P2.とりあえず説明される
説明回ですけど読んで頂けると有難いですm(_ _)m
周囲を見渡すと俺たちだけでなく他のクラスの奴らや上級生、下級生まで存在していた。
それに何故だか自分の左上の方に自分の名前、そして青と赤のバーみたいなのが映り込んでいる。
右下には<残:576>という文字も見える………何なんだ?
「さてみんないるかな~?」
だだっ広い草原に立っている俺たちの顔を眺めた後、ギューイはさらに喋りだした。
「じゃあこの世界で超超大事な事を言うからよく聞いてね?
まずこの世界の名前は『JOG』。
この僕が一から作り上げた世界だよっ。
どう?すごいでしょ?
………ま、そんなの関係ないか。
この世界で君達には上を目指してもらうよ」
指で空を指してギューイはそう口にした。
…………上?
「ちょっと待ってくれ」
「何だい?之春君」
「上を目指すってどういう事だ?
空でも飛べって言うのか?」
「さあね~。
それを教えてあげる程ボクはお人好しじゃないんだよなぁ」
何て野郎だ、神様じゃないのかよ。
怪訝な顔をしている俺を無視してギューイはさらに続ける。
「大事な話はまだまだ続くからね~。
この世界での言語は君たちに合わせて日本語になってるし、お金の単位も円に揃えてあるんだ!!
ボクってホント良心的だよね~。
そしてこれが一番大事な話だよっ」
ギューイはいつの間にか手にしていたカードの束を空中に放り投げた。
するとカード一つ一つが瞬き始め、全員に1枚ずつ行き渡るように飛んで行く。
多くの者がこの現象に全く脳が追いついておらず、目の前で空中に浮遊するカードを取れずに立ち往生しているみたいだ。
「さあみんな、カードは行き届いたかな?
それはこの世界で君たちが生きていくのに不可欠な物、いわゆる『異能』ってやつだね!!
とりあえずそれを自分の体内に取り込んでみようか!
額にそのカードを押し当ててみてね~」
ギューイの指示に従っている者は3割程だろうか。
俺は1度試してみて何も無かったと分かっているので、少しばかり安心して行動に移せた。
俺が手にしたカードに書かれていた文字は『集中』。
この文字に何の意味があるのかは全く分からないが、とりあえず体内に取り込む。
─────何だこれ!?名前とバーが見えるんだけど!!
「なあ之春、お前もあれ見えてるのか?」
「ああ、見えてるぞ。
翔も取り込んだのか?」
「一応な。お前がさっき取り込んで無事だったのは見ていたからな」
周囲が一層騒がしくなる。
話や反応を見ている限り、このカードを取り込むと左上と右下に例のものが映るようになるらしい。
俺は先に『死神』のカードを取り込んでいたから映っていたのだろう。
「うーん、疑り深い人が多いけどまあいっか~。
それを取り込んでないと危険な目に合うのは君達自身だからね~?
さてそれじゃあ、色々な能力の説明を始めるよ。
まずステータスを開こうか。頭の中で『ステータス開け』って念じてみるといいよ」
「…………おわっ、何だよこれ」
言われたように念じてみると、目の前に文字が羅列し始める。
そして、以下の様に書かれていた。
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荒井之春
Lv:1
攻撃力:I3
防御力:I3
知力 :I3
俊敏 :I3
運 :I3
異能:死神Lv1、集中Lv1
特性:なし
スキル:死霊Lv0
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「じゃあ順に説明するね~。
まずレベルってのは総合的な君達の強さ。これは特に説明はいらないかな?
君達がモンスターを狩れば狩るだけ経験値ってのが蓄積されて一定値まで溜まればレベルアップ!!ってだけだからね。
次に攻撃力、防御力、知力、俊敏、運についてだね。
横に書かれているのがそれに対しての君達の評価だよ。
評価はS,A,B,C,D,E,F,G,H,Iの10段階あって、今言った順に強さとして下がっていくと思ってね。
そしてその評価の中でも1から3までの3段階に分かれててね、数字が小さい方が優秀って感じかな。
次に異能だね。
とりあえず自分の異能の名称を念じてみて?」
言われたように『死神』と念じると、ステータスを表していた文字が一瞬で消えて代わりに新たな文字が出現する。
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『死神』
対人において圧倒的な強さを誇り、暗殺者の上位互換となる異能。
隠密、即死攻撃、状態異常など対象の生命を脅かすスキルを習得できる。
Lv1:スキル『死神』を習得
LV2:特性『状態異常攻撃強化』を習得
Lv3:特性『確率攻撃が全て100%に修正』を習得
Lv4:特性『物理、魔法攻撃耐性100%上昇』を習得
Lv5:特性『全攻撃が会心攻撃』を習得
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俺の隣では翔が多分自分の異能を見て驚いていたのだが、翔の異能が何かは見る事が出来なかった。
それに、俺は自分の異能を見て冷汗が出た。
名称を聞いた時点で怪しかったが、まさに「人殺し」専門の異能である。
「さて見たかな?
………ああ、先に行っておくと文字を閉じたかったら『閉じろ』って念じればOKだからね~。
異能にもレべルがあってね、これに関しては君達の成長に合わせてレベルアップするから、ただがむしゃらに頑張ればいいって訳じゃないからね~。
あと、異能はボクが与える能力だって事を覚えておいてね。
じゃあ特性についての説明するよ。
特性は常時発動していて、君達の行動に影響を与えるよ。
これ以上の説明は無いかなぁ。
最後にスキルの説明だね。
これはスキル名を念じてもらえると分かるかな、念じてみて」
言われるがままに念じると、また別の文字が浮かび上がってくる。
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スキル:死霊
Lv0:インビジブル
Lv2:???
Lv4:???
Lv6:???
Lv8:???
Lv10:???
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「見れたかな?
最初だから全員レベル0からのスタートになってると思うんだけど、レベルが2つ上がるごとに新しい技が使えることになるからね~。
最高レベルは10、つまり1つのスキルで手に入る技は6つって訳さ。
技名はしっかり覚えておこうね、技名を念じるか声に出すと使えるようになるからね」
ふぅ、とため息をつくギューイ。喋り疲れたんだな。
周囲を軽く見渡すと半数以上は真面目に聞いていて、残りはこの現状を受け入れられずに塞ぎ込んでいるか放心状態かのどちらかである。
しかし、そんな事などお構いなしなのがこの神だ。
「………よし、あと少しだからみんなしっかり聞いててね!!」
<残:576>