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第一話「私、名前、嫌い」

はいはーい!天の邪鬼でーす!百合に挑戦という無謀な試みをする天の邪鬼でーす!

恋愛モノ苦手なんでソフトな百合しか書けないと思われ……プロットないから気分で変わるかな!

それはそれとして

「魔女達の百合事情」スタートでーす!








島津 魔鬼菜は自分の名前が嫌いだ

なんだよ魔鬼菜って

魔じゃなくて真とかにしろよ

鬼じゃなくて季とかにしろよ

菜はいい許そう

名付け親の祖母が嫌いだ

なんでこんなおかしい名前にしたんだと聞けばサムズアップで「格好いいじゃないか!」とほざきおる

孫の名前で遊ぶなクソババア、と思っても面と向かって言えない

祖母をキレさせると自分が負けるのが世界の理だからだ

一度名付けられたものは諦めるしかないと受け入れた

彼女は青春を謳歌したかというとNOだ

小学生のときは良かった

名前で馬鹿にされることはなかった

馬鹿にされても言ってる側に悪意がないため気付くことはなかった

当時の魔鬼菜は男子に交じって近くの山を駆け回るようなヤンチャガールだった

今、考えるとアグレッシブだったな過去の私

ヤンチャしていたが楽しい小学校生活を送っていたと思う

多少、美化されてるだろうがよくあることだ

問題は女子の知り合いが壊滅的に少なかったことだ

というか、一人もいやしない

歳が近くて会話がある女子はシスコン気味の妹だけだった


中学生になると必然的に孤立した

男子はチェリー……コホン、シャイボーイが多かったのだ

性に目覚めたのか奴等急によそよそしい態度を取り始めた

ウザキモいかったので縁をバッサリと切った

神格武装で割断する感じだ

野郎はウザキモいく仕方ないから女子に交ざろうかと思った

だが、奴等の言っていることが半分以上わからずつるむのを諦めた

興味のないことには労力を一切割かないのが魔鬼菜クオリティー

別に私は友達が欲しい訳ではない

暇を潰すためだけの相手を求めただけだ

どう暇を潰すか悩んでいると妹が本を貸してくれた

小学生にしてラノベ愛読家の妹だった

妹と趣味嗜好が似かよっている私はラノベにどっぷりはまった

気付いた時には中学二年だし、完全にキング・オブ・ぼっちだった

魔鬼菜は思った

「しまった」ではなく「はめられた」と

一年下の妹は中学一年になるまで私に他人が近付かないようにしていたのだ

男子がよそよそしくなったのも妹が原因なんだろう

「私をはめたわねシスコンめ……」とぼやきながらも可愛い妹のすることなので一瞬で許した


本当の問題はここからだ

入学して早々学校のアイドルになった妹は授業以外の時間は私の教室に来てはベッタリとくっついてくるのだ

本人は自覚していないが明るい笑顔、あどけない仕草、くりくりした目、それはもう数え切れないほどの美点があり、ファンクラブとか親衛隊が妹の知らないところで結束するのは避けようのない世界の意思に違いない

その世界一キュートでラブリーな妹が陰険で目立たない地味なぼっち女に頬擦りしているのを見たら嫉妬してしまう気持ちは大いに分かる

敵も味方もいなかった中学年生活は妹により敵だらけになり毎日が戦争となった

妹のいないところで「島津さんって名前、変だよね」とわざと聞こえる嘲笑を上げられたり

「てめぇ、魔鬼菜とか頭おかしい名前で火燐様に近づくんじゃねぇ!」と真正面から家族の縁を切れ的なことを言われたり

「魔鬼菜……ぷっ、失礼」教師に笑われ

「魔鬼菜?この名前ケンカ売ってんのか?おぉ?」と訳がわからない理由で古風なヤンキーに喧嘩を売られたりもした

妹より名前で苦労した記憶が多いな……

ちなみに古風なヤンキーは速攻で肩がついた

素人が物理で私に勝とうとは片腹痛し

こっちは父さんに鍛えられてんのよ

そのヤンキーを皮切りに色んな奴等に喧嘩を売られては返り討ちにして……いつの間にか番長扱いされてたわ

他校の馬鹿達にも喧嘩を売られるようになってたなー

私の悪い噂と名前で馬鹿にされることが凄まじい速度で増えていった

不愉快な中学校生活だった

妹という癒しがなければ発狂していたレベル


まぁ、長い愚痴と現実逃避はこれくらいにしておこう


「で、婆ちゃん、今なんて言ったの?」


意識を現実に引き戻し眼前の老婆、島津 貴乃に問いかける


「聞いてなかったのかい?仕方ないさね。一回しか言わないからよぉくお聞き」


現実逃避するも一回しか言わないと言っていたのだがそれをツッコむのは頭がボケている老人には酷というものだろう

生暖かい視線を注ぐが気付く様子はない


「アンタは今年からレファイン女学園の生徒だよ!」


二回目の言葉に聞き間違えではなかったことが確認出来た

私は祖母の言葉を頭の中でかみ砕き答えを出す


「婆ちゃん今から病院へ行こう。大丈夫、介護師は性格よさそうなのを拉致ってくるから」


悲しみと哀れみを込めて言う


「何言ってんだい。わたしゃあまだまだ現役さね。ボケて言ってるんじゃないよ」


祖母は不満げに顔をしかめる

なんだジョークで言ってたのかー


「だってレファイン女学園だよ?婆ちゃんが理事長だからって一般人の私が入れる訳ないじゃん」


レファイン女学園、それは普通の人間が通う学校ではない

特別な力を持った人間ではないと入学出来ないのだ


「うん?雪菜から聞いてないのかい?」


祖母が話の食い違いに気付いて首を傾げる

老婆がやっても可愛くない

妹がやったときは悶えるほど可愛いのに……


「母さんがどうしたの?」


雪菜とは私の母であり、祖母の実の娘である

肌が病的にまで白かったので雪菜という名前にしたそうだ

その時の祖母はまだまともな思考回路をしていたのだろう

ではなければ魔鬼菜とかハイダメージな名前を付けるはずがない!

火燐は私の二の舞にならないよう両親が名付けた


母さん、父さん、なんで私のとき止めてくれなかったの……?


「やっぱり雪菜に何も聞かされてないみたいだね……」


私の様子を見て納得したと頷く祖母


「なら、ここで教えておくとするさ。魔鬼菜、あんたから『魔法』の適性が見付かったんだよ」


「はっ?」


怪訝な表情をする私に祖母は一枚の紙をつき出す

私はそれを受け取りゆっくり読む


『島津 魔鬼菜に魔法の適性が確認されました☆』と書かれているのを見て、私は空を仰ぎ、大きく息を吸い


「ええええええーーっ!!?」


私の人生最大の叫びだった





読んでいただきありがとうございます!




一話目どうでしたか?

百合がない?

いやいや何をおっしゃいますか

ちゃんとあったでしょう

妹がいたでしょう

まぁ、妹はヒロインじゃありませんがね

魔鬼菜の見た目が本編で紹介されることないからと思いここで説明


・島津 魔鬼菜


浅葱色の髪と目

腰まである髪の毛先をシュシュで結んでいる

前髪を三つ編みにし二房前に垂らしている

二重瞼


わかりにくいですかね?

わわりやすく言うとネギ○先生の夕映と似たような見た目です

パクりやないで?





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