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16話:天城さんも何だか大変そうなんだな

 そんな訳でどうやら女子達からの俺の評価はそれなりに高いようだ。まぁそういう評価を貰えるのは普通に嬉しいけどさ。


「なるほどね。でも女子達からそんな評価を貰えてたのは全然知らなかったなぁ」

「えぇ、そうなのよ。それで本題に戻るんだけど、何でアナタは誰とも付き合わないの? 沢山告白されてるんでしょ? ひょっとして彼女とか要らないの?」

「いや、そういうわけじゃないよ。もちろん俺だって彼女はめっちゃ欲しいけどさ」

「へぇ、そうなの? それじゃあ何で女子に告白されたのに付き合わないの?」


 天城さんは俺に向かってそんな事を尋ねて来た。俺が告白されたのに付き合わない理由は、まぁ簡単な話なんだけど……。


「いや、それは何というかさ……まぁもしも付き合うんだったら、やっぱり相手の事をちゃんと信頼出来るような状態じゃないと付き合うのはちょっと難しいかなって思ってさ。だから今の所は全部お断りしてるって感じだよ。やっぱり付き合うんだったら仲の良い友達とかの方が良いなって思ってね」

「ふぅん? 何だかアナタって割と古風というか、一昔前の男子漫画のヒロインみたいな事を考えてるのね?」

「へ? 男子漫画? って、あ、そっか……」


 よく考えたらここは貞操逆転世界だったな。だからあっちの世界で言う少女漫画はこちらの世界だと男子漫画になるって事か。


 そして確かに俺の考え方って少女漫画のヒロインみたいな考え方って言われたら確かにそうかもしれないな。元の現実世界でも友達からそんな事を言われたしさ。


「まぁ確かに俺は男子漫画みたいなのが結構好きなのかもしれないね。でもやっぱりそういう古風な考え方をしてる男子って変な感じがするのかな?」

「そうね。まぁ珍しい感じはするけど……でも別に変って事でもないんじゃない? 私はそういう人の方が誠実な気がして良いと思うしね」

「そっか。やっぱりそうだよね。俺もそっちの方が誠実な感じがして良いと思うんだ。それに仲の良い友達状態からお付き合いに発展させた方が別れない可能性も高くなりそうで良さそうだよね。せっかくお付き合いするんだったらちゃんと結婚まで出来るくらいの間柄になりたいしさ」

「ふぅん、なるほど。アナタって結構先の事まで考えてるのね。でも何だかアナタの話を聞いてるとちょっと思う事があるんだけど……何だかアナタって他の男子とはちょっと違う感じがするのよね。ふふ、もしかしてアナタはこの世界の住人じゃなかったりしてね?」

「え゛っ゛!?」


 天城さんからそんな図星な事を言われて俺はかなりビックリとしてしまった。するとそんなビックリとしている俺の様子を見て天城さんはキョトンとしながらこう言ってきた。


「? どうしたのよ急に? こんなわかりやすい冗談を言っただけなのに、何でそんな慌ててるのよ?」

「え? あ、な、なんだ、冗談か……」

「は、はぁ? そんなの当たり前でしょ? 異世界から人がやって来るなんて非科学的な事があるわけないでしょ? 何を言ってるのよ?」

「あ、あぁ、うん、まぁそうだよね。そんなのいる訳ないよ。あ、あはは……」

「? 何だか変ね? まぁ良いけど。でもアナタのその信念は誠実で良いとは思うけど……でも仲の良い友達にならないとお付き合いに発展しないって結構大変そうよね。まず仲良い男女の友達になる時点で普通にハードルかなり高いでしょ」

「あ、あぁ、うん、そうだよね。確かに今の所は俺にとって仲の良い友達って言えるのは……よく考えたら天城さんくらいだしね」

「ふぅん、そっか。私だけ……って、ふぇっ!?」

「え?」


 俺は慌てたまま天城さんと会話を続けていったんだけど、すると何故か天城さんもビックリとした様子になりながらペンを動かす手が止まっていった。


 でも俺は天城さんがビックリとしてる理由がわからなかったので、俺はそのまま天城さんにこう尋ねていった。


「ん? どうしたの天城さん? そんなビックリとした態度をしちゃってさ? あ、もしかして俺は天城さんと友達だと思ってたけど、でも天城さんは俺の事は友達とは思ってなかったとか?」

「えっ!? い、いや、そんな事ないわよ……!」

「そっか。それなら良かった。はは、休み時間とかほぼいつも一緒に話してるのに天城さんに友達だと思われてなかったらどうしようって一瞬焦っちゃったよ。嫌われてないようで安心したよ」

「い、いや、そ、そんな、アナタの事を嫌ってるとかはないわよ……」

「……?」


 俺が笑いながらそんな事を言っていくと天城さんは顔を赤くしながら口をモゴモゴとさせていっていた。一体何かあったのかな?


「えっと、どうかしたの? 何だか顔めっちゃ赤くなってるんだけど? 熱でもあるとか?」

「え……って、えっ!? 顔が赤いっ!? い、いや、熱なんて無いわよ! だ、だから全然気にしないで良いわよ!」

「そ、そうなの? まぁ天城さんがそう言うのなら別に良いんだけど……って、あ、そうだ。そういえば話がガラリと変わるんだけどさ……駅前に何かオシャレなカフェがあるじゃん? 今度良かったら一緒にあのカフェに行かない?」

「え? カ、カフェ?」

「そうそう。今まで田舎に住んでたからああいうオシャレなカフェとか全然無かったんだ。だから放課後に友達とオシャレなカフェに行くのとかちょっと憧れてたんだよね。という事で良かったら天城さんと一緒にカフェとか行ってみたいなーって思ってさ」


 気を取り直して天城さんに今度カフェでも行かないかと誘ってみた。俺の地元には大手のファーストフード店とかしかなかったので、都会っぽいオシャレなカフェに行くのにちょっと憧れてたんだ。


 という事でそんな駅前にあるオシャレなカフェに友達である天城さんを誘ってみた。だけど……。


「……ごめんなさい。私は放課後は毎日塾があるから……そういうのは行けないわ」

「あぁ、そっか。塾があるんじゃ仕方ないね。それじゃあ塾の勉強も頑張ってね」

「うん……」


 しかし天城さんは申し訳なさそうな表情をしながらそう断ってきた。まぁいつも勉強で忙しそうな女の子だから何となく断られるかなとは思ってたので別に気にはしてない。


「それにしても天城さんは毎日塾があるなんて大変だね。やっぱりそれくらい勉強しないと有名な大学には受からないもんなの?」

「えぇ、そうね。勉強を沢山しなきゃ難関大学に合格なんて出来ないわよ。だからアナタもしっかりと勉強をしていった方が良いわよ」

「なるほどね。そんな話を聞いてると俺もちゃんと今から勉強をした方が良い気がしてきたな。ちなみに天城さんは毎日塾に行くようになったのはいつくらいからなの?」

「えっと、塾自体は小学生の頃からずっと行ってるけど、毎日通うようになったのは最近からね。模試の順位がちょっと落ちちゃったから、それでお母さんに叱られて塾の日数が増え……」

「……えっ? 模試の順位がちょっと落ちただけでそんな叱られる事になったの?」

「え……って、あ! い、いや、何でもないわ! 今のは聞かなかった事にして!」

「え? あ、あぁ、うん、わかったけど?」


 何だか凄く大変そうな家庭事情の話を聞いてしまった気がするな。まぁ都会だから難関大学も沢山あるし、かなり教育熱心な親御さんなのかもしれないな。


(でもこんだけ勉強ばっかりしてるのもちょっと心配だよな)


 天城さんが難関大学に合格するために毎日一生懸命に勉強をしてるのは俺もちゃんと知っている。でもこれだけ勉強しすぎてるといつか身体を壊してしまわないか心配になっちゃうよな。


 何かそんな毎日頑張ってる天城さんのために俺に出来る事があれば良いんだけどなぁ……。

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