25話:姉さんに結婚条件を突きつける
「は、初恋って……わ、私の事がその……す、好きだったのハル君!?」
鳴海姉さんは顔を真っ赤にしながら酷く動揺をし始めていった。俺はそんな姉さんの慌ててる様子を眺めながら続けてこう言っていった。
「うん、そうだよ。って、姉さん知らなかったの? 俺が小学生くらいの時に姉さんにそんな事を言わなかったっけ?」
「えっ? あ、そ、そういえば確かに……ハル君が小学生くらいの頃に大人になったら結婚しようって言われたような気も……」
俺がそう言っていくと姉さんは昔の事を思い出しながらハッとした表情になっていった。
「ほら、やっぱり俺小学生だった頃にそう言ったよね? というか姉さん、今までその事忘れてたの?」
「い、いや、だってその……それは小学生の頃の話だし、普通は冗談だって思うに決まってるでしょ……?」
「はは、まぁ確かに小学生の頃だったし普通は冗談だって思うに決まってるよね。それじゃあ嘘だって思われたくないから十年近くぶりにもう一度改めて言う事にするね。姉さんさえ良ければさ……俺と結婚しようよ?」
「えっ? あっ……い、いや、でもその……わ、私達って親戚同士だし……そ、そういうのって無理でしょ……」
「? いや俺達は親戚だけど遠縁のいとこ同士だから法律上は全然結婚出来るよ?」
「え? そ、そうなの!? そ、そっか、親戚同士でも結婚って出来るもんなんだね……って、いやいや! でもそもそも私達はだいぶ年齢離れてじゃん!? ハ、ハル君だって結婚するなら私みたいなのよりもっと若い同年代の女の子の方が良いでしょ? だ、だからそういうのは私よりも同世代の子とした方が……」
「いやいや姉さんだってまだ23歳じゃん。年の差なんてたったの6~7歳だけでしょ? 今時それくらいの年の差で付き合ったり結婚したりする人なんて珍しくはないでしょ?」
「うっ……そ、それは……まぁ確かにそうかもだけど……」
「はは、だよね? って事で姉さんにとって悪い事は何もないでしょ? だからさ……姉さんさえ良ければ結婚しようよ?」
俺は姉さんの不安材料になっている事を一つずつ丁寧に反論していき、最後にもう一度改めて結婚しようと言っていった。すると姉さんは顔を思いっきり真っ赤にしながら……。
「うっ……あ、え……え、えっと! そ、その! ま、まずはお友達から始めようよ、ハル君!」
「……へ? お友達?」
「そ、そうそう! そりゃあ私だってハル君とは昔からずっと仲良くしてきた男の子だし、そ、そういう事を言ってくれて本当に嬉しいよ。私もハル君の事は大好きだしさ……」
「そ、そっか。うん、そう言ってくれるのは俺も嬉しいよ」
姉さんは顔を真っ赤にしながら俺の事が大好きだと言ってきてくれた。何だか嬉しい気持ちになってくるな。
「う、うん。でもほら、私、仕事ばっかりでここ数年はハル君とまともに交流出来てなかったでしょ。それでハル君も今の私の事は全然知らないでしょ?」
「それはまぁ確かにそうだね?」
「で、でしょ! だ、だからお互いに今の好きな事とか趣味とか何も知らないでしょ? と、という事でその……これからそういう事をちゃんと知っていくためにまずはお友達になろうよ! そ、それで一緒に遊んだりとかご飯を食べに行ったりとかしようよ! そ、それに……」
姉さんは顔を真っ赤にしながら早口気味にそんな事を言ってきた。そしてそこで一息付いてから最後にこんな事を小さく言ってきた。
「そ、それに……このままハル君と結婚するなんて言ったらハル君のお母さんにぶっ飛ばされそうだしさ……だ、だから一旦お友達という方向で進めていって貰えると私としても非常に助かるというかね……」
姉さんは俺から目線をズラしながらそんな事を言ってきた。まぁ確かに元の世界で考えたら仕事を辞めようとしてる男が親戚のJKと結婚するなんて言ったら絶対に両親にぶっ飛ばされる案件だもんな。
「……ぷはは、まぁ確かにそれは一理あるね。うん、わかったよ。それじゃあまずはお友達から初めていこっか。姉さん」
「う、うん。そ、それじゃあまずはお友達として仲良くしていこうね。そ、それでその……お互いにちゃんと全部知る事が出来たらその……その先も考えるという方針で何卒お願いできればなと……」
「うん、もちろん。あ、そうだ。でも先に言っておくけど、姉さんと結婚するには条件があるからね! それをちゃんと守ってくれなきゃ俺は姉さんと結婚しないからね?」
「え……って、えぇっ!? じょ、条件!? や、やっぱりあれかな……? お金が欲しいとか? ま、まぁそりゃあそうだよね……私みたいなダメダメ女が男子高校生とタダでお付き合い出来るわけないもんね……」
俺は姉さんにとある結婚条件を伝えていこうとしたんだけど、すると途端に姉さんはまた暗い表情をし始めていってしまった。どうやら俺がお金を要求してくると思っているようだ。
「いやいや何言ってるの姉さん。お金なんて要求する訳ないでしょ。俺からの結婚条件はね……これからは早寝早起きを心掛けて毎日しっかりと朝陽を浴びる事! 毎日ぐっすりと眠る事が健康に一番良いからね!」
「……え? 早寝早起き? 朝陽をしっかりと浴びる? そ、そんな事が条件なの? どうして早寝早起きをする事が結婚に繋がるのかよくわからないんだけど……?」
「はは、まぁ確かに変な結婚条件だよね。でも俺はせっかく姉さんと結婚する事になるんだったらさ……それなら姉さんには健康にずっと長生きして貰いたいからね。だから寂しく孤独死するなんて言わずにさ……お互いにお爺ちゃん、お婆ちゃんになるまで健康的に楽しく長生きしていこうよ?」
「え? あ、ハル君……そっか。うん、そうだよね……もしも結婚するんだったら健康的に長生きしなきゃだよね……ふふ、うん、わかったよ。それは約束するよ」
俺の結婚条件の意図を理解してくれた姉さんは優しく微笑みながら約束すると言ってきてくれた。
「それなら良かった。それじゃあ二人で健康的に仲良く長生きしようね。約束だよ」
「うん、わかったよ。ふふ、それじゃあ明日からちゃんと毎日早寝早起きをして朝陽を浴びれるように頑張っていくからね! ハル君!」
「うん、応援してるよ、姉さん!」
こうしてずっと落ち込んでいた姉さんはようやく昔ながらの元気を取り戻していってくれた。
そしてそんな元気を取り戻した姉さんの姿を久々に見れて俺も嬉しい気持ちになっていった。うん、やっぱり……姉さんは明るくて元気な姿が一番だよ。




