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シロと黒い百合2

2話:シロさん

「ありがとう!!けがはそんなにひどくないから保健室は大丈夫!…です!」

「そう…」


明るく無邪気な笑顔で笑いかけてきた獣人は眩しすぎた。


しかもよく見ると綺麗に短く切りそろえられた白髪に、今日の青天を切り取ったような綺麗な目をしていた。


「わたしはシロ!3年重大最終防衛科しょぞくです!!!」

「最終防衛…すごいところなの?」

「わたしもよくわからないんですけど、多分すごいところだとおもう!…です」

「ため口でいいよ…苦手でしょう?」

「なんでわかった⁉」


よく顔が変わっていて面白いな。とふふっと笑っていたらシロさんがパチパチと目を瞬きしていた


「私は黒百合、三年特別課のA組。ケガがなくてよかった」

「くろゆりちゃんは?けがはない?」

「えぇ。殴られていないもの」

(なんかこの子が喋るとなんか抜けた感じがするわね…)


と自己紹介をしていたら二人のお腹が鳴った


「…ふっ、あははははは!!」

「そういえばまだ昼ご飯食べ途中だったわ…」

「学食行こうかなぁ。今お金ないけど」

「それなら、私のお弁当食べる?もうなんかご飯食べる気が無くなってきたから」

「えっ!いいの⁉」


本当にシロさんと紫陽花のことでお腹がいっぱいになったんだ、気分が。


走って大木の下にいくと草の上に置いておいたお弁当に蟻が入ろうとしていたのでペしぺしとはらったら少し潰してしまった…まぁ、あるあるだから仕方ない


「こっち」


大木のところまでシロさんを手招いて自分のお弁当と割り箸をシロに渡した。


「うわぁぁ、本当にいいの?」

「うん、いいよ。でも少し食べちゃってあるからそこだけ蓋に移していい?」

「いいよ!!というかこれ黒百合ちゃんのお弁当だから好きなだけ取っていいよ!!それかお弁当返す!!」

「いや、そこまで食べられないから。それじゃぁ蓋とお弁当かして」

「はぁい」


黒百合が自分の食べていたものを蓋に移した


(これは…足りるのだろうか)


お弁当の中はもともと少ないうえにさらに少なくなってしまった。


獣人のところはよく外で訓練とかしているからこれでは少ないのでは?と思いながらシロさんに少なくなったお弁当を返した。


「シロさんこの量で足りる?」

「うん。いつも食べられない日とかあるから、食べられるだけありがたいよ。」

「え…?学食があるわよね?それに戦場に出ている獣人は、人間の仕事の代わりに戦いに出ているからお給料がもらえるでしょう?重大最終防衛科…だっけ?すごいところに入っているシロさんも、もらえるはずよ。」

「シロでいいよ~。お給料はもらえているけど、食堂に行くと大体人間の子たちにいじられちゃうし、

この前いじった子を殴って先生に怒られたんだよね~」

「あの噂本当だったんだ…」


2年生のころ聞いた話で白い獣人が5年生を殴って意識不明の重体になっていたらしい。

その先輩はかなり体育系で筋肉ゴリゴリマッチョ系だったため、殴った獣人もゴリゴリ系かと勝手に想像していたのだが、

(まさかこんな子だったとは…)


普通の獣人の女の子が先輩をぶっ飛ばしていたとは…

世の中不思議なことがたくさんありすぎだと思う。


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