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妹の婚約者  作者: 秋元智也
27/33

26話

南陵大学では大きな祭りが開催されようとしていた。


オープンキャンパス以来の一般客を入れるお祭りとあって、

みんな気合いが入っている。


「長谷川くん、彩ちゃん連れてくるの?」

「いや、そのつもりはない…」

「えーーー、残念。一緒に回りたかったのに〜」

「何で会長が遊び気満々なんですか?仕事もちゃんとやって

 くださいよ?」


長谷川慎司は内心焦っていた。

彩…いわゆる爽と一緒に回りたいが、それは彩の格好でか、

爽のままでかという事だった。

誘いたいのに、誘いづらいのが今の悩みだった。


家に帰っても、話題にあげる事ができない。


「な〜なにか話たい事あるだろ?」

「な、何もないよ?最近ちょっと忙しくて…」

「そっか…」


せっかく聞いてくれたのに、慎司は上手く言えない。


「彩はさ…爽の姿のまま外には出ないのか?」

「出てるけど?」

「…!?」

「だって学校行ってるし?それに帰る前には着替えるけど?

 門のところに監視カメラあるだろ?あれって両親が見える

 ようになってるって昔言ってただろ?」

「あぁ、そうだったな…」


過保護な両親が子供に家を与えておきながら監視するために

門のところに監視カメラを付けたのだった。


もうすぐ秋になる。

春になれば爽は高校を卒業する。

大学への進学は考えていないようだった。


「大学へは行かないのか?」

「あぁ、これ以上金かかる事はな…」

「それなら僕が…」


爽は首を振ると、そこまでは…と続ける。

どうしても遠慮する彼を慎司は寂しく思う。

もっと頼ってくれてもいいのに…と。


勉強もそれなりに出来て、女子にもモテる。

それは外面だけだが、爽を気にしている女子は多い。

だが、全く範疇にないのが、彼の良いとところとも言う女子もいる。


「なんか理不尽だよな〜」

「何が理不尽なんだ?尚弥最近彼女出来たって喜んでなかったか?」

「それがさ〜、結局……やっぱりいいや。振ったんだよ。ちくしょ〜

 何が顔だ?何が性格良さそうだ!何も知らねーくせに〜〜〜」

「一体何を言われたんだ?」


爽には意味が分からない。

尚弥は最近、彼女が出来たと喜んでいた。

その彼女が実は尚弥ではなく、爽を紹介して欲しくて尚弥に告白した

らしい。


尚弥自身、自分を選んでくれたと思うと嬉しくて爽にも自慢した。

が。後で、彼女から質問されるのは爽のことばかりで、一向に尚弥の

事は聞かれなかったらしい。

そこではっきりと聞いたら、やっぱり爽に紹介して欲しいと言ってき

たもんだから、思いっきり振ったらしい。


「そんなに気になってたんなら、何で振ったんだよ?」

「知るかよっ!あんなやつ知らねーし」

「この前まで喜んでたじゃん?」

「この前はこの前、今は今なの!ってか俺、爽と付き合おっかな〜そ

 すればあいつらに目にもの見せてやれるし〜」

「はぁ?なんで俺が尚弥と付き合うんだよ?頭大丈夫か?」

「なぁ〜一回女装してみねーか?一緒に写真撮ろうぜ!」

「何でそうなるんだ?」

「いいじゃん!一回だけ!な?」


尚弥がしつこく言うので、面倒に思いながら一回だけと約束した。


「ならさ、南條大学のお祭りあるじゃん?あれに一緒に行こうぜ」

「はぁ〜。それはちょっと…」


なぜならそこは慎司の通っている大学だからだ。

生徒会の事できっと忙しくしているだろうし…


気づかれる事もないか?

と思いながら渋々承諾したのだった。


そして今週末の迫った頃、やっと慎司から話があると言われたのだっ

た。


「ちょっと外を歩かないか?」

「いいけど…今からか?夜遅いけど?」

「嫌か?」

「嫌じゃねーけど…ちょっと待ってろ」


今は家で爽もウイッグもしていない。

ありのまま、自分の姿でいるのでハーフパンツとTシャツ一枚なのだ。

だが、外にいくとなるとそうは行かない。


ちゃんと身だしなみはしない家を出る事もできない。

いつ見られているとかともうと、安心出来ないのだ。


「お待たせ〜」


部屋で、服を着替えて化粧をして、ウイッグをかぶればどこからどう

見ても女性に見える。

それは嬉しい事ではないが、今はよかったと思っている。


「じゃ〜いくか?」

「あぁ…」


公園を回って池のそばまでくるとやっと話し始めた。


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