表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

202/557

201.真偽魔道具




「……ふふ、ダメですよ。扱いなれていないもので真偽を見ようとするのは。お兄様たちより、それをずっと見ているんですから」


リリアナは、この魔道具があることを知ってた? でも、


「それはあくまで、『発言』を真偽するだけであり、『その者』の真偽を判定することはないですよ。例えそれが『偽』であろろうと、答え方によってそれは『真』と判定される。伯父様が用意した抜け穴ですよ」


先生が作った魔道具をリリアナが知らないはずがない。頭から完全に抜けてた!


「その質問からして、私があの人を殺したのは想像できているのでしょう?」

「っ、リリー!」

「構いませんよ。なんとも思っていませんから。当てたのはニーチェル公爵様ですかね。魔道具を持ってくるのなんてあの人くらいです。………あぁ、そうなるとお父様にバレましたか」


まずいなぁ、と他人事のように呟いている。


「………幻滅しました?」

「えっ…」

「昔からそうなんですよ。『イメージと違う』『それは令嬢の行動じゃない』。そういう人がいるんですよ」


試してみます? と言って、私の方に手を伸ばしてきた。

感じたのは、恐怖。次に出てきたのは、安心だった。


「…私たちのこと、怖がらせようとしてるでしょ」


ピタリとリリアナの動きが止まり、何のことかととぼける。


「声もわざと低くして、魔力で少し空気を重くした。私たちがそれで拒絶すると思ったから?」

「……………」

「リリアナは、自分の意思で人を殺したことは、ないんでしょ?」


手を伸ばしてきたとき、何をされるのかは不安だった。でも、危ない目に合うなんて一ミリも思わなかった。


「夫人のことも、殺したって言ってたけど、私はゼクトの『事故』って言葉を信じる」


リリアナの目は、とても人を殺した目ではないと思うから。


「……本当に、……ですね」

「え……?」

「これで私が本当に攻撃したらどうするつもりで?」

「本当に殺す気なら、最初からやってるでしょ。攻撃してきても、たぶん避けられる」


リリアナは、攻撃してきても手加減する。自分で無意識のうちなのか、別の理由があるからなのかは、分からないけれど。


「だから、それは無駄だよ」

「………ゼクト、準備しておいてください」

「はいはい。もういいのか?」

「これ以上残しておくと厄介ですから。多少暴れても問題ないようにしますよ」

「あっちは?」

「それは魔塔次第です」


リリアナはそう言って部屋を出ていく。


「………あれ、相当お怒りじゃない?」

「止めてくれよほんとに。後処理面倒なんだよ……」

「ユート君たち駆り出されそー」

「「お前のその発言は当たるから止めろ」」


実際に、後日ゼクトも合わせて呼び出しくらったとかいないとか。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ