シロと黒い百合
8話:散歩
「先生ー!男子たちが先生のライターで遊んでまーす!」
「まじか。私は教室に戻るが黒百合はどうする?」
「まだ少しここにいます」
「そうか、チャイムが鳴ったら戻って来いよ」
「はい」
すこし微笑んで黒百合の頭を撫でた水仙は、ものすごい勢いで教室へと戻っていった。
水仙のいなくなった中庭は心地よい澄んだ風が吹いていた。
「おまえらーーーー!!!!」
「やばっ!」
と、少し離れたとこれでも聞こえる水仙の怒った声や、クラスの男子たちの声などいろいろな声が理科室をつつんでいた
騒がしいところは苦手な黒百合は理科室から離れたところへと歩いて行った。
歩いていくと、花壇できれいに咲いているチューリップや、まとまって地面に咲いている名前の知らないような草や小さな花が咲いていた
そんな景色がだんだんと変わっていくのに私はある事に気づいてしまった。
(…離れすぎたかもしれない。ここ初めて来たな。にしても、ここ何処だ)
周りを見渡すと、きたことのないところまで来てしまった。
「おやおや、どうしたんですか?こんなところに人間さんがいるとは。」
振り向くと、見上げるほど身長が高い男性が立っていた。
その男性は、淡いく緑色の長い髪を首あたりでまとめており、そしてかけている眼鏡の奥に見える目は髪色よりも少し濃く、長細い瞳孔をしていた
その目は、まるで蛇のような鋭い眼光…を私に向けていた
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。