88.新たな被害者
「………は? おいおい、なんでこいつら呼んだんだよ」
「既に呪いの件を知ってるのなら、良いだろう。隠してもバカがどうせ言う」
呪いの被害にあった場所に殿下たちと行くと、先生とリリアナ、ゼクト、ユラエスが既にいた。
「………お祖母様、だよな?」
「血液などを検査してみても、お祖母様のものと一致します」
そう淡々と言うリリアナの顔が一瞬だけ、笑顔になった……気がした。
亡くなったのは、屋敷へ帰る途中だったシティアル前公爵夫人だとのこと。
「……さて、姪。どう思うよ」
「どう、と言われましても。無差別、にしては用意周到過ぎますからね。敢えて狙ったとしか」
敢えて、シティアル前公爵夫人を?
「派閥間、何より」
「姪の孤立を目的とした犯行だな」
リリアナの孤立? シティアル前公爵夫人が亡くなることと、リリアナの孤立がどう関係するの??
「姪とこの女の確執は周知の事実。社交界では有名だ。なら、そこを突かない手はない」
「裁判ですか。面倒ですね」
「なぁ、言ってないことを当然のように知ってるの止めてくれないか!?」
ムフロフ侯爵の悲痛な叫びは、無視された。
「裁判………?」
「魔法裁判の方が聞くか。国全体でやる大掛かりなものだ。裁判官として俺も出るから面倒なんだが」
あぁ、あれか。
魔法裁判とは、皇帝陛下たちも交えて行われるもので、虚偽の申告は許されない。
皇帝陛下や裁判官たちと一時的な契約を交わし、真実を言っているか、嘘を言っているかが分かるとか。
「シエルの称号はこういうのに役立つからな」
「尋問は嬉々としてやりますよね」
「姪の作る薬の実験体を無料でもらえるからな。安いだろ」
どんな理由で尋問やってるの。
「まぁ、んなこと、今は良いか」
「回収できないんですけど……」
「リリー、死体漁り止めろ」
「調査です。公式の」
「公式と言う名の非公式でしょ」
ゼクトは言い方ね。親族だから、被害者。
と、言うか、リリアナはなんとも思わないのだろうか。自分の祖母が亡くなっても。
「…………うわぁ、この人毒持ってますよ。どんだけ殺したいんですか」
リリアナは遺体の前で屈み、物色………調査すると、小さな小瓶を取り出す。
「………わぁ、この国にない薬ですね」
「その薬を飲んだ奴いるらしいぞ」
「わぁ、誰でしょうねー」
リリアナ、棒読み過ぎる。
何故毒飲んで生きてる。魔法? 魔法でなんとかなるの??
「姪………」
「え、あの、なんで伯父様そんな憐れむような目で…………なんで皆さんも!?!」
リリアナ、そういうとこだよ。
「リリアナ嬢。毒を飲んで平気なのは君だけだと思うよ……」
「え、伯父様?」
「魔法を重ね掛けしてなんとかだよ」
その様子だと魔法一つでやったんか? どっちにしろ規格外。
お知らせ!
この話と同時に、この小説の番外部屋を作りました!
https://ncode.syosetu.com/n7035ih/
↑ここから行けると思います。
誰視点とかは無く、ただキャラクターたちに喋ってもらう形になる………予定です!(誰かの固定視点になる可能性もあります)




