第1章 急激
パソコンの前に立ちヘッドフォンを片手で装着する。
そして――――――。
<加速>
残り6000秒と、タイマーが表示されている。
ここでは現実世界の約100倍に、急激な加速がされる、と同時に身体機能も少しばかりだが、改良される。
加速に耐えれるような強靭な身体に、生身ではない強固な体に。
白いブルーのラインの入った武装。背中には飛行ユニットにはラムジェットエンジンが4つの後退翼。
数個の機雷を、空中に射出する。
音速の領域まで一気に加速する。
ミサイルが飛んでくるが、それを何とかかわしてミサイルを撃破し、左脚の武器パレットから剣を出し黒い物体との間を詰めてゆく。
しかし、詰めるときにブースターが攻撃され、破損し真っ逆さまに墜落する。
「燐復旧を」
〝承知〟と耳元のヘッドフォンから声が聞こえる。
目の前には両手にガトリングを持つ、棺の形をした格納ポッド背中に装備している黒い敵。そして、その敵は剣を装備した。
〝システム復帰。2つのエンジンで現在加速率98%で安定しています〟
「仕方ない燐。速射砲リロード」
〝承知、右手変更します〟
右手の機関銃が背中にしまわれて、巨大な砲身が肩の横から出てきて換装する。
構えて狙いを定めると、黒い敵が引き上げてゆく。
〝逃げたようです〟
「わかってるわ」
リンクアウト。と構えた武器を下していった。
そうするとパソコンの前に、戻される。
私の名前は〝伊月ハル〟。
もとは、学生であった。ある日テロ行為に巻き込まれたことにより視力の低下、今では左目はかろうじで見えている。さらに利き腕の右腕を失い現在は義手生活。
不自由だが、申請を出しても政府は何も対応してくれない。というか、税金の税率上昇なんてやったからたまげたものだ、政府が公約として掲げている「住民に喜ばれる生活」に反しているが、政府は何もしようとしない。
時計を見ると〝2018年4月5日00:00:00〟となっていたので、散歩ついでにネタを仕入れるために、外に出ることにした。
黒髪をカチューシャで止めて、ゴシックロリータという今の時代では普通となった服装に着替え、手首に端末を付けて街に行くことにした。
この端末にはさまざまな機能がある。