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529/557

528.いつか

以下略。

「ちゃんと書けよ」


魔術。他者によるコピーはほぼ不可能であり、自身の知識、技量、魔力量に左右される。


【概念】としての力をこれに込めれば、当然。


「………終わった?」


さすがの皇女も動けない。


「まだ息してますね」

「ヴァーミリオンの本気で!?」

「本気じゃねぇ。全力なだけだ」


皇女に近付き、見てみるが、死にかけだな。


「もう動かないな」

「体力が尽きたんだろ」


皇女の様子を見ていると、どうもおかしい。


「ヴァーミリオン、腹の辺り」

「あぁ、異様に魔力が籠ってる」


何かあるのか? 腹を守るなんてことそうそうしないはずだが。


「………あー、これやってるわ」

「あ?」

「うん。これはあれだ。見ちゃダメなやつだ」


止めろ。頭が痛くなる。というか、既に痛いんだから止めてくれ。


「え、どうする」

「どうせもう手遅れだから皇女と一緒に送る」


他にはバレてないし、さすがに龍王にこれ言ったらいろいろ問題が増えるしな。


「問題ないな」

「皇女はどうするの」

「世界樹のとこに埋める。ゼロニクルもそうしたしな」


せめて、死んだ後くらい番といさせてやった方が良いだろうからな。


「呪いは?」

「皇女が渡した祝福に転じさせる。多少はマシだろ」


どうなっても知らん。俺はこの後魔術使ったことについての説明しに行って二ヶ所くらい回ってそこに祝福渡させてってやらなきゃいけないんだ。細かいとこまでするつもりはない。



 ****



あれから皇女の葬式が行われた。龍王はもちろんだが来ず、天帝も出ることはなかった。

魔術使用については咎めなし。緊急だったこと、ルシファーとミカエルの二人でやったにも関わらず殺せなかったことが理由。


そんで、今は世界樹のとこに俺一人。

正確には、死んでる皇女とゼロニクルが埋まってるから一人じゃないんだがな。


「最後の最後に面倒なの置いていきやがって。仕事増やすなよ」


ゼロニクルはこのままこっちで回るのが良いだろうな。皇女は一回別のとこに連れて行こう。


今回、皇女は他者に触れ、善を知った。それ故に汚れた。

次は、どうなるかね。


「しゃーねぇから、送ってはやるよ」


どうなるかは知らないから、自分が転生したときに説明しろよ。


「善は闇を知り、悪は光を知る」


昔、お前が言ってたっけな。


善意は大切なものを失い絶望する。

悪意は他人の温もりを知り、優しさに触れる。

好奇心は己が欲を満たすため全てを利用し、やがて全てを取り戻す。


「相変わらず、分からないな」


これを言った数日後。お前は死んでった。


「長い時間だよ。お前の考えるソレにたどり着くまでの道のりは」




過去編終わり!!

「てことは、アイリスの方に視点戻すのか」

ようやくです。そしてこの調子なら修学旅行までには終わる……はず。


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