28.逆行人
あれから数日。
シアちゃんとルグ君とは毎日のように会ってる。
今は放課後。例に漏れず、五人で居る。
てか、放課後に居ること多いな。
「………んんーー??」
「悩み事?」
「んー、ちょっとね」
どうするのが正解なんかな。
「…………リリアナ、ちょっと聞きたいんだけど」
「何ですか?」
「逆行人って、知ってる?」
「…………また珍しいことを」
「あ、知ってるんだ」
聞きたいな~、とぐいぐい押す。こういう時は、押すのが正解。
案の定、リリアナが押しに負けた。
「逆行人とは、本来ハゼルト間のみで使われる名称です。一般では迷い人と呼ばれ、何時どこで誰がなるかは不明。一部の方々では迷い人を調べ、事象の解明をしようとしています」
「え………」
あの二人、ハゼルトなん?
二人は、時間が歪んで過去未来どこに飛ばされてもおかしくないって言ってたけど。
「その様子だと、行きましたか」
「あ、あはは………はは」
「行った場所が森であれば過去。庭など人の手がかかっている物があれば未来ですが」
「過去ですね」
「なら、どこかは分かりませんね」
なら、ってことは逆に未来なら分かるんですかね? 何て言うチートですかね。
「あぁ、後ですね。それ、あまり話さない方が良いかと」
「え、なんで??」
「ハゼルトの権限に抵触する可能性がありますので」
……………ハゼルト、コワイ。ハナサナイ。
片言だけど、許して。本当に怖いの。先生が少し魔力出すだけで失神する人多発なの。無理だから。本当に。
嘘だろって思った奴。今すぐ出てこい。一回先生の授業受けてみろ。
「ハゼルトはどれくらいの権限を持ってるんだ………」
「私は、魔法の開発などを許されているだけですけど、伯父様ですしね。皇帝陛下がどれだけ押されても大丈夫だったかによるかと」
「リリーちゃんので十分なんだけど」
「最初無断でやっててバレて怒られました」
怒られるに決まってるでしょ。
何無断でやってるの。
魔法の開発などは、危険を伴うため原則国の指定した場所でのみできる。
「子供の好奇心で許されました」
「許されちゃったか」
「先祖返りをどうこうできないとか言ってましたね」
許されちゃったのも問題だけど、先祖返りて。
「私の髪色や瞳なんかも昔の方のらしいですよ」
「どのくらい前なの」
「…………魔法を授かったくらい、ですかね」
「何万年も前じゃん」
それ、いろいろと大丈夫なのか。不貞疑われてもおかしくないような。
「筆頭家二つに言い出す方なんて自殺志願者だけですので」
「あれぇ、なーんで心読まれてるんですかねぇ?」
「魔力の流れとかで?」
「絶対嘘じゃん」
疑問系とか絶対嘘の流れでしょ。
リリアナは肯定も否定もしない。
無言は肯定と見なすって良く言うよね。
「まぁ、後は何事もなければオールオーケーでしょ」
「一番やってるのはお前だろ」
「…………そう言えば、そろそろあちらもですか」
「あちら??」
え、何? なんかあるの??
「神殿から話が来たと伯父様が言ってましたし、お再従兄様がそろそろこちらに来るそうです」
「王太子殿がか」
「はい。国王陛下を脅…………説得してこちらに来れるようにしたそうです」
「今、脅迫って」
「言ってないですよー」
言ってたよね。聞いてたからね。
とは言え、そうなると攻略対象が来るのか。
クロフィム・カドラ・ヤーナルド。隣国のヤーナルド王国の第二王子。先王の妹がハゼルトに嫁いだらしく、リリアナとは再従兄妹。この時期に兄である王太子殿下と留学してくる。身長一六八、誕生日は一月の十九日。
銀色の髪と水色の瞳。
クロフィムの悩みは、優秀な兄への劣等感。
てか、クロフィム来ると、後一人で攻略対象揃っちゃう。




