第2章 不明
「燐、今日の天気は?」
〝今日の天気は雨の確立80%です〟
スマートフォンの音声システムというガイド的なものだ。
部屋を出て雨が降っている中、傘をさして夜の街中を歩いてゆく。
夜道でのとゴシックアンドロリータという服は、街中では目立つが、だれも気にする様子がない。
気が付くと雨が止んでいたが、傘をさしたまま街中を進んでゆく。
傘をたたみたいのだが、たたむことができない。
義手が動かないからだ。
現在の義手は腕の神経を使って、動かすシステムでかなり高額なので、政府が8割加担するとし申請が行えるが私も申請したが却下された。
「住民に喜ばれる生活」を公約をした政府が、私は憎くて仕方がない、だから私はこんな不自由な生活をしている。というよりは強いられている。
人にぶつかる。とぶつかってきた人が「大丈夫ですか」と、優しい声で話しかけてきた。
……大丈夫です。とあわてて傘で顔を、隠して足早に去ってゆく。
「いい天気だよ、君も光を浴びないか」
「……お人好しね」
「そうかな?伊月さん」
「……なぜ私の名前を?」
「アビス・デット・エンド・ゲームで有名でしょ」
「……そうかもね。手は組まないよ」
足早にその場を、傘で顔を隠しながら立ち去ってゆくと、銃声が街中に響いた。
ギャング。とお人好しの男は、伏せてそう言った。
ハルは「大丈夫、この付近では日常茶飯事だ」と、動じずいった。
「あなたの名前は?」
「大河将だ」
「では大河。これを持っていろ」
傘を落として、メモリーカードを投げる。
「持っておけ、大河きっと役立つ」
傘を拾い上げて、その場を立ち去る。