1話 前作のあらすじ
この作品は前作、『俺得?仕事中に転移した世界はゲームの魔法使えるし?アイテムボックスあるし?何この世界、俺得なんですが!』の、その後に当たる話になります。
前作は、主人公のカオ(鹿野 香)が異世界へ飛ばされて、仲間達とその世界に馴染んで行く話でした。
今作は、異世界10年目で現世(地球)へ戻れる事になった仲間たちとの話です。
『俺得』を読んだ事がない方や、読んだけれど記憶の彼方で思い出せない方へ、サラッと前作のあらすじを説明させていただきます。
(前作200話くらいあるから読み直すの大変、うんうん)
※前作のネタバレを含みます。もし前作を読む予定の方はここから下は読まずに飛ばしてください。
----あらすじ----
主人公は鹿野 香49歳、男性、未婚。
やまと商事という大手商社の本社ビル22階で派遣事務として働いていた。
そんなある日、仕事中に突然意識を失い、目を覚ましたら異世界だった。
香は職場のフロア22階ごと異世界に飛ばされたのだ。
もちろんそこで働いていた101人の社員と共に。
驚くのはそれだけではなかった。
なんと、香が元いた世界で以前にやっていたオンラインゲームの魔法やアイテムボックスが使えたのだ。
101人の社員の殆ど(数人を除き)がゲーム未経験者だったため、彼らには厳しい現実が待ち構えていた。
香は冒険者ギルドで登録をして(お約束?)、何とか異世界で生きていく足場を作っていく。
だが平穏な日常を掴むまでに事件は起こり続ける。
現世の職場でも働かずにのんべんだらりと生きていたお局社員達が香の借家に押しかけたり、ゴブリン氾濫が起こったり、開拓村へ行ったはずの社員達が村から脱走したり。
地球(日本)での人間関係とはキッパリさよならしたはずの香だったが、気持ちは複雑で中々割り切れず巻き込まれていくのであった。
巻き込まれつつも、香にとってはラッキーな発見もあり、店舗付きの家を購入する事が出来た。
店舗で『やまと屋』と言う弁当屋を始め、仲間達やこの世界の孤児の子らと漸く落ち着いた日常を送る香。
まったりと日々を満喫と思いきや、森の中に落ちた職場ビルの22階フロアがダンジョンになっちゃったり、アンデッドの氾濫が起きたりでまたしてもてんやわんやと巻き込まれていく。
だがアンデッドの氾濫で王都から来たSランク冒険者達が、実は香が以前やっていたゲームの仲間だった事が発覚。
彼らから聞いた衝撃の話、それはあの日、気を失って異世界へ転移した後に地球は隕石と衝突して人類は滅亡を余儀なくされていたのだ。
日常の忙しさに忙殺されていた香は全く知らなかったのだ。
帰る地球がもう無い事に。
とは言え、地球に未練の無かった香には何の問題もない。
頼りになる仲間たちと、漸く平和な日常を手に入れた。
時は流れ10年が経ったある日、稀人(転移者)達の夢に神が現れて、言うのだった。
『右を選ぶのか、左へ進むのか、決めるのはお前たち自身だ』
どうやら地球は滅亡を免れたようだがそれでも人類が激減するほどの災害が起きたらしい。
『このままこの世界で生きていく』のか、『それとも地球に戻る』のか。
神はその選択をそれぞれに任せた。
猶予は10日。
『残る事』を選んだ香とやまと屋の皆。
この世界で家族を見つける事が叶わず『戻る』選択をしたゲームの仲間達。
それぞれの未来はそれぞれの手の中に。
……と、前作はこんな感じのストーリーです。
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次話(第2話)は、前作の登場人物を少しだけ整理した一覧です。
本編スタートは第3話からになります。