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218話 洞窟で④

 俺たちは早速の出発になる。

 一応、各拠点内での引き継ぎ等も考えて1時間後に集合として解散した。



 カセ達にも留守番を頼んだ。今回は車系は通れそうもない道を行くらしい。

 もしも道路を移動の際は都度呼びに来るので、今回は出来るだけトマコ本部に居てくれるよう頼んだ。


 キヨカが無口になっていた。……機嫌悪い?留守番の時のマルクみたいな顔をしていた。

 しかし美人が口を尖らせると可愛くしか見えない。ズルいな。俺が口を尖らせたらオッサンチンピラになってしまう。


 留守番でむくれているマルクにはよく『土産買ってくるからな』と言ってた。

 しかし今回の先に土産屋があるとは思えない。うかつに約束出来ないな。困った。


 キヨカは指にはまったリングをグリグリと触っていた。それを見て思いついた!

 先に土産を渡そう。


 俺はアイテムボックスに検索をかけた。


『死霊の森ダンジョンのボスドロップのアクセサリー』


 剛腕の腕輪[攻撃力アップ]12個

 俊足のアンクレット[攻撃速度アップ]3個

 清らかな息吹のネックレス[浄化]12個

 静かなる眠りを誘うブローチ[スリープ]8個

 穢れなき守りのイヤリング[祝福]21個

 闇を切り裂くリング[アンデッドの攻撃を弾く]3個



 おっ、思ったよりあるな。あっちの世界でパラさん達とダンジョンボスまでよく潜ってたからなぁ。


 そうそう、闇を切り裂くリングはキヨカとマルクに一個ずつ渡した……んだっけか?5個あって残り3個か。

 闇を切り裂くリングに指を当てて詳細を開いた。


【アンデッドの攻撃を弾く、使用回数5回、復活まで24時間必要】


 ん?使用回数5回とあったから使い捨てかと思ったら、1日待てばまた使えるのか。


 確かキヨカの指は空いてなかったんだよな。いや、親指と人差し指は空いていたが、俺は指輪をそこにはめる人のセンスが今ひとつわからない。俺にセンスはわからないがな。

            

 指以外だと、腕輪、足輪、首輪、耳輪、あとブローチか。

 キヨカはメインがナイトだから、剛腕か俊足が良いのだろうが、今はゾンビの脅威中だ。


 となると、浄化のネックレスと守りのイヤリングか。それぞれの詳細を見た。


清らかな息吹のネックレス

 【アンデッドを浄化する、対象1名、使用回数5回、復活まで24時間必要】


穢れなき守りのイヤリング

 【味方に祝福を与える、対象1名、使用回数5回、復活まで24時間必要】



 うぅむ、思ったよりショボイな。

 つまりネックレスの方は『ターンアンデッド』のようなものか?で、イヤリングの方が『ブレスドアーマー』みたいなもんか。

 しかも5回しか使えない。


 まぁでもウィズ以外には有効なドロップなのか。パラさんがやたらとダンジョンボスに誘ってきたのは、ドロップを集めていたのかな。

 使用回数終わったら他のにチェンジして使いまくれるように、数を集めていたのかもしれん。


 今更だが、俺ももっとしっかりダンジョンに通えば良かったな。自分には必要ないドロップだったからあまり真剣にならなかった。今となってはもう入手出来ないのが残念だ。


 入手出来ないよな?シェルターはダンジョンでは無かったし、ボス部屋もなかった。ゾンビを燃やしてもドロップは落ちなかったしな。



 さてどうする。キヨカもナイトだしな。無いよりは5回でもいいよな。本人に選ばせるか。



「キヨカ、今回の旅で土産は買えそうにないから持ってる中から先に渡そうと思うんだが……」



 そこまで言った瞬間、キヨカ以外…マルクとカセナラクマがぎゅっと集まってきた。近い、君ら、近いよ?

 キヨカの目はキラリと輝いていた。



「あー、期待させてスマンが大したもんじゃないんだ。首輪と耳輪、どっちがいい?因みに効果は……」



 さっき見た効果を話した。


「あ、でも耳輪は味方にかける、だから自分にはかけらんないのか」



 俺は現物を出した。それらを手に取ってキヨカは悩んでいる。



「ナイトとして前衛で戦うなら、効果としては祝福よりは浄化ですね。あの、こちらのネックレスをいただきたいと思います」


「そっか、ほい」



 俺はネックレスをキヨカの手に渡した。キヨカは少しガッカリしていた。

 そうだよな、大した効果じゃないからな。(注:首にかけれもらえると思ってたのに手渡された事を残念に思うキヨカにカオは気がつかない)


 その直後、マルクとカセナラクマが俺に抱きついてきた。なんだよ!



「おとーさーん、僕も欲しいぃぃ」

「お父さん、僕もほしいです」

「父ちゃん僕にもちょーだい」

「パパ、僕にもくださいぃ」


「マルクは一緒に行くんだからお土産はいらんだろ、それに魔法で持ってるだろ」


「ブレスドは持ってるけど浄化は無いもん」


「そうだったか?じゃあネックレスだな」



 ネックレスをマルクに渡した。



「そして、カセナラクマ3人! 俺にはそんなにデカい息子はいない」



 とは言え留守を任せるのに、何かの助けになるかもしれないと思い、イヤリング(祝福)を渡した。

 渡したが、ガッシリ系男子の耳にぷらりとイヤリング……、なんか違和感あるなぁ。


 まぁファッションとしてではなく、対アンデッド用のアクセサリーだからな。


「復活に24時間かかるみたいだから、俺たち時間差で使おうぜ」


「そうだな、いざとなった時に全員のイヤリングがカラだとマズイからな」


「カオさん、使っていいですよね?」


「おう、使って色々と検証してみてくれ」



 そして時間になったので大雪山の本部へと飛んだ。

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