら良いぞ」

『ワシはいつ持ってこいと言ったかのぉ?』

(# ゜Д゜)!!からしシュウクリームの刑だな。

「そう言えば、あの『闇』何なの?」

『そういえば』の質問だった。

『今この地に強い奴が封印されっておってそれのシモベじゃ』

へ~~、ん?

「いやちょっと待てよ。」

『なんじゃ!お前多くないか?質問が!』

九尾が嫌そうでめんどくさそうなまるで周りに虫が飛んでいるのかのような顔をする。

「好奇心旺盛と言ってくれ。まぁ、そんなことはどうでもよくて。普通シモベだったら、主を助けないか?」

それが普通だよな?しかも、九尾がさっきシモベって言った。つまり、シモベって周りからそう思われてるぐらいだから、相当なシモベらしさのなのだろう。そう仮定したら、従順なシモベてことだ。てことは、封印されている主さんを助けるだろう?あ!!『闇』がさっき主を頼むって言ってたな、、、

ゴクリ、、、

緊張で唾をのんで音を立ててみたが、別によろしくしなければいいわけだからもしそうなってもよくね?無駄な心配だったな。

『あぁぁ~~~それはの~~』

また大祓 巫が間に入って僕と九尾の話を制止する。今度は吹っ飛ばされないようだ。

「早く帰りましょう。貴方は思いふけってみてください。今みたいな感じで考えっていったら答えにたどり着くかもしれません」

だから、大祓は心が見れるのか!?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの後、僕たちは元来た道を戻り、来た時よりも疲れが押し寄せてきたが僕は自分に「あと少し!あと少し!」と、勉強の時にやっている刷り込みを使い何とか山を抜け、当の夜の街の風景を楽しむという目的を忘れ九尾から『遅いぞ!』と言われ大祓 巫からは無言の圧力を受け、足元を眺めながらとぼとぼと街を歩き、何とか僕の家の前にたどり着いた。

『明日までにスイーツ用意しとくのじゃぞ』

「九尾様が申し訳ありませんでした」

「はぁ、、、慣れたからもういいよ」

人間の順応力って凄いね!

この時の思考はなぜかハイテンションだった。

「ではおやすみなさい」

大祓 巫がお辞儀をするのを背にして、自宅の玄関に向かう。

ガチャ!

へ?

扉が僕に向かって猛スピードでタックルしてくる。

ゴッ

辺りに鈍い音が響く。

くらくらする。刀で切られた時よりめまいが、、、強い、、、な

「ん?なんだ?、、、弟か」

扉からお姉ちゃんがひょっこりと顔を出してそういう。

「いけないね~~、夜更かしして巫女っちゃんと狐っ娘夜の散歩かい?」

「いや、ま」

お姉ちゃん今何て言った?

ガクッ

やっぱり、異世界物が人気なんですかね?

異世界物書こっかな、、、

明日も投稿するから見てね!!!

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