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第3章「決定的な手がかり」

その日もいつものように、ソクラテスと公園を散歩していた。事件の行き詰まりに、頭を抱えている自分が情けない。手がかりなどひとつもつかめないまま、ただ時間だけが過ぎていく。こんな状況が続くと、このまま真相に辿り着けないまま事件は謎のまま幕を閉じてしまうだろう。


「あきらめるな。手がかりはすぐそこにあるはずだ」


ソクラテスの言葉に励まされ、公園のなかをじっくりと観察し始めた。すると向かい側の小道から、思いがけない光景が目に飛び込んできた。


「どけー、危ない!」


反射的に体を避ける。あと一歩遅ければ、自転車にはねられていた。久方ぶりに見る、あの花屋の店員だ。不思議な縁とはこのことか。被害者との関係を探る糸口が、ついにめぐってきたのだ。


店員への尋問を開始する。緊張した様子で最初は否定するが、徐々に追い詰めていく。ついにアリバイに疑問符がつくことを認める。我慢の限界か、ついに虚偽が崩れ去ったのだ。


逮捕後、ソクラテスに報告する。「被害者宅の謎に注目しろ」とのアドバイスを受け、現場へと向かった。


被害者宅のベランダから望む小川を挟んだ向かい側に、大きな桜の木がそびえていた。ちょうど満開を迎えたその木ではあるが、不思議なことに一部の枝にだけ桜の花が咲いていない。

かわりにそこには、人為的につけられたとおぼしき傷が刻まれているのが見て取れた。


その傷の位置は被害者宅のベランダから正面に見える場所にあり、しかも室内からは死角となる。犯人はこの木を見張り場所として利用し、被害者の行動を窺っていたのではないか。そして花を摘み取ることで視界を確保し、凶行のタイミングを見計らっていたに違いない。


木の下でじっくり捜索を重ねると、ついに決定的な証拠が見つかった。犯人が見張りをしていた際に落としたと思われる、小さなボタンだ。

これがキッカケとなり、遂に真犯人を特定するに至ったのだった。


これでやっと、真相に迫れる。


手掛かりをつかむことができたのも、ソクラテスの的確な助言があったればこそ。一見無為に見えるこの公園の散歩が、事件の行方を大きく変えたのだと思うと、胸が高鳴る。これからも、ソクラテスと信頼し合い、ともに真実を究明していこう。この絆があれば、どんな謎も必ず解き明かすことができるはずだ。

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