20.情報
騎士団の訓練場を出て、都を歩く。
「この時間で貸し切りってできるの?」
「常連だし、今の時間は空いてるから」
把握済みですか。
少し歩き、お店に着いたらしくローズさんが中に入っていく。
「貸し切り大丈夫?」
「ローズ卿、サボりかい」
「失敬な。仕事だよ」
入って、と言われ中へ。
個室に案内され、椅子に座る。
「で、何を聞きたいの」
「今回の呪いの事件で魔塔のことはある程度聞いた。ハゼルトの方を聞きたい」
ローズさんは、面倒そうにため息をつく。
「………リアに知られたらどうなるか知らないから」
「ゼクト君は良いの?」
「信用して大丈夫。ゼクトがリアを不安定にするはずないから」
謎過ぎる信頼。まぁ、バレないなら問題ないし。
「ハゼルトが古き民の末裔なのは知ってるよね」
「この前聞いた」
「なら簡単か。ハゼルトは神や悪魔に最も近い存在であり、一種の信仰対象として存在する」
「そうなの?」
そう聞くと、こくりと頷く。
「そう言う奴らは、ハゼルトがこの国に留まるのを良く思っていない。ハゼルトこそが、下界を統べるべき存在だと主張している」
「…………? それと今回のどんな関係が?」
「ハゼルトの信用がこの国に無くなれば、ここに留まる必要もない。ハゼルトを自由に、人を統治する。それが狙い」
なんと言うはた迷惑な。
ハゼルトの意思等をガン無視で勝手にやってるだけ。
「ハゼルトがここにいるのは、聖域をここの公爵の領地とされているから。そこさえ奪えば、ここにいる義理もなくなる」
「なんでハゼルトが管理しなかったの? 主張すれば………」
「建国神」
この国の?
この国は、女神が人と手を取り合い作ったとされている。
その建国神が何かしたの??
「あれさえ居なければ、ハゼルトは今も自由だった。だから、あいつらの狙いはここ自体でもある」
「あれ、リリーちゃんそんなこと……」
言ってなかった。関係ないって言ってた。
たぶん、私たちを安心させるために。
「リアは、やろうとすればなんでもできるし、なんでも手に入れられる」
まぁ、筆頭家だし。でも、なんでもはさすがに……。
「これが分からないのは、あなたたちのことをリアがどうとも思ってないか、あなたたちにバレたくないからのどっちか」
後者であることを祈るかな………。
リリアナ、前者がありそうで怖い。
「現時点で言えるのはそれ。後は、君」
そう言って私を指差す。
え、いや、私??
「君なら、リアの望みを叶えられるよ」
「リリアナの望み…………?」
「………はぁ。疲れた。甘いもの食べたい」
いや、さっきとの雰囲気の違いよ。ぶち壊してきたし。
この後、見てるこっちが胃もたれしそうになるくらい食べてた。
見てるだけでお腹いっぱい…………。




