524.許可
引き続きヴァーミリオン視点となります。
「! 動いたっ」
「進路方向にいるのを避難させろ!」
皇女の進路方向は運が悪いことに建物に突っ込む方向。これ以上は皇女もヤバいし他もまずい。
「目閉じろ!」
今の皇女に言葉を理解できる程の力は残ってない。皇女だけに的確にやれる。
閃光魔法。本来は魔物などが襲ってきたときに驚かせ、怯ませるための魔法だが、込める魔力量によってかなり害悪。目を閉じててもかなり眩しいんだ。目を開けてた皇女はたまったもんじゃないだろう。
「えっぐ……」
「言ってないで攻撃する!」
皇女の周りに人がいないからってかなり派手にかましたな。
「……! 避けろ二人とも!!」
目が見えないのに適当に魔法放ってきやがった。
「ミカエル!」
「翼が少しやられただけだ! 気にすんな!」
気にしない訳ねぇだろ。致命傷なる前に治せよ。
「ミカエル一度下がりなさい」
「ルシファー一人で相手できる程簡単じゃないだろ。治すくらいなら戦闘しながらでもできる」
「ですがもし呪いがあったら」
「グダグダうるせぇ。目の前のこと集中しろ。呪いあったらもう逝ってる」
それはそうだが、無茶するなよ。
「お二方、手伝います!」
「無茶するなよ」
ラファエルも来た。他の七大天使たちも到着。皇女はまだ目の状態が戻ってない。なのに勝つ確率五分はおかしいだろ。
「ヴァーミリオン! 魔帝から!!」
ようやくか。
「魔界が長の名の下に戦闘を許可!」
俺らも動ければ勝率は上がる。
「魔界の矛として、龍王の娘を討て!」
龍王の娘……。天界の皇女を殺すのではなく、許可を得れている龍王の、天空領の時期支配者を殺せってことか。
「レヴィア、そいつら連れて下がってろ」
「私も!」
「止めとけ。称号がもうない以上、巻き込まれるだけだ」
七大天使と七大悪魔がこうやって共闘することになるとはね。
「何万年も生きてると奇妙なことがあるもんだ」
「言ってる場合?」
「とりあえず食べていーんだよね」
「久しぶりに暴れられるな」
「……できれば避けたかったですね」
「やるならやりましょう」
つっても、ここに協力だの阿吽の呼吸だのなんてねぇから、結局は乱撃だがな。
「五回で終わらせたら楽だけどね」
それで終わる程の相手じゃねえって話してるだろが。
「ま、殺りゃ勝ちなんでしょ」
クラファスが複数の魔法を一気に当てるが、やっぱ効果ないな。
「ダッサ…」
「言ってやるな」
魔界で最高火力誇ってるクラファスの魔法がほぼ効果なし。やっぱ普通のじゃ無理だな。
「ルシファー、ミカエル。あと、何発できる」
「二十前後ですかね」
二人の魔力も無限じゃない。天使たちの力を把握できてない以上、共闘しようにもできない。だからと言ってルシファーとミカエルに指揮させてもこいつらがやるかどうか分からねぇ。
「……これ、私らいても五分じゃない?」
「特殊型が多いのがネックだな」
「書き手、戦闘シーンは?」
あるじゃないですか。ボケてます?
「喋ってるとこしかねぇよ」
「せめて魔法名出そうよ」