表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹の婚約者  作者: 秋元智也
23/33

22話

風呂から出て、彩を呼びに言った慎司が部屋の前で立ち止まった。

中から聞こえる声に聞き耳を立てた。


「だから〜……お前のせいで、ベッドが汚れたから…………」


学校へ行っただけだったよな?

電話の相手は誰だろう?

こんなに気軽に話せる相手なのだろうか?


「シミ作ってんじゃねーって………」


ベッドが汚れた?シミ?

汚すって事は…一体何をしているんだろう?


考えてみると、思い当たる事は一つしかない。

彩が学校で…

処女じゃなかったのか?


一瞬、自分でも分からない苛立ちが湧き上がった。

好きな人は、同じ高校の男子だったのか?

キスもした事ないと思ってたのに、まさか保健室のベッドを使って?

いてもたってもいられなかった。


バンッとドアを開けると、彩と目があった。

すぐに電話を切る彩に余計に怒りが募る。


「僕の婚約者じゃないのか?」

「えっ…あ、はい」

「どうして……いや、なんでだ?」

「…?」


何を言われているのか爽には分からない。

押し倒されるとベッドの上にのしかかってくきた。


「僕の前で嘘をつくなっ!お前は処女か?」

「はぁ?」

「言えよ?事実だけを言え。嘘を言うなら今すぐ追い出す」

「…そうです。処女だって言ってるっ……!」


いきなり唇を塞がれると息が苦しくなる。

いつもながら急にしてくる。

何かで学んでいるのか毎回試すように色々とやり方を変えてくる。

誰かに試す為に、まず爽にしているのかとも思っていた。


「ンッ……」


苦しさからくぐもった声が漏れる。


「ぷはっ……一体何を……」

「嘘だろ?抱かれた事あるだろ?なら…僕に抱かれても平気だよな?」

「は?平気じゃ……って、ふざけんなっ!」


誰が誰に抱かれたって?

冗談じゃない。


逃げ出そうとするのを無理矢理押さえつけられるとシャツの中に手を

入れてきた。


「やだっ、離せっ!バカっ…」

「君はなんなんだ、どうしてっ……」

「俺は彩じゃねーんだよっ!」

「彩、逃げないでくれ…痛くはしないから…」

「聞けって!この変態!女を振り向かせたくて襲う奴がいるか!」


慎司の股間の膨らみを見ると余計に焦る。

まずは落ち着かせねばと思うと思いっきり蹴り上げたのだった。


「ぐっ………」


男ならどれほど痛いかなど分からなくもない。

だが、今は仕方ないと思うと床で転がる慎司を見下ろしたのだった。


「まずは聞けって!俺は彩じゃねーし、彩は今アメリカだ。騙してた

 のが悪かったけどな〜男に犯される趣味はねーからなっ!」


悶えながらも、慎司の視線が訴えている。

意味が分からない…と。


「だからな〜、俺は草薙爽。彩の兄なんだよ。」


目の前でウイッグを取ると短髪だった。


「短い髪も可愛い……」

「俺は男だって言ってるだろ?」


そういうとシャツを脱ぎ捨てた。

胸もないし、細い身体に多少の筋肉はついている。

どう見ても女性には見えない。


「貧乳?」

「どう見ても女に見えるのかよ?」


スカートを捲り上げると女性ものの下着が見える。

咄嗟に慎司が目を背けると、わざと目の前で脱いで見せる。


「女がこんなもんついてんのかよ?」

「…な、はしたない事を………んん!」


見慣れたモノがついている。

慎司自身、自分にもあるのでよくわかる。


「う…嘘だ」

「嘘じゃねーよ?俺も男だからな…」


一瞬固まった。

さっき押し倒した相手は男だったことにショックだったのか?

それとも、好きだと理解した相手だったからか?


どちらにしろ、男だと分かっても諦めきれない。


「彩はいつから変わってたんだ?」

「初めからだよ。いきなり婚約の話がきて、家を追い出されるし、

 金もねーから逃げらんねーし。それでしばらくは彩のふりして

 就職が決まれば出て行こうと思ってたんだよ。」

「はじめから…」


騙していた事には罪悪感があるので反省はしている。


「悪かったな…だけど、俺もあの親から逃げるにはいい機会だっ

 たんだ。いつもギャンブルに明け暮れて、仕事はしてても、それ

 以上に使うから…彩はいつも変なやつにつけられたり、借金のせ

 いで、やばい店に連れて行かれそうになったりと嫌な思いを一杯

 してきたんだ。」

「それでアメリカに?」

「あぁ、でも金もねーから…」


それで爽がいくらバイトしても溜まって行かないわけだった。


「ならさ…僕と直接契約しない?」


いきなりの申し出に一瞬戸惑ってしまったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ