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21:Lets Get Ready!

『隠しダンジョン、ねぇ』


ダンジョンから帰還した俺は、部屋に戻ったあとシュウヤにフレンドコールをかけていた。


「ああ、レベルの高いモンスターはいたといえばいたけど、エンカウンター率がかなり低かった。運営側のせめての施しだろう」

『わかった、仲間と一緒にそっち行ってみる』

「え!?仲間いんの!?」

『なんでそんな驚くんだよ!いるよ仲間くらい!』


悲痛の叫びを上げながら、シュウヤは通話を切った。

なんだ、アイツぼっちじゃないのか。

ぼっちだったら思いっきり笑ってやったのに。



さて、と。

まずは今回のダンジョンで得た素材で装備を作るか。


「黒鉄、雷鉄、鉄鋼石、赤鉄……魔石もあるのか」


どうやら魔石は装備に埋め込んだりすると付加効果があるらしい。

その他はランクの高い武器や防具を作れそうなものばかり。


丁度いい、ダンジョン攻略に向けて装備を作るか。


「まずは、防具から」


何事も、命を守ること優先だ。

これ以上プレイヤー達の記憶を失くさせてたまるか。


「黒鉄は……鉄鋼石より固さの数値が高いものか」


これを基盤に作っていこう。


雷鉄は電気属性が着いていて、電導性が高いみたいだが……

そもそもファンタジーゲームで電導性とか必要なのだろうか。


「赤鉄は火属性……ってことは、ら雷も赤鉄も、属性武器を作るために使うものってことか」


いや、属性耐性もあるからほ。防具にも使えるかもしれない。


そうして試作品に作ってみたのが、黒鉄製の鎧3つと、属性耐性の鎧2つである。

黒鉄製の方が基本的のDEF数値が高く、属性耐性は火属性と雷属性に対して耐性数値が高いものだ。


「これで改良を続ければよし、と」


完成した時点で既に午後11時を回っていた。

俺はそのまま自室へ戻ってベッドに倒れ込み、『寝ますか?』と表示されたウィンドウの『はい』を押して意識を閉ざした。






午前6時に起きる様に設定されていた俺は、起きるなりさっそく生産に取り掛かった。


「武具、防具は一先ず置いといて、今は薬を作ってみるか」


幸い、マナ草などの薬草はインベントリに沢山ある。

魔石も使えないだろうか。



考察に入り浸っていると、ドアをノックする音が背後から聞こえた。



「お兄ちゃん~?シュウヤさん来たよ~?」


ユウリだ。

どうやら、もうこっちに着いたらしい。


「ああ、待ってろ、今行く」

「なんだナギサさんやっぱり男が――」

「リビアさんふざけたことぬかすとまじで怒るから止めろ」


さん付けが全く意味を成していないのはもはや気にすることでもない。


俺はユウリの後に続き、生活スペースからゴドさんの工房にたどり着いた。


「おっす、しばらくぶり」


そうして煙の引いた工房の扉を開いて入ってきたのは、相も変わらないシュウヤだった。


「おう、新装備作ったから高値で買えや」

「一言目がそれかよ!?」


久しぶりに自分以外のツッコミを聞いた気がする。

ここ数日はリビアさんがいて、俺はいつもツッコミだったからな。


「面白そうな人ね」


シュウヤの後ろからひょこっと現れた少女が、くすくすと笑いながらそう言った。

黒髪、ということはアバターをいじってないのだろう。

身長はユウリより少し上くらいだろうか。

特徴らしい特徴は目がツリ目という点だろうか。


「こいつか?シュウヤの言ってた、世話になったっていう生産職は」


大柄の男が工房に入ってきた。

金髪がライオンのたてがみのように逆立っている。


「確か、リアルでの知り合いだっけか?」

「ああ。こちらこそこのバカが世話になってそうですまないな」

「すんげーアホだぞ」

「方向音痴なのに突っ走っちゃうしねー」

「なるほど、よく分かる」

「納得すんな、そしてさり気なく人のことをアホとか方向音痴と言うな」

「「「ドンマイ」」」

「出会ってまだ数分も経ってないのになんでシンクロしてんだよ!」


通話の時以上の悲痛の叫びを上げていた。

誰が、とは言わないが。







「ども、私は『クレナ』、堅苦しいのは嫌いだから気軽に呼んでね。因みに戦闘では後方から弓でサポートしてるわ」

「オレは『覇牙』、体格に合わせて大剣使いをやっている。まあ気楽に行こうぜ」


先ずはツリ目の少女が、次に大柄の金髪男が自己紹介をした。


「どうも、シュウヤのリアル悪友やってます。ナギサです。主に生産やってます」

「よく言うよ、ギガントゴブリンを倒しやがった癖に……」


小声でシュウヤがそう言った。


シルブがやったんだよ、俺じゃなくて。


『でも黒騎士は私無しで倒せたじゃないか』

「(いや、シルブいなかったら俺役立たずだったんだけど)」


スキルゲインも使えなければ俺はそこらの奴となんら変わりはない。



「さて」


俺はインベントリを開き、新装備を並べた。


「先ずは全員、俺の作った装備買ってけ。作戦はそれからだ」

「まだ言うのかよ!買うけど!」


いよいよパーティでの隠しダンジョン攻略が、幕を開けようとしていた…………のか?

次回、新章スタート。

主にダンジョン攻略で終わりますが。

ダンジョン終わったら日常コメディな攻略を同時進行予定

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