27:Plans Ahead
やばいかもです。
はい。
スランプです。
「マザーコンピュータの支配下にない隠れボスはシルブだけじゃなかった……!?」
俺は激しく動揺していた。
全てのボスモンスターはもう既にマザーコンピュータに支配され、唯一抵抗し、プレイヤーに力を与えるために仕掛けを施したシルブ以外、もうNPCを除いて俺達に味方してくれるプログラム意識などないと思っていたからだ。
「因みに言うと、マザコンのやつ、隠しボスを倒したプレイヤーにテイムモンスターとして与える仕様に変えたみたいなんスよ」
「なっ!?」
マザコンという呼び方はおいておく。
だが、一体何故マザーコンピュータはそんなことを……なんて、わかりきっている。
「己のエンターテインメントとして、か」
「そーゆーことッス」
相変わらず、狂ってやがる。
「だが、おかげで攻略の道筋が見えた」
「へえ」
アルビノの少女もとい、エリカが目を細めて笑みを浮かべる。
「私でよければ、その道筋とやらを教えてくれないかしら」
「別に、隠しても得しないからいいぞ」
俺は一瞬間を置き、内容をただ一言で済ます。
「ギルドを作るぞ」
「「「「は?」」」」
当然ながら、全員疑問の声を上げていた。
「いやいや、なんでギルド!?」
シュウヤの声がやたらと鬱陶しかった。
今から説明するってとこだっつーの。
「一つは純粋に攻略ギルドとして攻略に参加するため」
「既存のギルドに入るのじゃだめか?」
覇牙さんの言うことはもっともだ。
だけど、それだけじゃない。
「二つ、隠しボスの存在を知る俺達は、他の隠しボスを探し出して倒すということができる」
「公表しないの?」
クレナさんの問いに振り向くと、エリカと目が合った。
どうでもいいけどこの二人雰囲気が似てるな。
「勿論、公開はする。だけど高い可能性で俺達以外は隠しボスをテイムしてないから、見つけたとしても返り討ちになるだけだ」
「そうか、倒せるほどの力もないと意味がない、か」
覇牙さんがうんうんと納得するように頷く。
「隠しボスをテイムしているプレイヤーはこちらから勧誘しに行く」
「それで、最終的な目的は?」
幾ら「ギルドを作って何をするか」を言っても無駄らしい。
俺は口端が歪むのを押さえられず言い切った。
「隠しボスのテイマーで構成されたギルドで、マザコンをぶっ倒すだけだ」
エリカの口端も上がり、目と目が合った。
「OK、乗ったわ」
「なんか流れからして俺達も参加せざるを得なさそうなんだが」
「まあ、別に反対はしないわ」
「俺も」
「でも俺達隠しボスをテイムしてないよな」
「あとになって考えるしかないでしょ。知ってしまったんだから協力するしかないわ」
しかし、問題がひとつ残っている。
「まずはここから出ないとな」
「「「「あ」」」」
果たしてギルドを作る前にここから出れるのか不安になってきた俺であった。
***
「ハッ!」
ゴツゴツとした石の壁よって成される薄暗い空洞をひたすら突き進む。
もう縛るものは何もない。
「【シルバーソード】!」
「【タイタンハンマー】!」
二筋の銀と金の光が平行に走り、複数のオークがドサドサと倒れていく。
銀色の光は俺の片手剣から、金色の光はエリカの槌から発せられている。
「俺達もしかしていらない?」
「そうみたいね」
「ああ、暇だな」
後ろで3人組が雑談しているのを聞きながら、俺達はただ道を作っていった。
分かれ道では多数決で選択。
モンスタートラップにかかったら懺滅。
因みに金獅子は武器になることができるが、シルブは武器化するためのアビリティがないためアビリティゲインで補っている。
補っているといっても十分強いんだが。
「で、セーブポイントって一体どこら辺にあるんだ?」
『そうだな……でかいドーム型の部屋に出ればセーブポイントがあるはずだが……』
「あれじゃない?」
クレナさんの指差す先。
曲がり角の死角にあったそれは、またもや5mはある鉄製の巨大な扉だった。
本当によく扉を見つける人だな。
「ボスじゃね?」
「開けるまでわからないだろ」
俺達は全員扉に手を沿えた。
素数を数えて落ち着くんだ!
まずはプロットの練り直しから…………
ハハッ、勉強ェ




