表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/557

29.不安

リリアナ視点となります。



さてさて、面倒が重なりました。


一つ目は、隣国の再従兄弟である王太子殿下と第二王子殿下の留学。

これは前々から予定されていたものではあるので、この中では対処は楽です。


二つ目は、先日現れたと言う聖女。

何故このタイミングなのか。本当に聖女なのかも分かりません。あまり疑いたくはないですが、偽者の可能性を考えなければいけないんですよねぇ。


三つ目は、アイリス様。

彼女が逆行人になった。と言うことは、やはり素質があるのでしょう。もう少し警備を増やした方が良いかもです。


今、一番の問題は聖女様。

もしも、偽者であるのならば、


「…………確実に私に回ってきますよねぇ」

「んー、何々?」


…………この人は。


今は夜。それも私の部屋です。


ゼクトは許可していて、しっかり返事を待つから良いですが、伯父様と言い第四様と言い彼と言い、何故勝手に入って来るのか。


「まぁた押し付けられた?」

「それとは別件ですよ」

「ふぅん。珍しい」


あれ? 彼の中で私ってどう思われてるんですかね?


確かに伯父様たちに頼まれて断れずに良くやってはいますけど。


「それで、今回は何」

「聖女様とアイリス様です」

「アイリス…………。あー、不確定要素か」


言い方が酷いですね。合ってはいますけど。


アイリス様は、こちらにとって一番の危険要素を持ちます。


彼女が私の予想通りの方であれば、保護対象。

彼女が私の予想とは外れ、別の可能性であれば、最悪抹殺。


どちらも良いとは言えませんね。


「あれにそんな悩む価値あるの?」


つまらなさそうにそう言ってきますが、どうにかしないといけない案件ですよ。


今までのように処理できません。


「………まぁ。そんなに難しく考えなくて良いよ」


ポン、と私の頭を軽く叩き、ベランダに行きます。


月の光に照らされた彼の髪色は、先祖返りとされている白銀色。


私のような、紛い物ではなく。

正真正銘、その一族の、かつての始祖と同じ。


「命よりも大切なお前のためにならなんだってやるって、前にも言ったろ?」


彼は私に罪悪感を持ち、私は彼に罪悪感を持っています。


本来の未来とは異なる現在。


外れてしまった現在を。

変わってしまった未来を。


元に戻すことは、できるでしょうか。


本来生きていたはずの者。

本来死んでいたはずの者。


「リリー、俺はしばらくじぃさんの所に行く。こっちに居ると、王太子ら辺が気付きそうだしな」

「………そうですね。あそこならば、皆が守ってくれますから」

「あれ? そこは俺が守る側じゃねぇの??」


え、守られる側では?


「強いのは分かってますが、過信し過ぎると足元を掬われますよ」

「手厳しいなぁ」

「信頼してるからこそですよ」


彼を信頼しているからこそ、心配しているのですから。


彼が強いのは、私が一番知っています。


「………大丈夫だよ。知ってるだろ」


そう言って、ベランダから飛び降りる。


大丈夫。彼がそう言うのなら、そうなのでしょう。

私も、やることをやらないとですね。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ