第七話「愉快なクラス3」
次の人、白のニット帽を被った黒髪で三白眼の人は座ったまま喋りだした
「俺ァ、諏訪 千尋だ。テメェ等の知ってる通り魔女殺しの罪があンぜ。よろしくなァ」
知らんがな
ギラつく目でクラスを見回すニット帽からは敵意を感じた
俺っ娘もノーサンキューだね
鼻をならしてニット帽は席に着いた
「ひぅ、魔女殺しですかぁ」
驚くほどの静寂、濃いめのクラスメイトは何のリアクションも取らなかった
しかし、表情はそれぞれ違う困惑、嫌悪、愉悦
魔女殺しがなんなのか大体察すことは出来るが私の知ったことではない
先生だけ涙目で震えていた
「では、私のターンだね」
次に立ったのは深い緑の長い髪に赤い縁の眼鏡をかけた白衣の人だった
「湯川 楓だ。まぁ、多く語ることはない。その目で見て私を知るといい」
クールな科学者のような印象を持った以上
「それと後ろにいるクレハは飛ばしてくれ。これは私が作ったロボであり生徒ではないからな」
水色の髪の女の子が軽くお辞儀をする
……ロボ?
「時間がぁ、少ないのでぇ巻いていきましょう」
はい、催促頂きました
フフフと笑いながらバンと机を叩いて立ち上がる幼児体型の金糸雀色のツインテール
ゴスロリっ子よりは身長高いね
だが、チビだ幼女だ
腕を限界まで上げて人指し指を立てチビッコは言う
「皆、注目しなさい!刮目しなさい!スーパーアイドル三浦 茜よ!貴女達を茜のファンにしてあげるわ感謝しなさい!」
今月出たラノベが面白くて読みのが止められない止まらない
あら?自己紹介終わったの?
静かになって机を漁り始めたかと思うと自称アイドルは机の中からマイクを取り出した
「特別にここで一曲歌ってあげるわ!ファンサービスってやつね!上げていくわよー!」
まさかここでの裏切りだと!?ヒロインの命運はいかに!主人公は間に合うのか!
ラノベ読んでますが何か?
どうやら歌い終わったようで机の中から出したミネラルウォーターを豪快に飲み干しプハァとか言ってる
「ふぅ……調子出てきたわ!次、行くわよ!」
おい、そろそろやめておけよ
ガンナーさんが拳銃の安全装置外したよ
気付かない自称アイドルに先生がフォローに入る
「素敵な歌でしたけどぉ、今日はぁ時間がありませんからぁ、また今度にぃしましょうねぇ?」
考えを巡らしているのかステップを刻み始めた自称アイドル
これが中々に上手い
だが、ここでノーと答えようものなら拳銃が火を吹くだろう
「なら、仕方ないわね」
不承不承と自称アイドルは席に着く
なんか割烹着と同じだわ
次の人はデカい人と同じでまともそうだ
制服はきっちりしていて黒色の髪は姫カットというやつになっていた
要はおかっぱ
「お初にお目にかかります自分は大友 真弓と申します。お見知りおきを」
丁寧な物腰で真面目そうな人だった
腰のベルトに刀を挿してるとか気にしてはいけない
「では、姫様、お願いします」
大友は体ごと後ろを向き後ろの席の少女の手を取る
……姫様?
「うん、わかった」
大友と入れ替わりで立ったのは鉄紺色の髪を三つ編みにしている可愛い少女
緊張しているのかぎこちない動きをしている
「わ、私、一条 未来って言いましゅ!あぅ、噛んじゃった」
しゅんとする三つ編み
「姫様は少々人見知りなもので普段はもっとしっかりなさっているのですよ」
すかさずフォローを入れる大友
まさに従者
「あぁ、貴女がぁ一条家のぉ……」
何?一条って有名なの?どこかの神社?
「次は私ですね」
もう天使もとい立花さんまで回ってきたようだ
「立花 愛華です。愛華って呼んでくださいねマキナちゃん」
くるっと、こちらに振り返り微笑む立花さん
すごく可愛いです
やや長い前髪で目元が隠れてるのがまた可愛い
計算してやっているなら妹以上の策士ね
「仰せのままに」
はっ、しまった
思わず忠誠を誓い姫君の手にキスをするところだった
「ほぅ、自分と同じ気を感じた」
小声で何言いってんの従者?ばっちり聞こえてるよ
私、別に付き人とかなりたくないし、妹に媚うってるアイツ等とは違うし
でも、ここは立花さんを名前で呼ぶべきだと思うの
期待のこもった目で見てるもん
立花様が見てる!だもん
「あ、愛華」
照れるなんて私のキャラじゃない
さっきのはまたまたである
何度だって言うぜ
だから俺は、ここに来た
それは、誰にも否定させねぇ!
あ、これ使う場面間違えた
法螺田さん倒すときのだったわ
「うん、次はマキナちゃんの番だよ」
満足そうに頷いて私のターンを宣告する女神もとい愛華
立ち上がると私は注目を一身に浴びるのを感じる
まぁ、それはどうでもいいわ
「私は島津 魔鬼菜よ。趣味は読書、特技はなくて、好きなのは妹ってところね。質問は受け付けていませんのでよろしく」
私を最後に自己紹介Gクラス総勢16人(欠席を除く)の自己紹介が終わった
※※※
「…………。私、気付いてもらえなかったっす」
栗色の目、紅紫色のセミショートの生徒が誰にも気付かれず魔鬼菜の後ろの席で立ちつくしていた
彼女はついぞ誰にも気づかれることはなかった
読んでいただきありがとうございます!
魔鬼菜「魔鬼菜と」
愛香「愛香の」
二人「「裏劇場コーナー」」
魔鬼菜「やった!やったよ!やっと自己紹介が終わったよ!」
愛華「これで物語が進めますね!」
魔鬼菜「一作品目でキャラの出しすぎはキツいことを忘れていた作者のせいでこの様だよ」
愛華「まぁまぁ、まだ約20人程度しか出てないんですから」
魔鬼菜「キャラががが」
愛華「Gクラスはぴったり20人+αでクレハさんですね」
魔鬼菜「それら全員分のストーリーを用意とか頭大丈夫かな作者?」
愛華「手遅れじゃないですか?」
魔鬼菜「あれ?愛華が辛辣だ!」