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アナタは、誰?
あの日見つけた少女は
笑うことを知らなかった。
笑うことなく、ただ一点を見つめ続けていた。
あの日見つけた少女は
泣くことを知らなかった。
目をさまよわせ、ただ笑い続けていた。
この“正反対”な二人の少女は“同じ”だった。
その目には何も写していなかった。
本当の喜びを忘れていた。
無でいることでしか──
笑うことでしか──
“感情を失くすことでしか”──
──自分の守り方を知らなかった。
「ああ……そうか……」
私は気づく。
この二人の少女は同一人物であることを。
そして……
「──“私”だ」
そして、その“一人”の少女が──
──“自分自身”であることを。
『──やっと、気づいてくれた』