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1.乙女ゲームに転生!




さぁさぁ、やって参りました。国立アルミティア魔法学院へ!

ここは貴族子息令嬢が十三になれば通うことになる学院。社交界の縮図であり、優秀な者や婚約者を探す場でもある。


そんな学院を舞台とした乙女ゲーム『そして私は恋をする ~光と闇の華~』のヒロイン、アイリス・ディア・カトレアに私は転生したのだ!!


これは嬉しい。超嬉しい。

何故なら、私の推しは悪役令嬢だ。

異世界転生モノだと、ヒロイン転生来たー! からの攻略対象たらしこんで、転生者だった悪役令嬢もしくはその身近に逆断されて、とかが多いよね。

まぁ、そんなことにはならないけどね!


さて、少し(長くなるだろうけど)私の推しである悪役令嬢について語らせてもらおう。


リリアナ・アデア・シティアル。三大公爵家の一つであり筆頭家、シティアル家の娘。身長一四〇と低め、誕生日は二月の十三日。

光のあたり具合で見え方が変わる大変珍しい白藤色(というか、ほぼ白)の髪に、透き通った綺麗な水の色の瞳。

この国の皇太子であり、乙女ゲームのメインヒーローであるフロイド・カフテリア・フィミナルト殿下の婚約者。

百人中百人が美人だと言う程で、ヒロインであるアイリスよりも断然美人。


製作者、絶対最初リリアナヒロインで物語作ってたでしょ、って思うし。


少しズレた。

リリアナは、魔力が多く、成績優秀。試験などで一位を譲ったことは(ゲームでは)一度もない。

そんな完璧とも言えるリリアナだけど、一つだけ苦手なものが。それが人間関係である。

幼少期のあることがきっかけで人を信用できないのだとか。そのためか、人と話したりしているところをゲームでは見たことがない。ゲームでは、アイリスに忠告するときは話してたけど……。


そんなリリアナだけれど、一人だけ側にいることを許した人物がいる。

それが、リリアナの従者のゼクト。

ゼクトは孤児らしく、家名などはない。リリアナの専属従者で、身長は一八四と高め、誕生日は不明。

少し青みがある黒髪に、深い海の色の瞳。

たぶん、百人中百人が美青年と言うだろう。もちろん、そう言うのには、訳がある。

ゼクトは、攻略対象が隠しキャラ合わせて六人いるのに、全員を押さえつけて、人気キャラ投票では不動の一位。二位のキャラと約七百票もの差を付けていた。


そんなゼクトだが、ヒロインたちとは二つ離れており第三学年。従者だが学院に通っていて、上位貴族がいる中で一度も学年首席の座を譲ったことはない。そんなハイスペ従者だが、相当拗らせていると見受ける。


『邪魔だから、あの子の視界に入んないでくれる?』


『あれはいらないけど、うろつかれるの迷惑なんだよ』


『あの子の邪魔になったり、泣かせたりしたら、殺すから』


これは、ゲーム中にゼクトがヒロインに言った言葉の一部である。


もうお分かりだろうか?

ゼクトは、主であるリリアナに好意を持っている。それがいつからあるのかは知らないけど、拗らせてるのは確定でしょ。


そして、ゲームではリリアナが悪役となっているが、実際にそう言うことをしてきたのは全てゼクトだ。


……え? リリアナが指示した?

んな訳あるか。


リリアナは、ゼクトのことを家族と思っているだろう。加えて、自分の側に唯一いる存在だ。そんなゼクトにリリアナが指示を出すか?

それは、否である。


リリアナは、自分が冤罪で断罪されてしまったが、ゼクトは一緒についていき二人で国外追放。その後、二人がどうなったかは、それぞれの想像にお任せである。


…………さて、そろそろ現実逃避が無理になってきてしまった。


現在、私は学院の入学式会場へ向かう過程で迷子になりました。


誰か、ヘルプミー………。





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